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僕がなろう系で貴族になる話  作者: あまない
第一期 悪魔と契約〜迷宮実習
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第19話 「料理っていいね」

 「ん……あ……こ、ここは……?」


 アイラが目を覚ますと、日は完全に落ちきっていた。


「アイラの部屋のベッドだよ。あの後また熟睡するから大変だったよー」


 信之はあの後、熟睡したアイラを抱きかかえたまま馬車に乗せて家まで帰った。


「あの後、何にもなかった?」


「えっと……」


 色々ありまくった。


 まず、あの後洞窟から出ようと歩いていたらゴブリンの大群が押し寄せてきた。イリスがいたので助かったが、魔力の尽きている信之は終始阿鼻叫喚だった。


 しかし不思議だ。


 何故かさっきからアイラが信之と目を合わせようとしないのだ。


「重くなかった……?」


「あ、すっごく軽かったよ」


「ッッ!……」


 信之がそう言った瞬間、アイラの顔は真っ赤に染まった。


「アイラ? どうかした?」


「な、なんでもないわ……」


「それでは僕は夕食の支度があるので……」


 そう言って信之は部屋を後にした。


 そしてルーラ率いるメイド集団と夕食の準備をする。


 この家に来た当初は包丁すらまともに使えなかったが、一生料理を運ぶ役だけでは疲れてしまうので、料理担当の人に料理を教えてもらい、一通り基礎的な料理は作れるようになっていた。


「今日は信之がアイラ様に料理を作って持っていってあげてください」


「なぜです?」


 いつもなら、


「あなたの料理などアイラ様に食べさせることなんてできません!」


 と言われて作らせてもらえない信之だったが、今回はルーラの方から依頼してきた。


「今日はいつもの方々に加えて、イリス様もいらっしゃっていますので……」


 そう、今日はイリスにとても大きな迷惑をかけた。


 そのためルーラは、馬車まで信之とアイラを連れてきてくれたイリスをシュヴェルト家の食事へ招待していたのだ。


「わかりました。では、我が国に伝わる胃に優しい料理を作りましょう! ルーラさん、お米とかってありますか?」


「お米……ですか? それなら食料庫に少しだけあった気がしますけど……何に使うんですか?」


 調理を終えた信之は、料理の乗ったトレーを持ってアイラの部屋へ向かった。


「アイラー、入るぞー」


 信之は何のためらいもなく部屋の扉を開けた。


「あ……」


「あ……」


「キャーーーー!」


 またもやアイラは着替え中だった。


 もうこれで何度目だろうか。


「ゴフッ!」


 アイラは見事なキックで扉を閉めた。


 その結果、信之は扉に思いっきり顔面をぶつけ、後ろへ吹き飛んだ。


 トレーの上にある『お米を使った日本の胃腸に優しい料理』と水は、奇跡的なバランスで無事だった。


「まったく……」


「スイマセン……」


 五分後、アイラは寝間着に着替えて部屋から出てきた。


「で? なんの用?」


「あ、えっと……料理を運んできました」


 二人は部屋の中へ入り、ベッドの縁に腰を掛けた。


「この料理は何?」


「お粥です。僕の国の胃腸に優しい料理です」


「オカユ……」


 お米がこの姿になっているのは初めて見るのだろうか。


 このお粥の味付けはシンプルに塩だけだ。


「これは……信之の手作り?」


「あ、そうですが……嫌だった?」


「い、嫌ってわけじゃないけど……珍しいなって……」


 アイラの頬が少し赤いのは気のせいだろうか。


「では……いただくわ」


「どうぞ」


 アイラはスプーンでお粥をすくい、不思議そうに少し見つめてから口へ運んだ。


「ど……どう?」


 アイラは少し警戒しながら食べているようだった。


「お……おいしい……」


「ほ、本当? よかった〜」


 アイラの口から美味しいという言葉が聞けた瞬間、信之はとにかく嬉しかった。


「塩加減がちょうどいいっていうか……この食感というか……おいしいわ……」


 自分の料理がこんなにも素直に褒められて食べてもらえるというのは、こんなにも嬉しいことなのかと思った。


 そう言いながら口数こそ少なかったが、アイラは無言でパクパクとお粥を食べ進めた。


 そしていつの間にか、お皿の上には何も残っていなかった。


「あいがと……料理、意外と美味しかったわ」


「それは良かった……」


「あの……そのお礼といってはなんだけど……」


 そう言いながらアイラは、膝の上に乗せていたトレーをベッド横のサイドテーブルへ置いた。


 そして自身の膝をポンポンと叩いた。


「その……膝枕……してあげるわよ……」


「…………え?」


 正直かなり驚いた。


 しかし、全男子の夢である『可愛い女の子に膝枕をしてもらう』という夢を叶えることができるシチュエーションだった。


「は……早くしなさいよ……」


 結局欲望には逆らえず、信之はアイラの膝に頭を乗せた。


 しかしなんだろう。


 柔らかくて、いい匂いがする。


「ど……どう? 私の膝は?」


「めっちゃ寝心地が良い……です」


 しかし、このときの信之の感情は興奮ではなく癒やしだった。


 なぜなら今日は訳の分からない洞窟へアイラを探しに行き、ゴブリンを退治し、スコルピウスを一人で相手し、彼女を抱きかかえて洞窟を出るという、かなり多忙な一日だったからだ。


「その……ありがとね……今日は本当に色々と」


「い、いえいえ……執事として当たり前のことをやったまでですよ」


「その執事さんは今、お嬢様に膝枕されてるけどね……」


 アイラは少しだけ微笑んだ。


 その微笑みは少し天使に見えた気がした。


 ――そして。


「ん……あ……ここは……」


 信之は見覚えのあるような、ないような場所で目を覚ました。


「やっほーーー! 久しぶり! ノブユキクン!」


 目の前にいたのは、すっごく久々の登場。


 一応この天界の女神をやっているサイコパス女神のルイナだった。


「久しぶり……」


「どうしたのー? 元気無いみたいだけど? あ! また魔力切れで、あの洞窟で自分が後半何にもできなかったこと根に持ってる?」


 コイツは心底ムカつく。


 おそらくコイツにありがとうと言うことは、一生ないだろう。


「で? なんの用?」


「つめたいなー」


 逆にコイツに優しくする意味がわからない。


「ではでは、お疲れのようなので単刀直入に……」


 なんだろう。


 ほんの少し雰囲気が変わった気がした。


「ノブユキクン……あなた、このまま行くと死ぬわよ」


「…………は?」


 ルイナの言葉を理解するには、かなりの時間がかかった気がした。


こんにちは!あまないです!

とうとう来ました!膝枕シーン!私は大好きです!

着々と信之とアイラの距離が縮まってますよね!さぁ、はたして

ノブユキクンはこの後どうなってしまうのでしょうか?

気になる方はフォローをよろしくお願いいたします!


⬇️私のXアカウントです!良ければフォローよろしくお願いいたします


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