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僕がなろう系で貴族になる話  作者: あまない
第一期 悪魔と契約〜迷宮実習
18/26

第18話 「友達とは?」

ハサミ攻撃が壁の岩肌に当たり轟音を奏でた。


「あっぶねーー!!」


スコルピウスは彼を見つけた途端、ハサミで攻撃してきた。そして、そのハサミ攻撃を何とか回避したが攻撃に当たった洞窟の壁には大きな窪みが出来ていた。


(当たったら即死かよ…)


「ジェルアーレ!」


呪文を唱えた瞬間、スコルピウスの足は凍った。


「よし!あとは全身を凍らせれば!……」


と、安心したのも束の間、氷結魔法による拘束は一瞬で解かれた。


「あれれ?」


今までこの魔法を食らわせて解かれたことはなかった。はずだったのだが…


「もう一度…ジェルアーレ!!」


再度氷結魔法を試してみるがスコルピウスの力が非常に強いからなのか、2秒止まる程度でほとんど効果はない。


「仕方ない…ルビュート!」


仕方なく、魔力消費が激しいが効果的な氷柱攻撃魔法を使用することにした。しかし、ここに来るまでのゴブリン退治でそこそこの魔力を消費していたので正直キツイ戦いだ。


「まずい…このままだと魔力が尽きる…」


苦戦しているとサソリは一瞬動きを止めた。


「お?疲れてきたのか…?」


チャンスだと思い、ジェルアーレを最大出力で発動しようとした。のだが…


「…ってあれ?」


様子がおかしい…そう、信之は忘れていたのだ…コイツがサソリであることを。


「うわぁーーーー!」


なんとスコルピウスの尻尾から勢いよく毒を吹き出してきたのだ。信之はとっさにジェルアーレからルビュートに切り替え氷柱の壁を築いた。しかしもっとまずかったのは、このスコルピウスの毒は氷柱を溶かしていくのだ。


「まずいまずいまずい!!」


スコルピウスの猛攻は止まらない。なんとかルビュートで防いではいるが長くは持たない。そんな攻防が20分ほど続いた。


「はぁ…はぁ…」


とうとう魔力は切れかけた。もう持たない。


「ここで…死ぬのか…あ…走馬灯が…」


流れてきた走馬灯は、初日にイノシシ型の魔物に襲われアイラたちを助けたら犯人と言われて彼女たちに捕まり牢屋に入れられて働けと言われて…


(マジでしょうもない走馬灯だな…)


この時、目の前までスコルピウスのハサミが来ていたので諦めた。


(ごめん…アイラ…ルーラさん…)


その瞬間、近くで風を切るような音が聞こえた。その音が聞こえた瞬間、スコルピウスのハサミは切り刻まれた。


「…え?」


左を見てみると、見慣れた緑がかった茶髪にジト目、少し小柄で華奢な体型の女の子がいた。


「全く…何勝手に立ち入り禁止区域に入っているのですか?」


そこにいたのは、信之たちの担任兼この魔法学校の校長のイリスだった。


「イ…イリス先生…」


「よく持ちこたえましたね。後は任せてください」


スコルピウスはイリスを見つけた瞬間、もう一つのハサミを大きく振りかぶった。


「イリス先生!!危ない!!」


「ご心配無用です」


スコルピウスはイリスの間近まで迫った。もうすぐ攻撃を受けてしまう。


「ウェント・スカーレ」


イリスが呪文を唱えた瞬間、スコルピウスのハサミと足が切り刻まれた。


(強っよ…)


信之は立ち上がりイリスの隣まで小走りで向かった。


「イリス先生!ありがとうございます!」


「全く…スコルピウスを一人で相手するなんて…もう少し自分の命を大事にしてください!」


怒っている姿も可愛らしい…しかしなぜイリスはここがわかったのだろうか。


「イリス先生、なんでここが分かったのですか?」


「魔物がうろついているかもしれないという噂を聞きつけて魔物が一番出てきそうなこの洞窟の入口まで来てみたのですが、中から音がしたので入ってみたんです。」


この勘の鋭さなども含めて、史上最年少で校長になれたのだろう。しかし、本当に強かった。腐っても一応世界最強の七人と言われている悪魔の契約者である信之が歯も立たなかったスコルピウスをあっという間に追い詰めてしまったのだ。


「でも本当に強かったですね、イリス先生」


「校長ならこれぐらい当然です」



安心しているとスコルピウスがまたモゾモゾと少し動き始めた。


「あ、まだ動けるみたいですね」


「信之君、下がってください。私がコイツにとどめを刺します」


そう言ってイリスがとどめを刺そうとした瞬間…


「待ってください!イリス先生」


「お……れ…………」


謎の音…いや、不気味な声が聞こえてきたのだ。


「ん?やっぱり何が聞こえたような…」


ここには信之とイリスしかいない。なのに何故か声が聞こえてくる。


「お………れ………は……」


「お前かよ!」


声の主はスコルピウスだった。しかし不気味だ。喋るサソリなんで聞いたことがない。しかしなんだろう…すごく悲しそうな顔をしている。


「耳を貸す必要はありません、とどめを刺します」


「ともだち……ともだち………」


何かを喋ろうとしていた。イリスも興味本位だがその声を聞くことにした。


「ともだち……ほしい……ともだち……いなかった……ずっと……」


(めっちゃ倒しにくいんですけど…)


さすがのイリスも多少は同情しているように見えた。


「友達に…なりたいのか?」


「なりたい……ともだち…ずっと……ひとり…」


とどめを刺すのを二人はためらっていた。


「じゃあ一つ、聞いていいか?金髪の女の子見なかった?」


「あ…」


ん?なにか引っかかるのだろうか、謎の喋るスコルピウスは言葉に詰まっているように見えた。


「ともだち……」


「いやその前に金髪の女の子」


喋るのをかなりためらっているように見えた。


「と…ともだち…」


「よぉ〜!久しぶり!!!元気してた〜!?」


洞窟の出口の方から出てきたのはもう一匹のスコルピウスだった。


「おるやん友達」


「あ…いや……あれは…」


「イリス先生、お願いします」


5秒後、2匹のスコルピウスはバラバラに切り刻まれた。


「アイラーー!」


その後、信之はイリスを連れて本来の目的であるアイラの捜索を再開した。


「あ、アイラ!」


10分程探した後、床に倒れているアイラを見つけた。


「死んではいませんね。気絶しているだけのようです」


幸い、アイラの身に大きな怪我は無さそうに見えて一安心した。


「とりあえず、ここを早く出ましょう」


「分かりました、案内します」


信之はアイラを抱きかかえ洞窟を出るため歩き出した。


しかし…なんか全体的に柔らかい…そしていい匂いもするような…


「…ん…?」


「あ、起きた?アイラ?」


「信……之……?なんで…ここに…?」


寝ぼけているようだった。いったいどれぐらい一人だったのだろうか。


「入口の所に、アイラがいつも付けている銀色の髪飾りが落ちてたんだよ」


「そっか……降ろして、もう歩ける」


アイラは信之の腕から降りた。しかし、地面に足をつけた瞬間崩れ落ちた。


「だ、大丈夫!?」


「だ…大丈夫よ…」


誰がどう見たって大丈夫ではないことは明らかだった。足からはイリスが包帯で応急処置してくれたが血が滲んでいてとても歩けそうな感じではなかった。


「やっぱり僕が運ぶよ」


「だ、だから大丈夫だって…」


信之が半強制的に抱き上げたが、アイラにはそれを抵抗する力ものこっていなかった。


「あ…ありがと…」


「どういたしまして」


信之はアイラを抱え、イリスと共に洞窟の出口へ向かって歩いていくのだった。


こんにちは!あまないと申す者です

ちょっと長いですが読んでいただきありがとうございます!

今月はマジで投稿頑張るので応援ヨロシクオネガイシマス

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