エリートは俺を見下す
各自の教室に向かう為に豪華な大理石の廊下を進んで行く。
さすがは上位クラスの男子が通うだけあって豪華だな。
「いくら好きに女子を使えるとはいってもクラス全員を抱くとなると…六十日で二十人。三日に一人のペースで抱くなんて僕には無理だよ。せいぜい二週間に一人かな」
F組の男子が誰に言うでもなく話している。
するとE組の男子が「そうだよな」と乗ってきた。
これはもう探り合いが始まっている?
確かに平均的な男子は一ヶ月に一回、搾精日に一回出すのが普通だ。
その一回出すのも苦痛に感じる男子もいるくらいだからな。
二ヶ月で四人から三ポイント、合計十二ポイントが最低ラインなのかも知れない。
三回逝かせる事が出来ればの話しだが。
そうそう、女性は五分に一回逝くと言われている。十五分挿れ続けないと三回逝かせる事は出来ない。
この男子たちはいったいテストで何分を叩き出してきたのか?
上位五パーセントの中でもさらに上位なんだろうな。
十二ポイント、それは俺には絶望的に遠い数字に思えた。
廊下を進みA組の前まで来て思ったのは陽当たりの良い教室。
机や椅子も普通の高校が使っているより遥かに座り心地が良さそうだという事。
デスゲームとは思えない厚待遇。
先に進み俺の教室へと行こうとすると制服を着崩した数人の男子が俺の行くてを阻むように立ちはだかっている。
「おい!G組のお前!テストで一分ももたなかった最下位のゴミ!お前の教室はあっちだ!」
なんでそれを知ってるんだ?
彼らが指差すのは下へと続く階段。
G組は下の階らしい。
うん?
ここ一階なんだけど?
地下って事か?
「おいおい、見ろよ!この薄汚い階段を下りていく『家畜予備軍』様だぜ!」
A組の男子が、もうリーダー格のように振る舞い鼻で笑う。
「お前ら良かったな!この二ヶ月は一ポイントでも取っておけば勝ちだぜ!なんせこの『早漏野郎』はポイントが稼げないんだからな!」
「お前に割り当てられた奴隷たちが哀れだな。二ヶ月後にはお前と一緒に牧場と工場送りだ!せいぜい死ぬ前にセ○クスを楽しんだらどうだ…あぁ、お前みたいな『早漏野郎』には女をベッドに誘う度胸すらねぇか!」
ドッ、と取り巻きの笑い声が響く。
彼らにとって俺は同じ生徒ではなく、自分たちのランクを引き立てるための踏み台なのだろう。
「おい、行くぞ!クラスの奴隷どもを『教育』して、スコアを叩き出さなきゃならないからな!」
わざとらしく肩を強くぶつけ、俺を追い越していく上位ランカーたち。
彼らが去った後には、暴力的なまでの優越感だけが残っていた。
行こう。
階段を下りるにつれ大理石から無機質で冷たいコンクリートへと変わっていく。
こんな所にもクラス格差があるのか。
ようやく辿り着いたG組の重い扉を開けると、そこには絶望に染まった光景が広がっていた。
「終わった…」
「二ヶ月で牧場送り…」
そんなすでに諦めたような虚無の瞳。
自分たちを『奴隷扱い』するであろう俺への強い警戒心と嫌悪を剥き出しにしていた。




