A組女子の反乱
二回目のランキング発表のために、全校生徒が集められた講堂。
俺たちG組は全員、綺麗でシワ一つ無い新品の制服に身を包んで壇上の校長の話を待つ。
A組のアイツは自信満々に不敵な笑みを浮かべ立っていた。
今回のランキング発表では俺たちは全力を出す。そのためボロボロの制服も脱ぎ捨てた。
「諸君!これから二回目のランキングを発表する!A組から順に発表していく!まずは…A組、六十ポイント!」
A組のポイント管理は上手く行った。
毎日上がり過ぎたポイントを下げるのに苦労したものだ。
特に双子の姉妹のポイントがぐんぐん上がってしまうんだよな。
「B組、C組二十ポイント!」
結局B組、C組のデバイスを青にする事は出来ないでいた。
彼らの気が変わり、もう一度パルスを使われたらポイントが上がるどころか下がってしまうからだ。
二十ポイントで勝てると思っているのだろう。
「E組、六十四ポイント!F組、六十三ポイント!」
このE組、F組のポイント発表に声を荒らげたのはA組のアイツだ。
「はぁ!?おかしいだろ!最高は六十だろうが!お前ら!いったい何をした!」
え?優しくしただけですけど?
と言ってやりたいが、今後もポイントを俺が稼いで行くためには言えない。
六十を越えた端数は、風呂と食事以外でエッチ満足度を稼いだのだろう。
二ヶ月で三、四人とシた。前世の感覚では少ないと思ってしまうが。これが普通。
「最後にG組…」
ここでA組女子の一人が手を上げた。
あれは…サキ、双子の姉だ。
「校長先生!少しだけお時間よろしいでしょうか?王様に聞きたい事があります。ランキングが確定する前に、一つだけ聞かせてください」
校長は無言で頷く。
サキの声は、冷たく、そして澄んでいた。
「王様は私たちのことを、どう思っていますか?私たちがもし、このまま最下位に落ちて『家畜』になったら、あなたはどうしますか?」
アイツは鼻で笑い、言い放つ。
「はっ!何を今更。この時点で俺の生き残りは確定している。まあ、貴様らは俺のポイントを稼ぐための『奴隷』であり、使い捨ての『道具』だ!」
こんな分かりきった事を聞くなんて。
サキは何をしているんだ?
「家畜に落ちたければ勝手に落ちろ!校長にでも泣き付いて自分から家畜に落ちるか?勝手にしろ!また新しい奴隷を補充してもらうだけだ!」
その言葉が講堂に響き渡った瞬間。
モニターのA組のポイントが、垂直落下を始めた。
な、何をしているんだ?
そう思うのは俺だけではなかった。
「な、なんだ!?どうして俺のポイントが消えていく?!」
A組男子が叫ぶ。
A組女子たちは、二ヶ月前の顔に戻っていた。
アイツの『奴隷』『道具』という言葉が彼女たちにとって最大の不快となったのだろう。
それを『マイナスの満足度』として検知したのか、デバイスが一瞬赤く光り、そして青に戻る。
「くそっ!俺に反抗するのか!何をしているか知らないが、もう一度コレを喰らいたいのか!いいだろう、ならば最大出力だ!!」
アイツは焦っているのだろう。
校長が居るのも構わず、手元のスタンガンのレバーを最大まで引き上げ、女子全員に強力なパルスを流した。
通常なら、痛みと快感の混濁エラーで数値が上がるとでも思っているのだろう。
しかし、俺との生活でポイントが正常に戻っていた彼女たちにとって、パルスはただのマイナスで不潔な暴力でしかない。
「ああっ…気持ち悪い…!あなたに触れられるのも、その電気も、全部…最悪よ!」
「バカな!…ありえん!ポイントが下がるだと!?」
アイツは狂ったようにパルスを連打するが、ポイントは動かない。
むしろ、必死になればなるほど、彼女たちの冷ややかな視線と共にマイナスを深めていく。
そして、ポイントはゼロに。
「「「王様。…さようなら」」」
そう言った彼女たちの顔は優しさと諦めが混ざった、どこか悲しい微笑みだった。
な、何をしているんだ!
そんな事する意味が無いだろ!




