お風呂と豚汁飯
バーベキューの熱気が冷めやらぬ中、俺は女子を風呂に入れたらどうだ?と彼らに提案した。
「あ、あの。シャワーの温度、大丈夫かな? 熱すぎたら僕に言ってね」
中庭に面した共同浴場。
そこでは、俺に触発された男子が、E組F組の女子たちの背中を流していた。
俺は見守るだけ。B組C組はこの後に入る。
「うん。すごく気持ちいい。ありがとうございます」
女子たちは、ガチガチに固まった身体を、温かいお湯に委ねていた。
男子は、俺と同じく女性経験が浅く、顔を真っ赤にしながら震える手でタオルを動かしていた。
ただ、違ったのは起っていなかった。
嘘だろ!?
この状況で勃起しないのかよ!
「(ヤバい、女の子の背中ってこんなに柔らかいのか。でも、アイツが言ってた通りだ。僕が優しく洗うだけで、デバイスがどんどん青くなっていく!)」
彼らの純粋な緊張と誠実さが、女子たちに届いたのだろう。
女子は皆いい顔している、大切に扱われているという実感が最高の癒やしになったんだな。
浴室には、パルス音の代わりに、お湯の跳ねる音と、穏やかな会話が響いていた。
◇◇◇◇
バーベキューの翌日。
中庭には、巨大な寸胴鍋が登場した。
俺が考案した、大勢で一度に食べられる究極の背徳メニュー。
その名も『特製・背徳ガーリック豚汁、全部入り』だ!
「さあ、みんな!今日はこれを食べて温まってくれ!」
鍋の蓋を開けると、そこには通常の豚汁の概念を覆す光景が広がっていた。
通常の三倍の豚バラ肉。
表面を覆い尽くす、真っ白なラードの層。
これでもかと投入された、揚げニンニクのチップ。
仕上げに、巨大なバターをまるごと一塊。
「これ、豚汁なの?見た目が、すごく…凶悪だわ」
並んでいた女子が、ゴクリと喉を鳴らす。
「あはは、だよね。見た目は悪いけど、味は保証するよ。はい、召し上がれ!」
俺は山盛りの白米の上に、そのドロドロの豚汁を豪快にぶっかける!
「うっっま!!!!」
一口食べた瞬間、女子たちの間に電流が走った。パルスではなく、旨味の衝撃だ!
旨いだろ!
根菜の甘みと豚の脂が、ニンニクのパンチで一つにまとまり、マヨネーズ(セルフ)をトッピングすることで、味の暴力は完成する。
「信じられない。お腹の底から、力が湧いてくる」
「幸せ…」
中庭のあちこちで、女子たちが丼を抱え、ハフハフと息を吐きながら貪り食っている。
その光景は、もはや家畜の餌場などではなく、『家族』の食卓そのものに思えた。
「これが、俺の答えだ!お腹がいっぱいで、身体が温かくて、誰かに優しくされる。…それだけで、人はこんなに幸せになれるんだ」
俺は、シラユキに「…口の周りに脂がついてるわよ」と呆れられながら拭いてもらいながら、中庭にも設置されている監視カメラの向こう側にいるであろう誰かに微笑んだ。
それから俺は毎日、A組の絶縁体盛り盛りブラジャー作戦を行うと同時に炊き出しにも力を入れた。
そして二ヶ月が過ぎて。
俺たちは二回目のランキング発表を迎える。
まさかA組の女子たちがあんな事を計画していたなんて俺は気付きもしなかったんだ。




