ゲームマスターの視察とママ活再び
講堂に集められた七人の男子とそのクラスメイトたち。
そしてゲームマスターの登場!
ゲームマスターはやはり校長先生だった。
学園の最高権力者の登場に講堂の温度が下がったような錯覚に陥る。
「諸君!日々、最高の快楽をスコアとして刻んでいるようだな!この調子で励め!」
なんだか俺の方ばかり向いてないか?このゲームマスター。
「ではランキングの中間発表だ!準備はいいか!」
準備?
それは俺たちに向けて、というより、ん?
俺たちの後ろを見ている?
あれは…監視カメラ。
その下にタブレットを持った教師ではない誰かが居る…
その人が合図を出すとゲームマスターは機械を操作し、ランキングの発表となった。
機械を操作すると、クラス別満足度ランキングのモニターが動き出す。
ゲームマスターが読み上げるようだ。
「A組三十点。B組二十点。C組二十点。
D組一点。E組一点。F組一点」
アイツ、下位女子十人からしっかり三ポイントずつ取ってやがる。
「G組…ゼロ…点!だと!?」
なんだ?
ゲームマスターが動揺している?
「以上で中間発表は終了だ!解散しろ!G組は残れ!解散!」
アイツらは俺を見下し、勝ち誇った笑みを残して帰って行った。
残されたG組にゲームマスターが近づいて来る。
「貴様!何を企んでいる!ポイントはどうした!」
ポイントの事は知っているのか。
「圧倒的なポイントがあればA組よりも良い待遇を受けられるようにも出来たのだぞ!地下から抜け出したくはないのか!」
「俺たちは、俺たちの戦い方をしているだけです。それに結構いいものですよアソコ」
毎日、皆を風呂に入れる事が出来る。
上じゃ順番等もあって自由に入れないだろ。
「くそっ!お前みたいなバグがこの高校を変えると言われ、その通りになりそうだったというのに!」
なんだ?
「お前には期待している!それだけは忘れるな!以上だ!」
結局、何だったんだ?
漫画のようにアカリの眼鏡が光った気がした。考察厨にはたまらないよな?今のやり取り。
◇◇◇◇
「ええと…俺、午後はママ活に出ようと思う。これからもお金は必要になるからバイトしてくるよ」
「…あなた!分かってるの!ついこの間、薬を盛られたばかりなのよ!」
「大丈夫だよ、だって…」
やって来たのは高校の最寄駅。
今回も護衛と荷物持ちにミドリが居る。
少し離れた場所には、俺たちが逃げ出さないようにと監視も居る。
「失礼します。ショウコさんですか?カズキです。今日は、その、何をお望みです、っぷ、か?」
香水の匂いだけでも目が眩みそうな。少しポッチャリした女性が今回の相手だ。
「笑う事ないだろ!ですわ!そうね、ホテルに行こうぜ!ですわ!おほほ」
「分かりました」
ホテルに着くとミドリも中に入りたいと言う。
今回は絶対に薬は使わせないから安心しろ!なんて意気込んでいるが…
行為を見るつもりなの?
三人でホテルに入る。
もう、耐えられない。
「ぷっ、あはは、ははぁ~!なんだよその変装は!俺を笑い殺すつもりかよ!ショウジ」
「なんだよ!お前が女装して来いって言ったんだろうがカズキ!元気にしてるか親友!」
そう、こいつは中学時代の親友、ショウジ。
ミドリがポカーンとしている。
訳あって呼び出したんだ。
それというのも…
『学園デスゲーム』といえば人狼ゲームを真っ先に思い浮かべるだろう。
ああいうのに付き物なのが「どのクラスが生き残り、どのクラスが家畜に堕ちるか」を予想して金を賭ける、巨大な非合法ギャンブルだ。
今日の視察でのゲームマスターの視線。
明らかに俺たち以外の誰かを気にしていた。
あれは賭場の客を気にしていたのだろう。
そう予想した俺はアカリに聞いた。
やはり養成高校でも非合法ギャンブルがあるらしい。
俺たちが満足度ポイントを毎日見るのを止めたから、客が今の状況を確認したかったのかもしれない。
そして、一ヶ月経ってもゼロポイントのG組だけには賭けない。
誰もがそう思っているだろう。
倍率も凄い事になっていそうだ。
今回はそれに賭けて稼ごうという訳。
そして参加者である俺たちは自分に掛ける事が出来ない。
だが、部外者であるショウジなら出来る。
「この百万円を一回目のG組の勝ち残りに掛けて欲しい」
「勝てる根拠があるんだな?わかった」
何も言わなくても伝わる。
いい親友を持ったものだ。
「あまり長い事、話していられないんだ。だって俺たち…」
「「早漏だからな!」」
あはは、と笑い合い握手を決めて別れた。
「さあ、買い物してから帰ろうか」
「カズキ、いいものだな、男同士の友情というのも」
さて、今夜の背徳飯は何にしようか。
次郎系のラーメンなんてどうだ?




