美少女、最高スコアを叩き出す
翌朝、目を覚ますとシラユキさんは化粧台に座わり、その肩甲骨まで伸びる綺麗な銀髪をとかしていた。
その後ろ姿に見惚れてしまう。
昨夜は楽しかった。
ベッドの中で向かい合い、布団を頭まで被り、次は何を食べたいかを話した。
下らない話にも「うふふ」と笑うシラユキさんは可愛かった。
あんなの、恋人同士がする事だろ!
くそっ!
こんな出会いじゃ無ければ…
不意にシラユキさんが振り返り、目が合う。
「あっ、おはよう。シラユキさん」
「…おはよう。いつまで寝てるのよ、ぐうたらな王さ…カ、カズキ…」
!!
「カズキって…」
昨夜、名前で呼んで欲しいとは言ったが、結局呼んではくれなかったんだ。
それなのに。
ふい、っと視線を化粧台に戻したシラユキさんの耳は赤くなっていた。
◇◇◇◇
G組の教室は騒がしかった。
俺たちが教室に入ると全員から質問責めに合う。
「ちょっと待ってくれ!全員で話されても分からないよ!もしかしてシラユキさんの髪と肌の事か?」
シラユキさんの顔色が良くなり、肌も髪もツヤツヤになっているのを見て、俺が何かをしたのか?と興味を持ち、騒いでいるのか?
「違うの!そっちも気になるけど~、アレを見て!」
赤髪の…アカリさんが指差すのは、教室にある全面モニター。
そこには各自の心拍数とポイントが表示されている。
俺とシラユキさんの心拍数が少しだけ高い事に嬉しくなっ…なっ!な~!
「「なんで!」」
六番・『五』ポイント
ご、ご、五ポイント!?
六番はシラユキさんだよな?
なんでだ。
「あなたたち、いったいどんなプレイをしたの?こんなスコア見た事ない!最高でも三ポイントではないの?」
「知らないよ!シラユキさんとはまだシてないし。俺たちに言われても…なぁ?」
隣に居るシラユキさんにも同意が欲しくて横を向いた。
「…っ」
なんでそんな赤い顔してんだ?
「ふぅん。そっか~。シラユキちゃんには心当たりが?じゃ、王様、シラユキちゃん借りてもいいかな~?色々と聞かせてもらうよ~」
「アカリさんは、こういう検証とか好きなのか?なら任せていいかな?俺は今日バイトしに外に出るから」
アカリさんは眼鏡をかけたインテリ女子。
知的な雰囲気がある子だ。
「バイト?」
「そっ、色々とお金が必要だから、ねっ」
今日、俺はバイトに行こうと思う。
パチっとウインクを決めるとシラユキさんには伝わったようだ。
食材や化粧品を買いたい。
出来れば皆の制服も。
「それで、誰かに護衛として付いてきてもらいたいんだ。格闘技をやってたミドリさん…いいかな?」
「ああ、私に任せろ!王様!あと名前はミドリでいいからな!さん、なんて付けられるとムズムズする」
「今日は宜しくね、ミドリ」
「「「きゃぁ~!大変!」」」
!!
なんだよ!皆して事件性のありそうな悲鳴を上げて!
またモニターを指差してるよ…
「はぁ?」
六番・『四』ポイント
ポ、ポイントが…下がってる!だと!
「シラユキさん…」
「…むぅ!」
なんで不機嫌そうなんだよ?
「どうしたんだ?シラユキさん?」
「…呼んで…私の事も、呼び捨てで…」
…
そういう事?
自分も呼び捨てで呼んで欲しくて不機嫌になったの?
めっちゃ可愛いんだけど、この子。
そして連動してポイントも下がったのか。
「シラユキ…シラユキ…」
「カズキ…カズキ…」
「シラユキ…」
「…カズキ」
なんだよ、この付き合いたてのバカップル。
バカップルってのは楽しいんだな!
すぐさまモニターを見る!
六番・『四』ポイント
…
……
上がらないのかよ!
「ミドリ、言いづらいんだけど風呂に入ってくれないか?人と会うのに、さすがに臭うから。分かってる、俺が身体を洗ってあげるから」
「そうか臭うか。なら頼もう、王様の好きにしてくれ!」
あぁ、あぁ。
シラユキのポイントがどんどん下がっていく。
もう三ポイントしかない…
「あの…シラユキさん」
「…」
「シラユキ、シラユキも一緒に入ろうか?」
「いいわ、好きにすれば…」
冷たい、怒ってるよな。
お風呂と聞いて他のクラスメイトが黙っている訳がない!
「「私も!」」
「「私も!」」
と大騒ぎだ!
「なら、全員で入るぞ!」
「「「おぉ~!」」」
勢いで全員で風呂に入るなんて言わなければよかった。
見渡す限り辺り一面、薄橙色。
その中にピンクのポッチが…
非常によろしくない。
あちらこちらから
「でっか!」「大きい」「すごっ!」
と聞こえてくるのも仕方がないだろう。
みんな素晴らしかった、とだけ言っておく。
俺は全員の髪を洗い。
身体は…洗えないよ。もう耐えられない。
自分で洗ってくれ。
あれ?
自分で洗えるの?
王様は風呂に入れと命令すればよかったの?
知らないよ!
本当にそういう趣味だと思ってたの?
まあ、シラユキだけは身体も洗わせていただきましたけど…
風呂から上がれば、保湿タイムだ。
教室で俺の化粧水と乳液を使う。
もう無くなったの?
バイト代で買ってくるよ。
「それじゃあミドリ、これに着替えて。俺、同じような服しか持ってないから、ペアルックみたいになるけど、気にしないで」
「…ペア」
シラユキ…ポイントが下がりまくりだよ。
もう一ポイントしか残ってない。
「じゃあ、行ってくるから。夕飯までには戻るからね」
「…カズキ、そういえばバイトって、何?」
「えっ?ママ活だけど」
あ~!
とうとうゼロポイントに~!




