美少女に背徳飯を作る
俺は震える手でシャワーを持ちシラユキさんの背中に温かいお湯をかけた。
「あ…っ」
数日ぶりの温もりに、シラユキさんの身体から力が抜けていくのが分かる。
俺はシラユキさんの透き通るような背中のせいでパニック寸前だ!
「前にもシャワーかけて…っ!でっっっか!」
急にこっちを向かないでもらいたい!
でっっか!と言いたいのは俺もだよ!
「す、座ってよ。髪も洗ってあげるから」
シラユキさんを椅子に座らせ髪を洗い、身体を洗ってあげる。
「…黙らないでよ王様。何か話して」
「そうだな、まずは初日に話し掛けてごめん」
「えっ?」
初日に俺が話しかけたせいで今こんな状況になっているのは間違いない。
クラスメイトもシラユキさんが生け贄になっている事で、自分の身が守られているから身代わりに名乗り出る事もない。
あ~、こんな面白くも無い話を俺は。
あ~、分からないよ!頭に思い付くまま口から出ていく。何を話しているかも分からない。
目の前の背中とお尻。さっき見てしまった胸が頭から離れない。
身体を洗うにもパニックで力加減が分からない。
だが、それが逆に必死に丁寧に洗うという極上のマッサージのような手つきになったのだろうか?
シラユキさんの身体から力みが消え、俺に身を任せ全身を洗われるのだった。
二人で湯船に浸かり温まってから風呂から上がった。俺の寝室に戻る。
「湯冷めしないようにコレを着て」
「…コレも王様の趣味なのね。いいわ、好きにすれば」
くっ、これは完全に趣味。
湯冷めしないように、何て言っているが、俺の大きめのTシャツを着せたいだけ。
湿った髪に火照った肌。
大きめのTシャツにパンツ一枚。
ギリギリTシャツでパンツが隠れ生足が…
これは堪らない。
「シラユキさん…よかったら俺と」
俺は意を決して彼女をベッドに誘おうとした、その時。
グゥゥゥゥ……ッ!!
静かな部屋にシラユキさんの切実すぎる腹の音が鳴り響いたんだ。
「…っ…殺しなさいよ。今すぐ」
いただきました!くっころ!
顔を真っ赤にしてうつむくシラユキさん。
この学校の食事はG組には家畜同然の餌しか与えられていないから当然だ。
それに腹の音には助けられた。エッチ無しで戦うと言ったばかりでベッドに誘おうとするなんて俺は最低だ。
「あはは、なんだ。お腹空いてたんだね。俺もだよ。でも先にコレ使って、男性用で悪いんだけど無いよりマシだから」
俺はベッドに向かうのを止めて、シラユキさんを化粧台に座らせた。
「…いいの?ありがとう、使わせてもらうわね。っ、ドライヤーくらい自分でやるわよ」
「いいから、いいから。シラユキさんは化粧水と乳液を使って。髪、凄くツヤがあって綺麗だね。サラサラだよ!毎日お風呂に入った方が良い、っとと」
シラユキさんは俺に身を任せ、もたれかかるのが好きなのか?
髪を乾かしながら頭を撫でるとシラユキさんは蕩けてしまう。
髪はこんなもんでいいだろう。
「じゃあ、食堂に行こうか」
「食堂?」
腹が減ったら食べるしかないだろ!
食堂にはキッチンも付いていて自分で作る事も出来る。
食材も冷蔵庫の物を好きに使っていいようだ。
「玉子とモヤシしかない…」
なんだよ!
食材も上との差別化されてるのかよ!
まあいい。調味料は揃っている。
多めの油でシャキシャキに炒めたもやしに、鶏ガラスープの素と醤油、そしてたっぷりのニンニクを投入だ。
それを炊きたての白米の上に豪快に乗せ、仕上げに半熟の目玉焼きを乗せた!
「はい、お待たせ!白米が一人前しかなかったから一緒に食べよう」
「…何よ、これ。見た事も無いくらい下品な…ワイルドな食べ物なの」
「おい、下品って言ったか?まあ一口食べてみてよ。最後にこれを…」
最後に、隠し持っていたマヨネーズをこれでもかと回しかける。
シラユキさんは戸惑いながらも、暴力的なニンニクとマヨネーズの香り、そして空腹には抗えなかったようだ。
レンゲで一口。
「っっ!!」
衝撃的だろ?
濃い味、油の旨味、そしてシャキシャキした食感。
栄養バランスも品格も無視した背徳の味。
「旨いだろ?玉子とモヤシだけで作った超絶品・深夜のジャンク飯は」
丼を抱え涙をポロポロと溢しながら食べているシラユキさん。
「美味しい。ねぇ、これ…明日も、食べさせてくれる?」
「いいけど…俺にも食べさせろ!」
その夜、ベッドの上で俺たちがしたのは、情事ではなく『明日は何を食べたいか』という小さな約束だった。




