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宝くじ10億円でアバター救世主を請け負ったら、助けた英雄達が全員ヤンデレになってました。  作者: 無限飛行


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第56話 概要

日本の児童労働法とは、主に労働基準法に基づき義務教育を修了するまでの児童(原則15歳未満)の労働を原則禁止。

少なくとも十五歳未満が賃金を伴う労働に従事する事なく、映画撮影などでの例外的な案件以外は義務教育で守られている。

とまあこれが天音の世界、日本国の法だ。


そして残念ながらこのヒューズ2、少なくともアルカディーテ世界(大陸)に住む人間社会《地球人でない人間、耳がデカく長い人種。いわゆるエルフ耳ともいえる》においては、この日本の法律を実践する事は叶わない。


その最大理由は貧困と様々な社会的要因である。

地球の一部の国家と共通する事だが、不安定な社会環境は貧困を生み、そのしわ寄せはいつも社会的弱者に向かうものだ。

その最たるものが児童労働であり、いわば貧困の代表例であると理解しなければならない。


子供は本来、教育を受けられる権利がある。

教育は子供に不可欠なものなのだ。

それが与えられない状況は既に貧困状態と云えるのだろう。






「子供を集団で学ばせる(学校)は無いのですか?」

「子供を学ばせる場ですか?帝都には学園と呼ばれるものが有りますが、あれはあくまで貴族の子女だけのもので社交術が中心です。平民の子供達を集めて集団で学ばせる、といった施設はありません。というか基本的に帝都の学園以外に子供を集めて何かを教える施設はなく、殆どの場合は独自に家庭教師を雇うなりしています。平民なら商人などの裕福な家庭、貴族などに偏りますが」

「一般の平民の子供達は?」

「教育自体が無理ですね。平民や農村における現状は子供は純粋な働き手です。彼らは日々の糧を稼がなければならない。そうしないと生きていけないのです。学ぶという事であれば、働きながら自身で学ぶしかありません」



私は今、冒険者ギルドの受付嬢であるアメリアに色々と常識を教わっている。

茶髪ロングのスレンダー系お姉さんだ。

彼女が私の事実上の家庭教師であり、ギルドでは受付頭なる事務方の取りまとめ役である。

そして没落貴族の三女にて、ブロンキス町に商人の家庭教師として赴任してきたところを今のギルド長に引っ張られたというわけ。

有能な人材を集めていかに自身が楽をするか。

義父(領主でギルド長)の発想はいつもソコに集約されている。

起点の発想が情けないが、それでも人を見る目だけはピカ一な義父。

読心術な弟サーベルに人を見る目がピカ一の兄アルフレッド。

改めて兄弟だと実感してしまった。



「ギルド長には感謝しかありません。家が没落して身の置所が無かった時に商人の家庭教師の話に飛びついてこの地に流れてきましたが、その商人の子供はとんでもなく勉学に後ろ向きなヤンチャな子で、まったく云う事を聞かないんです。だけど親は子供を叱らず、子供が勉強をしないのを私の家庭教師能力が劣っているせいだと決めつけて追い出しました。職を無くして途方に暮れていたところを冒険者ギルドの受付に引っ張ってくれたのが今のギルド長なんです」



成る程。

勉学嫌いな子供にその責任を家庭教師に転嫁する駄目親な商人。

酷いクライアントに追い出されて途方に暮れていたアメリアさんをギルド受付嬢に引き入れたのがギルド長である義父だったと云う訳だ。


しかし義父に感謝する彼女を見て私の思いは複雑だ。彼女が良い人材なのは接した感じで直ぐに分かった。

問題は義父が有能な人材を徹底して使い切るブラック企業社長と変わらないところだ。

《ブラック商人→ブラックギルド長》に変わっただけではないかと思うが、本人が感謝してるなら今はそれで良いのかも知れない。


そしてアメリアさんの話で見えてきたのは、この国を取り巻く状況が見えてきた。






おさらいもかねて書面にまとめてみた。

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◆アルカディーテ大陸

人々が世界と認識する大陸でアルカディーテは世界を表す語源。

この地が全ての人間、全ての生き物が暮らす唯一の大陸であり、世界の中心とされている。

大陸の周りは海に囲まれ外洋に乗り出した者は居らず、海の先は何も無い世界の果てがあると信じられている。

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◆アグニス帝国

ブロンキス町が所属する国家で、アルカディーテ大陸中央に位置し皇帝が支配する大陸最大国家。

前皇帝は大陸統一を旗印にしていたが、現皇帝は《北部問題》もあり他国との融和を図っている。

創造神ラストラディーゼを国教とするも、女神教(女神フォルトーナ)との二神教を崇拝。

近年は女神教が廃れてきていて、代わり台頭してきているのが新興宗教アロウス教との事。

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◆北部の地

様々な蛮族が住む地。

寒冷を避ける為に南下を繰り返していて、帝国国境を脅かし続けている。

力ある蛮族は一部の帝国領を不法占拠しており、武力で勝る帝国軍はこれを迎え撃つも、押しては引いて、引いては押してを繰り返す蛮族固有戦法に思うような戦果が上がらない。

よって断続的な小競り合いが続いている。

帝国内では《北部問題》として語られる。

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◆西部の魔森

広大な魔獣が徘徊する危険地帯。

しかし様々な素材(魔獣を含めて)の宝庫でもある。

そして何の障害も無く帝国が開発できる地域であり、冒険者による素材収集と領土拡張の為の開拓が優先課題とされている。

その両面を担うのがブロンキス町率いるメンデル領であり、国が派遣する開拓村を支援している。

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◆ホーリー聖王国

東部は聖人が支配するといわれるホーリー聖王国がある。

独自の《聖人信仰》を国教とし、聖人は帝国軍1個大隊に匹敵する神聖力があるとされている。

宗教国家であり規模は帝国の半分。

帝国とも一線を画すが、帝国とは不可侵条約を締結しており現在相互不干渉である。

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◆南部諸国連合

南部は中小の王国が同盟を結んだ南部諸国連合を形成。

帝国に相対している。

諸国内の一部が過去に帝国から数度の武力侵攻を受けていて、沿岸部のカイエン王国が中心になって同盟を形成。

帝国に対抗できるような連合国家が形成された。

しかし寄せ集めで一部の国は帝国と水面下での貿易で利益を上げている。

帝国側ではそういった連合内の不和を利用し、カイエンに宥和政策をするように仕向けている。


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