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宝くじ10億円でアバター救世主を請け負ったら、助けた英雄達が全員ヤンデレになってました。  作者: 無限飛行


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第55話 ギルド長9

そうして確認したアルフレッドの書類は、計算間違いは元よりハッキリ言って誤字脱字が絶えないマトモな公文書とは程遠いものだった。

彼に事務仕事が向いていない事は丸分かりである。

これは苦労するなぁ。



「町の税収表ですか。こちらが人頭税でこっちは商人達の所得税?人頭税は人口と金額が違ってますね。多分最初に初歩的な計算間違いをしていますよ」

「おい、今目を通しただけでそんな事まで判るのかよ!?神か!」

「は?神って、私は人間ですが」

「いやいや数字と計算の神様だろ?とんでもねーな、お前!!」

「ええっ……………」



私の話に突然警戒心露わな顔から尊敬の眼差しに変わったアルフレッド。

ニコニコ顔でめちゃくちゃ雰囲気が好転した。

180°変換した彼の態度に不安感が尽きないが、アルフレッドの評価が爆上がりなのはどういう事なの?

物凄く複雑な気分なんだけど。


それにこの人、ここまで事務仕事に疎くてよく領主が務まってきたものだと思う。

よっぽど部下に恵まれているんだろう。

んん?

何か引っ掛かるな。

もしかして私、何かを失敗した?

何だか嫌な予感がするのは気のせいだろうか。



「とにかくお前はよく出来た娘だと知れて本当に良かった。今後は何かと宜しく頼む」

「何かと宜しくって、娘?」

「サーベルから聞いてないのか?お前、今日からウチの子だぞ」

「はい?」

「今日からお前はメンデル辺境伯爵令嬢だ。オレの事はパパと呼んで欲しい」

「………………………」



段ボールに入った子猫を拾ってきて、今日からウチの子だよ的なノリで言うのは止めて欲しい。

頭が混乱してよく分からない。

サーベルは最初から私をアルフレッドの養女にするつもりでこの場に連れてきたのか。

いったい何を考えているの!?



「パパはともかく、メンデル辺境伯爵令嬢とはどういう事何ですか?」

「お前みたいに有能な人材を野に放っておけないだろう?それに家族にすれば高い給金を払わずにタダ働きさせれるじゃないか!」

「…………………」



子供をこき使う事に長けているのは流石は兄弟といったところか。

最低過ぎて言葉が出ない。

このブラック兄弟め!



「冗談だ………」

「冗談に聞こえないです」

「済まん、本当は少し下心はあった……」

「最低です」

「いや、マジに済まんて。だが考えてみてくれ。今のお前の立場は非常に危うい。依然としてブルガの部下はお前を捜しているだろうし今後もけっして諦めないだろう。そんな中で今後に力をつけていけば、お前は否応なしに目立つ存在になる。魔法使いは限りなく貴重な存在なんだ。何処にいても目立つ。いずれは国からも注目されるだろう。そうなった時、オレの庇護下にある事が知れればおいそれとお前に手を出せない。つまりそういう事だ、分かったか」

「……………!」



成る程。

私がアルフレッドの養女になれば、少なくともブルガ商会は表立っては手が出せなくなる。

今後何らかの活動をしていくにしても、貴族の肩書きは間違いなく私の立場を強化してくれるに違いない。



「そういう事ですか、やっと理解出来ました。意外にアナタが善良だという事も」

「分かってくれて何よりだ。ではオレの養女になってくれた初仕事に、この書類の山を何とかしてくれ。向こうにオカワリもある。当面は書類仕事に専念して欲しい」

「………前言を撤回させて下さい」



ブラック兄弟の後片付けの為に養女にさせられてたまるか。

自分の仕事は自分で片付けて欲しい。

だいたい天音ですらコンビニバイトしかしてないのに6歳幼児の身体に山積みの書類整理させるとか、日本なら確実に児童虐待案件だろう。

もちろん日本の労働基準法にも抵触するのは当たり前だ。



「とにかく何だ、色々と宜しく頼む。もちろん、家族として、だがな」

「はあ、分かりました」



顎髭イケオジが似合わないのにウインクした。

この先を思うと溜息しか出ないが、まあ何とかなるだろう。

だが一応家族となったからには、一つ確認していかねばならない。

サーベルからの依頼の件だ。



「一ついいですか。私はサーベル様から冒険者になる事を指示されております。ですが私の年齢では冒険者登録が出来ません。なのでクエスト案件も請け負う事が出来ないのです。それとベスと行なっている洗濯屋の仕事もあります。これについては私はどうすればいいのですか?」

「洗濯屋は自身の活動に支障が無い範囲で継続は構わない。もちろんサーベル一家のアリアとしてな。冒険者登録とクエスト案件は問題はない。オレの方で用意しよう」

「は?」



何だ、その軽い返答は?

洗濯屋継続はともかくとして、冒険者登録とクエスト案件は領主権限でどうにかなるようなものじゃ無いはずだ。



「………」

「不思議そうだな。まあ、特別枠でイレギュラーにはなるから冒険者ギルド内で表立っての活動は無しだ。必要な案件は事前にお前に持ってきて選ばせよう」

「冒険者登録とかクエストの持ち込みとか、そんな簡単に出来るものなのですか?」

「言って無かったな。オレが領主とギルド運営を兼ねている。つまりブロンキス町冒険者ギルドのギルド長はオレだ」

「はい?え、ギルド、長!?」

「そうだ。つまり登録もクエストもどうとでもなる。だから何も気にする必要は無しだ」



なんと領主とギルド長が同一人物とは恐れ入る。

だとすると越権行為とか色々ありそうだが、まあその懐に入れてしまえれば何かとやりやすくなるだろう。

そりゃあ事務仕事が溜まる訳だ。

何しろ町の要を兼任なんだからね。

少しアルフレッドを見直せたかも知れない。



「という事で、ギルドの事務仕事も頼む」

「最低です………」


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