表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宝くじ10億円でアバター救世主を請け負ったら、助けた英雄達が全員ヤンデレになってました。  作者: 無限飛行


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/59

第51話 ギルド長5

「おい、今度は耳を塞いでいるぞ?」

「知らん。聞きたい事があるなら兄貴が直接聞いてくれ」

「丸投げかよ」



何か私が不良債権扱いさるてるような気がしてきた。こんな扱いは不本意だ。

そして口髭サーベルは、私を顎髭サーベルに押し付けると立ち上がってドアに向かいだした。

え?私、置いてきぼりなんて聞いてないよ!?



「ちょっ」

「アリア、聞いての通り《コレ》は俺の兄貴でここの領主だ。お前は出来るだけ知りたかった情報を得ればいい。そして必要な事をここで学べ。お前は色々ともっと知る必要がある。頃合いを見て迎えに来てやるさ。まあ、楽しくやってくれ」

「おい、領主を指して《コレ》って言う奴が有るか!そして何だ?もう帰るのか」

「ああ、領主様からの無理難題が山積みだ。俺は忙しいんだよ。じゃあ兄貴、あとは宜しくな」

バタンッ

「くそ、なんて奴だ」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」



口髭サーベルは使用人を呼ぶ事なく、自身でドアを開けて部屋を出て行ってしまった。

私は本当に置いてきぼりされたようだ。

そして私の目の前には頭を抱えてドアに消えた口髭サーベルを罵る顎髭サーベルだけが残った。

え、私はどうなってしまうの??



「困った奴だ。まあ、あまり悪く思わんでやってくれ。あれでもお前の事を随分と心配していたのだからな」

「心配していた?」

「ああ、奴は昔から子供好きなんだ。だからこそ今の生業を立ち上げた。そして教会が保護出来ない開拓村の子供でも引き取っている。そこに一切の差別無くな」

「⋯⋯⋯⋯」



直訳すると《子供が好きな大人》になるが、それは色んな意味でヤバいのでは?



「どうした、何を誤解している?」

「⋯⋯⋯⋯いえ」

「おい、サーベルは単なる子供好きな大人じゃないからな?アイツはアイツなりに現状を良くしようとして活動しているだけだ。おれが色々と頼んでいるのもあるが、まあ、なんだ。何が言いたいかというと、弟を信じてやってくれ、だ」



《弟を信じてやってくれ》、か。

随分と信頼関係が厚い事だ。

一卵性双生児は確かに色々と繋がり深いと聞いた事があるが、この顎髭サーベルもご多分に洩れず人の機微に敏感な様で人物の表情や仕草から考えを読み取るタイプらしい。

まさに双子といったところか。



「ところで紹介がまだだったな。オレはアルフレッド・メンデル。つまりこの町を含む辺り一帯のメンデル領を統括する領主という事になる」

「!」



顎髭サーベルが、たった今アルフレッド・メンデルとなった。

まあ、顎髭サーベルじゃおかしいものね。

だけどメンデルか。

天音の感性だと今のロン毛じゃなくて、クルクル巻き毛の生物学者とか音楽の偉人さんを連想するが多分関係は無いんだろう。

しかもブロンキス町とその一帯を統括する領主でサーベルの双子の兄。

つまりこの地で一番偉い人物という事だ。



「ボスの兄上、で宜しいでしょうか?」

「ボス、サーベルの事か?ああ、事実だからな。だが表立っての口外は無しだ。この場だけの話としてくれ」

「分かりました」

「それで、お前が気になっている事に答えよう。先ずはオレとサーベルの事だな?」

「はい」

「その前にお前に聞きたい。《双子》という言葉を何故知っている?これは帝都でも上位の貴族しか知らない言い方だ。育て親のカーチスとライリーから聞いたとしても不思議だ。貴族間でも秘匿されるべき言葉で不必要にリングルベル侯爵家が使用人に漏らすとも思えない」

「分かりません。頭に浮かんだ言葉を言ってみただけです」

「アヘナによる記憶障害と言ったか。そういった言葉の記憶は残るものなのか?」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」



鋭い。

流石サーベルのお兄さんだ。

やはり弟のような読心術の心得があるのかも知れない。

あの時私が口走った日本の常識を未だ疑念として引きずっているようだ。

厄介だな。

どう説明すればいい?



「古くから民衆や貴族の間では二人以上の誕生は魔獣や獣と同じとされ《魔獣の血が混じる者》として虐げられてきた。大陸の古くからの信仰、創造神ラストラディーゼ神殿が二人以上の誕生を禁忌として《魔獣の血が混じる者》が育つと人々に不幸を齎すと教義された為だ。だから人々は秘密裏に一人を残し、他は生まれ無かったものとして隠された。捨てられたり養子に出されたり、殺された者もいたのだろう」



成る程。

日本の平安期など、多胎児を不吉の対象とした迷信が横行し子供達に苦難を強いた時代があった。

つまりヒューズ2における異世界でも同様の事柄が一般常識として、当たり前の様にまかり通っているという事実だ。

そしてそれはつまり、今の領主アルフレッドと下町の元締めサーベルの状況を如実に現している事柄なのだろう。



「しかしある時期にもう一つの古くからの信仰、女神教会に神託が下った。その時に示されたのが《双子や三つ子は祝福される》というものだったのだ。この時初めて《双子》《三つ子》といった言葉が使われた。最初は意味が分から無かったが、それが《魔獣の血が混じる者》を意味しているとその後に理解されたのだ」



女神教会とは大陸のニ大宗教の一つ。

創造神ラストラディーゼ神殿と合わせて人々の信仰を集める《運命と時を司る女神》を祀る宗派。

つまり私を救世主としてヒューズ2に呼んだ女神フォルトーナの信仰だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ