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宝くじ10億円でアバター救世主を請け負ったら、助けた英雄達が全員ヤンデレになってました。  作者: 無限飛行


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第46話 冒険者への道5

はっきり言って相手する価値もないが、ベスに寄りつくのであれば話は別だ。

私達のギルド内の立場はD級冒険者。

AからFまでの冒険者ランクでは下から2番目という事になる。

対して奴らのランクはB級だ。

当然ながらそれなりに二人は侮れない。

だとしても私の大事なパーティーメンバーであるベスに対して、何らかの狼藉を働くつもりなら受けて立つしかないと思っている。



「アリア、駄目だからねっ」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

「あ?怖くて喋れなくなっちゃった?」

「おいダグマン、そのくらいにしてやれや。まだションベン臭いガキなんだからよ。ベスちゃんが困ってるじゃねーか」

「ああ、そうしよう。その代わりにベスちゃんにはコッチでお酌して貰おうか」



ダグマンは立ち上がるとベスの腕に手を伸ばす。

私はベスに止められたけど、これ以上は見過ごせない。

拳を握り、ベスに近づくダグマンに一撃を加える覚悟だった。



「おい、ダグマン。ギルド内でイザコザとはいい度胸だな」

「な?!」

「あ、あん、たは!」

「「!」」



その時だった。

目の前に2メートルを超える壁が現れ、ベスと私をダグマン達から遮るように立ちはだかったのだ。

全身甲冑で顔の見えない大男。

A級冒険者のグラフノーだった。

彼はタンクで《無敗の盾》の異名を持つ有名冒険者の一人。

その圧倒的な存在感は今この場を完全に支配していた。



「ギルド内での冒険者同士はお互いを尊重しなければならない。ここブロンキスでは当たり前の決まり事。未だ酔った勢いで女子供に絡むなら、ここからは私が相手をしよう」

「くっ、堅物が!俺達はこれで出ていくさ。勘弁してくれ」ガタッ

「わ、悪かったなベス、あばよ」ガタンッ



慌てて出ていくロドリゲスとダグマン。

どうにか連中と事を構えないで済んだみたいだ。

グラフノーには感謝しかない。



「ありがとう御座います。グラフノーさん。本当に助かりました」

「助かりました、グラフノーさん」

「二人とも朝から気分を害させて悪かったな。あんなチンピラ冒険者は気にするな、と言っても無理な話だが、まあ何かあればいつでも頼ってくれ。冒険者ギルドは新人冒険者を擁護している。ルールを無視した悪徳冒険者は出来るだけ排除の方針だ。また同じような事があれば冒険者ギルドに報告して欲しい」



そう言って離れていくグラフノー。

彼は冒険者パーティー《勇者の剣》のメンバーで、このギルドお抱えの最強冒険者の一角を成す人物である。

その人格は清廉潔白。

少なくとも私が是迄見てきた中では最も良識ある人物であると思っている。

そしてベスのお気に入りの人物だ。



「やっぱりグラフノーさんは素敵。あの方の周りは空気が違うわ」

「それは空気清浄機的な意味で?」

「くうきせいじょうき??」

「何でもない。それよりベス、顔が赤いよ。大丈夫?」

「か、顔が赤い?あら、熱でもあるのかしら?」

「⋯⋯⋯⋯とにかく受け付けを済まそう。早く戻らないとランベルにドヤされるよ」

「ああ、そうね」



ベスははっきりいって丸わかりだ。

グラフノーに心を寄せている。

もしかしたら初恋とか?

しかし顔も見えない甲冑兜の大男が好みなんてベスも変わってるとは思う。

まあ、人の好みは千差万別。

それは尊重するべき事柄だ。

だけど初恋は往々にして成熟しない。

ここは温かく見守っておく事にしよう。



「ああ、《双月》の二人ですね。ギルド長が昨日からお待ちです。間もなく起きてくると思うので、待合室でお待ち下さい」

「ギルド長が?私達、これから寝るんですけど」

「待合室でお待ち下さい。ギルド長も起きるのは遅いと思いますから」



いつもの受付嬢に言われ、ベスと二人で顔を見合わせた。

反論しようかと思ったが、彼女の言いようは待合室で眠っていても構わないという事なんだろう。

ならばサーベルにも伝わっている。

という事で私達は待合室で仮眠を取る事にした。

ギルド内だし安全でもあるからね。
















❇❇❇❇❇


(『ああーっまた侵食された!この邪神ウィルスは粘着質でなんてしつこいの?!もう、時間が無いのに。あ、天音さん、聞こえてますか?アナタに重大な危機が迫ってます。邪神がアリアの存在に気づいたようなんです。まだ天音さんの事は気づかれていませんが、何らかの形で悪意がアナタの周りに現れ、ます。どうか、何とか乗り、越え⋯⋯⋯⋯』)


❇❇❇❇❇




「は?!」

「お、やっと起きたか。まあ、引き留めたオレが悪いが、よく眠れたようだな」

「ギルド長⋯⋯おはよう御座います」

「ああ」



目覚めると、目の前のソファにギルド長がいた。

整った顔に整った顎髭。

金髪だが肌は浅黒く日焼けがやたらに健康そう。服はヨレヨレの黒ジャケットに白無地のシャツに、これまたヨレヨレのチャコールグレーなパンツを履いてのジャケパンスタイル。

年齢は50代くらいのイケオジだが、まだまだイケてると信じてるタイプだ。

まあ、この世界の人達は皆彫りが深くてイケメンが多い。

年配者もサーベル含めて皆んなイケオジに見える。

デカい耳も見慣れたが、黄色人種だった感覚からすると私には誰でもイケメンに見えてしまう。

あれ?黄色人種って何の事だったか?



「なんだ?惚れたか」

「無い」



じっと見てたらギルド長が馬鹿な事を言う。

ロリコンはお断りだ。



「うーん、もうアリア、止めなさい⋯⋯⋯」

「ベス、起きた方がいい」

「お前、相変わらずベスに苦労かけてんのか?」

「⋯⋯⋯⋯⋯」



何の夢を見ているか知らないが、私に対して失礼な気がする。

そして目の前のイケオジも大変に失礼だ。

早く要件を言って欲しい。


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