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宝くじ10億円でアバター救世主を請け負ったら、助けた英雄達が全員ヤンデレになってました。  作者: 無限飛行


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第28話 魔法の練習と初めての町

ザザザザザバァッ



私はあれから、魔法の練習を行いつつ懸案の現在時間の把握と英雄救助の場所の確認に力を注いだ。



「よし、上手く空間に水を生みだせた。あとは形を変えて自由に動かせられるかだけ。えーと?輪っかになれ!」


ザザザザザザザザッ


「輪っか完成!次は分裂させて沢山の輪っかを⋯⋯⋯⋯⋯?」クラッ



まずは魔法の練習だけど、意外にコントロールについては何とかなりそうなのだが⋯⋯⋯⋯⋯。



ドサッ

「⋯⋯⋯⋯⋯身動き、でき、な、い」

『バウ??』



次の魔法行使前に私はタロの前に倒れ込んだ。

魔法は魔力を消費する。

魔力の調整は非常に難しく特に水を生み出すのには相当に魔力を持っていかれる事が分かった。


また魔力が底をつくと身体自体の体力が急速に奪われ、身動き一つ出来なくなったあとに激しい頭痛に見舞われる事も判明。

つまり魔法は体力とかと同じで、魔力消費量をきちんと把握しないと使えない代物だったのである。

この世界の魔法の授業がどんなものかは分からないが、おそらく私は基礎をすっぽかして一学年上の項目に手を出しているのだろう。

だから私は先ず、自身の総魔力量と各魔法の消費量から知らなければならなかったのだ。


更に消費量を知る為には検証が必要で、一つ一つの魔法とその消費魔力量の把握に地道に努めなければならなかった。

魔法行使する度に身動き出来なくなるのでは正直怖くて使えない。

だから、把握出来た魔法以外は使わない選択肢がベストとなる。


残念ながら私にステイタス画面なる魔法は無い。

よくラノベでは魔力などを数値化した画面が出るらしいが、ヒューズ2の現実にはそんな便利な魔法は無いようだ。

だからここからは感覚と実践、経験と検証が必要で、それには途方もない時間と労力が掛かる事になるとも理解した。


また魔力量自体はやはり簡単には増えない事も判明。

ラノベでは短期のトレーニングによって総魔力が増えたりもするらしいが、私にそんな感じは微塵も無い。

何度も倒れ込んで頭痛に苦しんではみたが、魔力量自体が増える感じは無かったのである。



「これは拷問か何か?冗談でしょ!」



私は本来魔力量はバカでかい、らしい。

だけどそれは元の天音の身体で、だ。

この世界の魔力は極めて有限で、大気中に含まれる魔力は地球における希少元素並みに少ないと聞いた。


魔力は酸素とともに呼吸によって補給されるが、それを魔臓と呼ばれる心臓に近接する親指大の臓器に蓄える。

でも魔臓の発達には個人差があり、アリアは元々その資質が弱かったのか、魔臓が小さく余り蓄えられないようだ。


ただ魔力は魂の大きさに比例してその密度が濃く質が良質にもなるらしい。

それは、いわゆる自動車におけるガソリンとハイオクの違いのように、少ない魔力量でも具現化出来る魔法が大きく強くなる事を意味している。


私の魂にはその密度が濃く良質な地球産魔力がビッシリと付着浸透している。

たがらアリアの魔法力を底上げする事が出来ているようだが、それでも底上げしてなお、使える絶対魔力量はアリアの魔臓の大きさに左右されるという事になる。

ポータブル電源の容量で使える家電に違いがある、と言った方が分かりやすいか。

電力供給に問題無とも容量が小さいとスマホなど弱電の電化製品は使用可能だがワット数の高い電子レンジやテレビ、エアコンは動かない。

つまり大きな魔法を使う回数も、更なる上位の魔法を使えるようになるのも魔臓の大きさや性能に大きく左右されるというわけだ。



「つまり現状、使える魔力総量マックスは駄目。使用魔力を魔力総量の8割で留められるようにしないといけない、か」



バッテリーや蓄電池が0まで使ったら駄目なやつ。

再立ち上げが大変で頭痛も相当になるわけだ。

やってられない。



「⋯⋯⋯出来るだけ安易に魔法に頼るのは止めよう。私は頭痛を楽しむマゾじゃない。とにかく魔法は最低限の把握に努めて、その中でも消費魔力が少ないものを厳選して使うしかないわね」



ここからの魔法訓練は結構大変だった。

消費魔力の小さい魔法を探すのも一苦労、やはり実践しないと分からない。

そして倒れればその日は一日潰れるのだ。

数個の低消費魔力魔法を探すだけで数日は要した。

また魔力回復時間も確認が必要で、倒れた場合は丸一日。

簡単な魔法なら半日程度の回復時間が必要だ。

うん、魔力守銭奴になった気分は致し方ない。


あと救助までの時間の確認だけど、後にとんでもない事が分かるのである。















❇❇❇❇



ガヤガヤガヤガヤガヤッ


沢山の行き交う人々。



「おら、安いよ安いよ!たった今入った新鮮なラノスの肉だ。さあ、買った買った。こんな鮮度がいいのは今だけだ、早いもの勝ちだよ!」



威勢のいい店舗の主人。

ここはオレンジ色の瓦屋根?が広がる城壁に囲まれた町。

名前はブロンキスである。


あれからタロに乗って男達が来た荒れ地を進むと、その先に街道らしき道が現れた。

もちろんアスファルトではなく地面で、何か車輪のようなものが幾重にも通った跡があるだけの道。

そこをなぞるように進んでいけば道はレンガを敷き詰めたものに変わり、その先には城壁が見えた。

近づくと大きな門が現れ、古風な甲冑姿の兵士が守っているところに沢山の馬車?が並んで何かの順番待ちをしていた。


さすがにタロは目立つと思い、目立たないように迂回して兵士の居ない側面の城壁前に辿り着く。

ここは反対側に岩石の小山が張り出していて、タロには充分な足場があった。

タロは忍者犬の如く左右に飛び移りながら一気に城壁を越えていく。

城壁の頂上までは10数メートル。

それでもタロには問題無かったようだ。


到達した城壁の上からみた風景は、ヨーロッパの古風な街並みが広がる。

成る程ナーロッパと云われても仕方ないほど、ヨーロッパの地方都市に似ていて、まあ私にはちょっと観光気分だ。


タロはそのまま近くの高い屋根に飛び移り、屋根伝いに町の中心部に向かっていく。

中心部は市場が開かれているようで、沢山の人々の活気に溢れていた。


良い匂いもして買い物もしたくなったが、お金を持ってないし服が汚い。

ここは我慢と観察に努めたが、人々の服装は古風ながらも女性はドレスだし背広を着た男性もいる。

ヤッパリ貫頭衣は無いよね。



「アリアは取り分け貧乏だった?それとも町とは違う場所で生活してたのだろうか」


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