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宝くじ10億円でアバター救世主を請け負ったら、助けた英雄達が全員ヤンデレになってました。  作者: 無限飛行


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第27話 タロ

ドサッ

『バウッ』ハッハッハッハッハッ

「うわお?!また取ってきてくれたの?有難う、タロ」

『バウッ』



タロ。

私はよく分からない巨大ハスキー犬?をタロと名付けた。

するとほんのりとした光が私とタロの間に輝き、その後から彼の気持ちが流れ込んできた。

流れてきたのは大ざっぱなタロの気持ち。

嬉しい、悲しい、楽しい、眠い、疲れてる、お腹が空いている、怒っている、肯定などだ。


大ざっぱだから私が的確な質問をしないと彼との会話は成立しない。

だけど少なくとも私に相当な好感があるのと、私を擁護したいとした漠然とした気持ちが伝わってくる。

理由は分からないが彼は私を、自分の子供とでも思っているらしい。

そして定期的に私が食べられる樹の実や動植物、魚とかまで取ってきてくれる。

とにかく私に頼もしい味方が出来たのは喜ばしい事だ。


あと、二人の悪人達はタロが倒した。

あの時森側に感じていた気配はタロだった。

(タロ)は私と悪人達とのやり取りを最初から観察していたのだ。

倒し方についてはトラウマものだったけど、私は危ない状態だったから助けてくれた事に感謝している。



「痛っ、まだ髪の毛やお腹が痛い。痛覚十分の一は無くなったかも」



それで気づいたんだけど、痛覚十分の一は無くなっていた。

まあ、あっても不便だし、今は意味ないから良かったかも知れない。

あとあの無精髭、気絶同然の私の髪の毛を掴み、引きずり回したみたいだ。

気づいたら髪の毛全体と腹が痛くて少しの間悶絶した。

腹立しかったけど、死んだ相手に怒っても仕方無いからね。

こうしてタロのお陰で危機を脱する事が出来た私は、懸案だった食料の調達まで問題無くなって身体は順調に回復していった。






キキッ


壁に日付代わりの傷跡を付ける。

傷跡は7つ。

つまり私が地球に戻れなくなった日から7回の朝を迎えたから1週間経った事になる。



「すっかり身体は回復した、よね?もう立ち眩みは無いし身体を動かすのにしんどい感じはもう無い。そろそろ活動範囲を広げようか」



ガタンッ

と、勢いよく立ち上がって、はたと自身の姿を見回してちょっと溜息。

身体が回復して余裕が出たから身支度にも気が回るようになったんだけど服が汚れてるんだよね。

あと、貫頭衣って着やすさは一番かもだけど、着心地は麻みたいで最悪だし着たきり雀なんだよ。

まあ、他に服も無いし身体は子供だから《そういう》煩わしさは無いからいいけど、これが異世界の標準的な衣類なら幻滅だよ。

そういえば、襲撃してきた男達の衣類は貫頭衣じゃなかったよね?



「無精髭はベストみたいな革製品を纏っていて、スキンヘッドはタスキみたいな革だけで上半身裸。ベルトとズボンは履いてたから貫頭衣ではなかった。あまり参考にならないけど、少なくともベルトや革製品を衣類に加工する文化や技術は有りそう。少しは期待出来るかも」



カプッ


手短にあった果物?を取って齧り付く。

赤いリンゴみたいだけど味は葡萄だったりする。

見た目と味のギャップが結構あって初めは中々ビックリだった。

だけど果物系は何となくそれっぽい味なので、逆に見かけと味のギャップを楽しんでいる。

ただ芋みたいな野菜?が牛肉味だったり魚がチキン味なのは悩むところだった。



「巨大鳥がガムだったよりマシか。タロのお陰で色々と食材に苦労しないし、案外このままココで快適に過ごせそう」



と、歩き出して思い立った事があった。

そう、魔法の練習だ。

巨大鳥や男達の襲撃時には咄嗟に使っていたけど、考えてみれば自身の限界も分からないし、魔法の使い方を確認するのは、この世界で生きるのに極めて重要な事だ。



「男達に水魔法を使った直後、激しい頭痛に見舞われた。魔法使用の後遺症じゃないかな?あんな状態じゃ魔法も使えないし、その後も極度の疲労で立つのも困難だったんだから」



それにそろそろ、女神のミッションである最初の英雄を助けないといけない。

最初の英雄である彼は、この地で一つの困難に見舞われる。

本来起きない筈の困難なのだけど、邪神の因果律改変で彼は母親と共に死ぬ運命になった。

それを私が介入して救い出すミッションだ。



「今の私は地球に戻れない遭難者。だけど義弟達との時間は殆ど進まない筈だから英雄救助だけに注力していればホルトゥーナが何とかしてくれるでしょ。その為にも魔法の練習は絶対だわ」



それで今重要なのは魔法の練習と併せて現在時間の確認だ。

時間といっても異世界ヒューズ2のアルカディーテ大陸の時間になる。



「アルカディーテ大陸時間、つまり私のいる国、なんて言ったかな?そうだ、アグニス」



この場所の位置は明確で無いけどフォルトーナの手配に間違いなければ、ここはアルカディーテ大陸の辺境で支配しているのは大陸半分を支配するアグニス帝国。

そこの標準時間が大陸全体の時間となる。

先ずは時間を確認して、彼が《困難に遭遇する時間》にその場所に向かわねばならない。

と考えたら何となくだけどとある結論に気付く。



「フォルトーナのナビ無しで時間と場所を合わせるなんて結構至難の業じゃない?」



うん、無理ゲーだわ。

景色はイメージで貰ってたけど場所の特定が困難な上、時間を合わせるなんてもっと無理。

そもそも時間を測るスマホも時計も無い世界で、どうピンポイントで救助する?



バタンッ「駄目だ〜」

『バウ?』



側で寝ていたタロに寄りかかりソファ代わり。

このままタロと寝てしまおうか。


ぐ〜


「腹時間しか分からないよ。はあ、ね、タロ」

『バウッ』



これ以上考えてもまとまらない。

取り敢えず腹ごしらえして、先ずは魔法の練習をしよう。


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