表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/63

番外編⑨ ドラゴンキメラ ①|“竜ではないもの”

※本編完結後の番外編です。

今回も日常寄りですが、

清龍視点の少し不穏なお話になっています。

「ドラゴンって、何だ……?」


 清龍の私室には膨大な本が置かれている。

 それは様々な文献、研究資料、童話など多岐に渡る。

 そんな清龍の本棚から蘭鈴は本を選び、清龍の隣で読書を楽しんでいた。

 

「ドラゴン? 簡単に言えば、巨大な翼を持つ生き物だ」 


「巨大な生き物……」


「童話の中ではドラゴンは『竜』とも呼ばれているが……」


「『竜』……! オレたちと同じだな」


 蘭鈴の黄金色の瞳がキラキラと輝く。


「そうかな? 私たちはあんな――爬虫類とは違う。黄龍のお前がその自覚がなくてどうする」


 清龍は蘭鈴の頬をムギュッと鷲掴みにする。


「……むぐ……。お前こそ、黄龍のオレに対する敬意が足りないぞ――」


「まさか、私の“敬愛”が伝わらないとは……」


「”敬愛“してるなら! こんな事はしない!」


 清龍は頬を掴んだまま蘭鈴の顔を上に上げた。

 黄金色の瞳に、清龍の浅葱色の瞳が近づく――。


「フン。小娘が、お前が黄龍でなければいつでも食ってやれるものを――」


「ほら! またバカにしたな!」


 清龍は興が削がれたとでも言うように蘭鈴から手を離す。


「……冗談だ……。これ以上続ければお前の愛玩動物(ペット)が黙っていまい」


「……ペット……?」


 ドドドドド――!


「……噂をすれば、だ――」


 バーーーン!


 清龍の私室の扉が勢いよく開かれる。


「おい! 清龍! 蘭鈴をまた変な実験に付き合わせる気だな!」


「何を言う。私たちはただ、()()()隣に並んで読書をしていただけだ――」


 清龍が蘭鈴が読んでいた本を指さす。


「……信じられない! 何も変なことしてないだろうな!?」


 息巻く琉龍に蘭鈴は立ち上がり馬にするように「どうどう」と背中をポンポン叩いた。


 蘭鈴に「どうどう」されて落ち着く琉龍。

 蘭鈴は琉龍を連れて散歩に行くと提案した。

 

(……そういうところが愛玩動物(ペット)だと言っている。

その首輪がどこに繋がっているのか、当の本人だけが分かっていない) 


「清龍、本ありがとな。また読ませてくれ」


 蘭鈴は清龍に手を振ると、琉龍の背中をポンポンしながら部屋を後にした。


 清龍は、閉じた扉を見つめながら――

本棚の奥に隠した一冊へと視線を落とした。

――『Dragon Chimera』と書かれた、その背表紙へ。

今回もお読みいただきありがとうございます!


「刻龍のお料理教室」編とは少し雰囲気を変えて、

今回からは新しいお話――“ドラゴンキメラ編”がスタートします。


これまでの“龍”とは少し違う存在が登場してきますが、

この先どう関わってくるのか、楽しみにしていただけたら嬉しいです。


ゆるい日常の中に、少しずつ違和感を混ぜていけたらと思っています。


ドラゴンキメラ②は【3/30】投稿予定です。


引き続きお付き合いいただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ