第8話 過激派と穏健派
「お前がじゃがいもの広志か?」
「違います。僕は一般人です」
「嘘をつけ。その手に持っているじゃがいもはなんだ?」
「これはたまたま拾って」
「勝負だ、じゃがいもの広志」
「だから違うって」
「問答無用」
「うわあああああああああ」
◆◆◆
「久しぶりだな由衣」
「あなたは」
「裏切者には制裁だ」
「しつこい」
「問答無用」
「きゃああああああああ」
◆◆◆
加奈子と育美は、あるチーズを食べていた。
エメンタールチーズ。
チーズの王様といわれる、穴の開いたチーズである。
ト〇とジェ〇ーなどで見るチーズである。
「さすがチーズの王様といわれるだけはあるわ。甘くて濃厚な味はたまらないわ」
「私は匂いがきついし、ゴムのような味に感じるけど」と育美。
そんな話をしているとスーツを着た男性がやって来て、私に耳打ちをした。
「なんですって。広志と由衣が襲われた?」
「どうしたの?」と育美が聞く。
「どうやら広志と由衣が闇討ちにあったらしいの。いきなり試合を挑まれて……」
「だれがやったの?」
「塩の健司だよ」と2人の男子生徒がやってきて言った。
「あんたちは誰?」
「僕は丼の光士郎。そっちはにんにくの時次。穏健派だよ」
「穏健派?」
「僕らは、平和主義者だよ。むやみな勝負はしない。必要とあれば仕方なくすることもあるけどね」
「それで?」
「塩の健司やマヨネーズの絵美は、過激派といわれている。ただ」
「ただ?」
「ボスがいるらしいけど、正体はまだわかっていない」
「それで穏健派のあなたたちはどうしたいの?」
「塩の健司は僕たちに任せてくれないか。やつらを野放しにはできないからね」
「私だってクラスメイトと友達が襲われたのよ。塩の健司は許せないわ」
「その気持ちはわかる。だから君にはボスを探して倒してもらいたい」
「ボスといっても手がかりがないと」
「そこは君の力でなんとかしてくれ。僕らではわからなかった」
「それじゃあ私もわからないわ」
「一応ボスは海鮮系らしいことはわかっているんだが」
「海鮮系か……」
「では塩の健司は我々に。ボスは君に任せた」
そういうと2人は去って行った。
広志と由衣の仇を取りたい。
でも確かにボスを探して倒さないと根本的な解決にならない。
「育美はどう思う?」
「へ?」
育美はエメンタールチーズと海老を一緒に食べていた。
「そういや育美って海老好きだよね? まさか海老派とか」
「どうやらばれてしまったようね。そうよ。私が塩の健司らのボスよ」
「えっ?」
「加奈子、あなたに勝負を申し込むわ。そして世界を混沌にしてやるわ」
「えっ?」
「いざ勝負!」




