↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/9

第5話 逆襲の味噌

授業が終わると育美に声をかけた。


「部室に行くわよ」


「ごめん。今日どうしても用があるの」


「わかったわ。じゃあ私も帰るわ」


一応、広志も見る。


目が合うと、広志は首を横に振る。


仕方がないので今日は家でチーズ料理の研究だ。


学校を出て家に帰る途中で、私を呼び留めるものがいた。


「久しぶりだな、加奈子。先日の恨み、晴らさせてもらうぜ」


「あなた……誰だっけ?」


「味噌の和志だ。貴様に負けてからこの日が来るのを待ちわびていた。勝負しろ!」


「こんな街中で勝負だなんて」


「臆(おく)したか。まぐれで勝ったぐらいでいい気になるなよ」


「いいわ。勝負を受けてあげる」


「勝負はそこのスーパーであるもの限定で3品勝負だ」


「わかった」


2人してスーパーに入る。


私はまずチーズコーナーに行き、それから店内を見て回る。


チーズはベーシックなのが多い。


他の食材を見ながら私は悩んだ。


和志はかごに味噌をはじめ、いろんな食材を買い込んでいる。


どうやらすでに料理を決めていたかのようだ。


「この勝負もらった」と和志。


「どうやらはめられたようね。でも丁度いいハンデってとこかしら」


スーツの人が店にかけ合ってくれている。


そして私と和志に調理場が提供された。


お互い買った食材で料理を作る。


スーパーの調理担当の店員も、私たちの料理を感心した様子で見ている。


しばらくすると店内放送が流れた。


「この後17時から、チーズ対味噌の対決を行います。場所はイートインコーナーです」


時間が来ると私たちはイートインコーナーに向かう。


審査員の3人が席について、私たちを見る。


司会のレジ係の人が「ではこれより、チーズ対味噌の試合を行います」と言う。


「まずは鶏肉とナスのピリ辛みそ炒めだ。使用味噌は赤味噌。豆板醤(とうばんじゃん)とにんにくが味噌を引き立てる」


イートインコーナーに集まった主婦たちから、歓声が起こる。


「チキンステーキのチーズ乗せ。鶏モモ肉にピザ用チーズをたっぷり乗せたわ。隠し味のにんにくがポイントね」


1つ目は双方鶏肉料理。


主婦たちが意見を言い合っている。


「豚の味噌マヨ生姜焼き。使用したのは合わせ味噌だ。豚ロースに味噌とマヨネーズだ。罪深いだろ」


「私の2品目はチーズ入り! 鶏むね肉のピカタ。粉チーズをふんだんに使ったわ」


「最後は埼玉の秩父名物みそポテトだ。ふかしたジャガイモを天ぷらにして、甘めの味噌ダレをかけたものだ。病みつきだぜ」


「私の最後はデザートよ。チーズプリン。クリーミーチーズを使ったプリン。この味を知ったら普通のプリンには戻れないわ」


イートインコーナーはあふれんばかりの人だかりだ。


審査員がそれぞれ料理を食べ、考え込んでいる。


「では結果をお願いします」


「審査員、総菜部門チーフの結論はチーズ。チキンステーキは美味しい。店でも販売したい」


「審査員、副店長の結論はチーズ。このチーズプリンは美味しすぎる。どうかレシピを教えてください」


「審査員、店長の結論は味噌。みそポテトが美味しいです。社長に報告したいぐらいだ」


「2対1で、チーズの勝利です!」


和志はそんなばかなといった表情だ。


そして走ってどこかに行ってしまった。



盛り上がるイートインコーナーの隅で塩の健司が戦いを見ていたとは知らずに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。