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幼馴染の美少女と自宅で徹夜ゲームをするはずだったのに、コンビニのイタズラをきっかけに、初体験してしまった話。  作者: きたみ詩亜


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第7話 一緒におやすみ

 ベッドの上。

 風呂上がりの空気が、まだ部屋に残っている。


 柔らかな灯りの下で、凪葉は俺の隣に座っていた。

 さっきまで体を包んでいたバスタオルは、もうベッドの端に落ちている。


 濡れてまだ乾ききっていない髪からは、ほんのりと甘いシャンプーの香りが漂っていた。


「……遥斗」


 小さな声で、名前を呼ばれる。


「ん?」


 凪葉は少しだけ顔を赤くして、視線をそらした。


「さっきから……ずっと見てる」


「そりゃ見るだろ」


「なんで?」


「……凪葉だから」


 そう言うと、彼女はくすっと笑った。


「なにそれ」


 でも、どこか嬉しそうだった。


 少し沈黙が流れる。


 静かな部屋。

 外から聞こえるのは、遠くを走る車の音だけ。


 凪葉がゆっくりと体を寄せてくる。


 肩が触れる。

 温かい。


「遥斗」


「ん?」


「……来て」


 凪葉はそう言って、腕を伸ばしてきた。


 そのまま、俺の首に手を回す。


 柔らかい体が、胸に触れた。


 抱き合う形になる。


 心臓の鼓動が、妙に近い。


「凪葉……」


「なに?」


「ドキドキしてる」


「私も」


 顔を上げると、すぐ目の前に凪葉の顔があった。


 濡れた髪が、頬に触れる。


 凪葉は少しだけ目を細めて、笑った。


「キス……する?」


 からかうような言い方。


「する」


 即答だった。


「即答なんだ」


「今さらだろ」


「たしかに」


 凪葉は小さく笑う。


 そして、ゆっくりと目を閉じた。


 その仕草があまりにも自然で、俺も目を閉じる。


 唇が触れる。


 軽く。

 ほんの一瞬。


 でも凪葉は離れなかった。


 もう一度。


 今度は少し長く。


 抱きしめる腕に、力が入る。


「……遥斗」


「ん」


「今日は、いっぱい一緒にいられたね」


「まだ終わってないけどな」


「うん」


 凪葉は小さくうなずいた。


 そのまま俺の胸に顔を埋める。


「ねぇ」


「ん?」


「今日は……」


 言いかけて、少し黙る。


 それから、ぽつりと続けた。


「一緒に寝よ?」


 俺は笑ってしまう。


「今、同じベッドだろ」


「そうだけど」


「じゃあ決まりだな」


 凪葉は嬉しそうに笑った。


 そのまま、また顔を上げる。


 近い距離。


「もう一回」


「ん?」


「キス」


 わざと小さく言う。


「ずるい言い方だな」


「いいじゃん」


 凪葉はそう言って、また目を閉じた。


 俺はその頬に手を添える。


 そして――。


 唇を重ねた。


 部屋の灯りが、静かに揺れる。


 外の夜は、まだ長い。


 そして。


 二人の距離は、もう戻らないほど近くなっていた。


  ◇◇◇


 深夜。


 部屋は静まり返っていた。


 ベッドの上で、俺は天井を見つめていた。


 腕の中には凪葉。


 すやすやと寝息を立てている。


 髪が少し乱れていて、頬はほんのり赤い。


「……寝たのか」


 小さくつぶやく。


 凪葉はぴくりとも動かない。


 完全に熟睡だ。


 俺は少しだけ体を動かす。


 すると凪葉が、無意識に腕を回してきた。


「……ん」


 寝ぼけた声。


 そして、また静かになる。


「離れるなってか」


 思わず苦笑する。


 でも悪くない。


 むしろ――。


(こういうの、いいな)


 凪葉の髪を、そっと撫でる。


 柔らかい。


 さっきまで一緒に笑っていたのに、もうこんなに安心しきった顔で寝ている。


「ほんと、無防備だな」


 小さく呟く。


 すると凪葉が、うっすら目を開けた。


「……遥斗?」


「起きたのか?」


「ううん……」


 半分寝ている声。


「まだ……ここにいる?」


「いるよ」


「よかった」


 凪葉は安心したように、また目を閉じる。


 そして小さくつぶやいた。


「好き」


 寝言みたいな声だった。


 俺は思わず笑う。


「……俺もだよ」


 返事は、もう聞こえていないだろう。


 それでもいい。


 部屋の灯りは消えている。


 静かな夜。


 凪葉の温もりだけが、すぐ隣にある。


 俺はそのまま目を閉じた。


 今日という一日が、ゆっくり終わっていく。


 そしてきっと――


 明日もまた、

 凪葉と一緒に過ごす日になる。

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