第15話 詰問と決断
服を着る時間すら許されず、俺たちはその場で車座になっていた。
俺を挟むように座るのは、凪葉と美咲。
当然、二人とも裸のまま。
先ほどまでエッチしていた余韻を残すように、白い大きな乳房は汗にまみれている。
両手に花──どころか、両手に全裸美女という状況だが、まったく喜べる空気ではない。
「……これは、どういうことなわけ? 遥斗」
凪葉が腕を組みながら、じっと俺を睨む。
「遥斗くん、正直に話して」
美咲も真剣な表情で俺を見つめてくる。
二人がじりじりと距離を詰めてくる。
逃げ場はない。
「え……と、実は……」
俺は観念して、ぽつりぽつりと話し始めた。
──
しばらくして、すべてを話し終える。
「……ということなんだ……」
部屋の中に沈黙が落ちた。
その沈黙を破ったのは、凪葉だった。
「あのね、遥斗……この際だから気持ち、ハッキリさせよ? 成り行きでこういう関係になっちゃったけどさ……こんな曖昧な関係じゃなくて」
続いて、美咲も口を開く。
「遥斗くん……あたしも、そろそろセフレから次のステップに進みたいな? きちんと選んでほしいの」
「ちゃんと、」 「恋人関係に」
二人の視線が、まっすぐ俺に向けられる。
「お、俺は……」
言葉が詰まる。
重たい空気が、部屋に広がる。
(俺は、凪葉と美咲……どっちが好きなんだ……?)
──ふと、最近の日々が頭をよぎった。
凪葉と徹夜でゲームをした夜。
くだらないことで笑い合った時間。
そして、コンビニでの誰かのイタズラから始まった関係。
一方で、美咲との日々。
意外とエッチなことに積極的な彼女と過ごす、濃密な時間。
どちらも──
俺にとっては、楽しくて、替えのきかない日々だった。
「……ふたりと付き合うじゃ駄目……?」
──そんな言葉が、思わず口をついて出た。
一瞬。
二人の視線が、ピシャリと俺に刺さる。
「……それさ、」
呆れたように、凪葉が言う。
「二股だよ? 今は漫画とかアニメの話してるんじゃないのよ。そんな都合のいい関係、許されるわけないでしょ」
ピシャリと言下に叩きつけられる。
続けて、美咲も静かに言った。
「遥斗くん。ちゃんと決断して」
その声は優しかったけれど、まっすぐだった。
「遥斗が、ちゃんとどちらかを選ぶなら……」
少しだけ間を置いて、
「「許すから」」
二人の視線が、俺に向けられたまま動かない。
俺は──
言葉を失っていた。




