25. 村長
「クソッ! ガイのやつ可愛い年下の嫁さんをもらっただけでなく、あんな美人を囲いやがって!」
痛い思いをすればいいとイナゴの情報を伏せていたのに、なにやら不思議な装置でうまく切り抜けやがった。あれは遺物なのか? だいたいどこから?
「全くもって計算外だ。うまくいけば破産したガイに代わって、あの美人を囲い込める予定だったのに」
本当に忌々しい。
おまけにイナゴを撃退したことでガイの評価は鰻上りだ。このままでは村長であるわしの地位が揺るぎかねない。どうしたものか……。
「パパ!」
「なんだ、イザベラか。お父様と呼びなさいと言っているだろう」
「ごめんなさいお父様」
「それで何か用か?」
「あの悪魔が不思議な機械でイナゴを撃退してしまったそうよ」
「既にその話は耳に入っている」
「きっと自作自演なんだわ。余りにも都合が良すぎるもの」
「自作自演か、なるほどな、それはいいかもしれんな」
イナゴは自然発生だったが、次はこちらで用意してやればいい。
「イザベラの言うとおりだな。あとはわしがなんとかするから部屋に戻っていなさい」
「はい、お父様。早く悪魔を追い出してね」
「ああ、任せておきなさい」
可愛い娘にまで心配させやがって、ガイのやつ目にものみせてやる。
さて、どうしたものか……。何か良い方法はないか? そうだ、最近、隣村が盗賊に襲われたといっていたな。それなら、美人を餌にして、盗賊にガイを痛めつけさせればいい。
おまけ その頃もう一人の黒幕ルルは
あのエルフ、完全に村に溶け込んじゃって、自分の国に帰る気があるのかしら。
イザベラちゃんを焚きつけてみたけど、うまくいっていないみたいだし。
早くアッシュくんを連れて出ていってよね。




