転移と転生
「足元気をつけな。ドラゴンがいるぞ。踏んづけっと罰金モノだぞ」
「え?ドラゴン?みたいみたい」
足元には推定40センチくらいのトカゲみたいのがいる。エリマキを広げて僕を威嚇してる。てか、これって…
「ねー?フロー。こいつって、僕らの世界にいる『エリマキトカゲ』ってのにそっくりだよ。外来種じゃないの?」
「そいつはこの世界の在来だぞ。公式認定。解析でも確定してんぞ」
「アロハさん。もしかしたら、エリマキトカゲは逆に私達の世界に紛れ込んだ種かもしれません。私のデータによると、昆虫と同様に進化の過程に不透明な部分がある生物だと研究されています」
「お?糞AI。珍しくまともなこと知ってんな。さすが有能ってか」
「てか…って、フローさん。地球のネタを何故そんなに知っているんですか?」
「あ?あたしは一応、執行委員会の一員だろ?」
「アロハみたいな管理された『転移者』にはな、あたしみたいのが担当になんだよ。メーテルみたいなやつだと思え」
「まぁ『転生者』はまた違うけどな」
やっぱり…フローは僕のガイドみたいな人だったんだ。メーテルって名作アニメの綺麗な人だよね?
「それにな、お前が湖で見たエルフはおそらく転生者だぞ?エルフってのは大体が転生者だからな」
ニコにそっくりなエルフが転生者?フローも転生者ってこと?
「オプオプ博士。転生者と転移者って何が違うの?」
「転生者は死んだ人が異世界で生まれ変わった存在で、元の記憶がある人のことです。記憶がない場合は輪廻ですね」
「一方、転移者はアロハみたいに、肉体ごと異世界に飛んできた人のことです」
異世界転生と転移って別物なんだ?だったら、あのエルフがニコの転生者だとしたら…
「ちなみに転移に関しては…」
「糞AI、お話はそこまでな。さっきの光のところ見てくっから、アロハはここで待ってろ」
「いや、僕も行くよ。あの光、僕のせいかもしれないんでしよ?僕がノイズになるって…」
「フラグがたったなら、回収しないといけません。それはルールです」
オプオプ博士もそう言っている。
「下手すっとあたしもアロハも因果から外されるかも知れねーぞ」
僕とフローは物音を立てないように、体を浮かせて移動した。
「ふぅ、何もねーみたいだな。ま、油断するには早えーけど、とりあえずは…」
「待って、フロー。何か落ちてるよ」
床に光の残骸のような粉に埋もれている物を見つけた。
「これって…僕の学校の校章だよな」
嫌な予感しかしない。ワクワクとか言ってる場合じゃないのかもしれない…




