原初の異世界
「さて、色々とバタバタしたけれど、何から説明すっかな…」
「あたしも細けぇ所までは聞いて無いんだが、皐月のオッサンとアロハはおそらく、宝くじに選ばれた当選者だ」
「宝くじに選ばれた?どういう事ですか?」
選ばれたってなんだろ?運が良かったから当たったんじゃないのかな?
「そもそも、この異世界は原初の異世界でな、宝くじの景品に使わないはずなんだよ。本来なら、もっとお気楽な異世界に…」
「フローさん。ちょっと待って。原初の異世界って、最初の魔王がいた世界だよね?消滅したんじゃ…」
「オッサンは異世界史に明るいな。表上はそういうことにされている。けどな、実際はここにある。そしてここは、おまえらの現世に一番近い異世界なんだよ」
ん?よくわからない話だな。僕とおじさんがここにいるのは偶然じゃ無いってことかな。
「オプオプ博士。どういうこと?」
「私のデータにはこの異世界の情報はないのですが、トンガリの言っている原初の異世界の情報は持っています」
「原初の異世界とは、時系で言うと約30年程前、現世に脅威となる魔王が初めて認識された世界です。そして、勇者、戦士、魔法使い、賢者のRPGではお手本のようなパーティーが魔王を倒したとされています」
「アロハさんの学校の校長先生、陽光さんはそのパーティーの勇者です。その後、その異世界は復活した神によって消滅させられた。異世界史の始まりの物語です」
「そうなの?僕も少しは異世界のこと知っているけど、そんなの聞いた事無いよ。それに、やっぱり校長先生は元勇者なの?」
おじさんが教えてくれる。
「異世界フリークの間では有名な話だよ。でもアロハ君達世代はゆったり教育だろう。知らなくても仕方ないよ」
「娘もそうだが、おじさん世代に比べて教育の範囲が少ないんだよ。受験科目にも無い異世界史は真っ先に削られた。って話だよ」
確かに…異世界史なんて選択教科で選ぶ人はあんまりいないよな。
「そうです。ゆったり教育は、AI教育世代とも揶揄されていて、わからない事は何でもAIが教えてくれるから大丈夫。と昔に比べて教育水準はとても低い。なので、アロハさんが知らないのも無理も無いですね。私がいるので安心ですが」
「そうなんだ…僕は中の上で満足していたけれど、実はそれほどでもなかったんだね」
「それでも、世代の中ではアロハさんは中の上ですよ。有名私立大学に合格出来るレベルです」
オプオプ博士、慰めてくれてるのかな?
「おい、話を戻すぞ。この異世界はなずっと平和だったんだよ。ただ現世に近けぇから、もしもの事があっと影響を与えるかも知れねー。だから隠すことにしたってことだ」
「異世界をメジャーにするための措置だな。危ねーと宝くじなんて売れないだろ?金儲けの弊害ってやつだ」
「そこにおまえらが来たってのは恐らく…何かしらの意図が絡んでんだろうな…委員会か、それとも…」
僕がノイズになるってのはそういう事なの?でも、この異世界で何が起こるんだろう?




