勇者の辞書
「パパ!パパ!もしもし…もしもし!」
「校長先生、通信切れちゃったみたい」
そんな…せっかくパパと繋がったのに、全然お話出来なかったよ。
「魔力切れだね。残念だけど、ここではこれが限界なんだ」
「ロト殿の鏡や他の異世界アイテムとチャロアイト嬢の精霊の力でも40秒が限界でごわすか…」
アメデオのしっぽが短いの一本だけになってる。パパとハム次郎の無事は確認できたけど…お母さんの話は出来なかったな。
「お父さんがフローラルの所に居るなら、ひとまずは心配しなくて大丈夫だよ。彼女は頼りになる。それに、有馬君も一緒にいるはずだよ」
アロハ君もいるの?パパとおんなじ異世界にいたらって思ってたけど、本当に一緒なんだ。
心強…くは無いよね。でも、ハム次郎のお世話くらいならお願いしてもいいかな?なんてね。
「校長先生。魔力を早く溜めるにはどうしたらいいんですか?」
「そこで、それがし達の出番でやんす。その為のパーティー『ニコと愉快な仲間』でござる」
佐藤さん…ややこしいから語尾だけでも統一して欲しいな。でも、そんな事言ったら失礼だよね。
「夕方に言った通り、異世界帰りの者達を巡り、アイテムを貸していただこう。平行して、現世にある魔力や呪力を帯びたモノを集めよう」
「遠回りのようだが、一番手堅くて近道だ」
「陽光、弁慶。私も笑湖さんに同行したい」
チャロアイトさん…お母さんのお話も聞きたいし、何よりまともな人だよね?助かる!
「オレ達も、もちろん協力するぜ!困っている人を見過ごすってのは勇者の辞書には載っていないぜ!」
集まってるみんなが、力こぶを作ってる。なんだろ?ヤバい大人の集まりとか思っていたけど、凄く頼もしいな。ポカポカしてる…
「笑湖さんも勇者達の心意気にあてられたようね。勇者は不思議と周りの人を安心させるの。自然とバフをかけてくれるのよ」
なるほど。でもさ、一番安心するのはチャロアイトさんだけどね。てか、バフってなんだろ?専門用語はよくわからないな。
「よし。それがし、ニコ殿、陽光、チャロアイト、アメデオでパーティーぞな!」
「ほな、とりま賢者のあやつを訪ねるか。現世におるはずじゃ。どこにいるかのぅ?」
賢者?まだまだ濃い大人が満載なんだね…まぁいいか。
「今日はもう遅い。皐月君は帰ろうか。計画は練っておくから、明日校長室に来たら良い」
「お疲れさまです!皆さん、今日はこれで失礼します。わたしの為にありがとうございます!よろしくお願いします!」
「オー!!ニコちゃん宜しくな!」
あはっ。みんなで決めポーズしてる。戦隊モノみたいでちょっとカッコいいかも?
アメデオがわたしの肩に飛び乗って来た。
「アメデオちゃん。一緒に帰ろ」
やっぱりカワイーな。




