PICCOLO
「ほな、とりあえず今晩飲みに行くでぇ。ってグループに入れるでぇ」
佐藤さん…多分普段はふつうに話してるんだろうな。今度はエセ関西弁になってる…怒られるよ。
「いきなりで集まるんですか?」
「善は急げと言うだろう?それに、私らは普通の社会人と変わらないからね。飲みの誘いは歓迎の口が多い」
いや、魔剣持ちの社会人とか聞いた事ないよ…まぁ、早いほうが助かるから任せておくか。
めんどくさい大人達の集いだよね。異世界帰りの人ばかりの。もしかしたら、パパの話だけじゃ無くて、お母さんが転生してる可能性も聞けるかも?
まぁ…まともな人がいればの話だけど。
「どこで集まるんですか?わたしもご一緒しても大丈夫ですか?」
「もちろんでゴワス。それがしとニコ殿はパーティーじゃからな」
佐藤さんが豪快に笑ってる。塾帰りに顔を出す事にした。
教えてもらったお店は、なんだか凄くおしゃれなカフェバーだった。
看板の文字が見たことも無い文字で書いてある。ローマ字で『PICCOLO』ってルビがふってあるね。ピッコロ。ここで間違いなさそう。
緊張してドアノブを回す。案内されたのは地下の個室だった。
わたし、騙されて変な事されないよね?校長先生もいるから大丈夫だよね?
「…ロト殿。奥方のロ…姫はご健勝でござ…」
佐藤さんがやたらとかっこいいおじさんとお話してる。周りがうるさくて聞こえないな。
「スミマセン!わたし、皐月笑湖と言います!」
「本日は皆さんのお集まりにお邪魔させて頂きます!」
アメデオちゃんが飛びついて来た。カワイー。ん?しっぽが4本になってるよ。校長先生と佐藤さんのお話、本当だったんだ。
「おー皐月君。よく迷わずにたどり着いたね。認識阻害がかかっているから、初見で来るのは難しいんだよ」
校長先生。いて良かった…
「わたくしの精霊を飛ばしておいたからね。弁慶に話は聞いていたから」
奥に座っている和風の女性と目があった。片耳だけ尖ってる。精霊って何?何のこと?
「君のオーラ。『笑実』に雰囲気が似ているな…懐かしい。精霊も嬉しそうだ」
綺麗な女の人。でも目が紫。カラコンかな?てか、今『笑実』って…お母さんの名前言ったよね?どういうこと?お父さんの言ってたの本当なの!?
「彼女はハーフエルフで精霊使いのチャロアイトだ。私とは別の異世界で魔王を倒した勇者パーティーの一員だ」
校長先生が紹介してくれたけど、それどころじゃないよ。
「すみません。チャロアイトさん。今、エミって…わたしのお母さん知っているんですか?」
「笑実の娘さんか。どおりでオーラが似ている訳だ。君のお母さんには世話になったよ。わたくしが、現世にいるのは彼女のおかげだ…」
パパとハム次郎の事通り越して、いきなりお母さんの話?どうしよう。
パパ~。わたし、どうすればいいの?




