シャボン玉
「んで、おっさん。テメーは何してんだよ」
「宝くじ転移のやつは一旦、あたしん所に来る約束なんだよ」
「知らないですよ。気がついたらこの近くにいて…呆けていたらハム次郎がでっかくなって。さらに呆けるしかないな…って」
「困っていたら、あなた達が飛んで来たんだよ」
ふたり共アイスバナナ食べながら、いがみ合ってる。食べ頃の温度にして良かった。マイナス30度だと武器になるから危なかったな。
「それより、フローさん。このハムスターをどうにかしないといけません」
そうなんだよ。さすがオプオプ博士。良い突っ込み。
「あぁ、そうだな。とりあえず飯食わすの止めっか。アロハ、里山全体を凍らせろ」
「えっ!?それどうやるの?僕やった事無いよ」
「優秀なAI様に聞いてみな?」
「アロハさん。まずは、自分の気を大気に放出して下さい。自分が中心の大きなシャボン玉に包まれているイメージです」
「割れないように…優しく優しく、大きなシャボン玉を作って下さいね。空気では無くて、気で膨らませましょう」
「シャボンは里山全体を包みましたか?」
「うん。包んだ…気がする」
「今です!アロハさんの冷めた気を大気の水分と融合して下さい。はい!」
オプオプ博士がそう叫んだ瞬間にシャボンが割れて、里山全部が白い霧に包まれた。
霧が晴れてきて、辺りを見渡すと里山全体が銀色に染まっていた…
「えっと…これは僕がやったの?」
吐息が白い…
「そうです。まぁ、正確には私とアロハさんの共同魔法ですね」
エヘヘ…なんか僕、凄い事したみたい。
「フロー、見た?僕凄い?」
「ま、及第点だな。今回はその…オプオプの助けもあったからな。調子に乗るなよ」
「それより、そのおっさんも凍ってんぞ」
嘘?ヤバいヤバい。おじさんも凍らせちゃったよ。どうしよう。
「フローさんがいるから大丈夫です」
フローがパチンって軽く指を鳴らすと、おじさんはオレンジの光に包まれて無事に生還した。
「おじさん、ごめんなさい。僕のせいで凍らせちゃった」
「いや、助かったよ。ありがとう。君凄いね、アオキジみたいだ。それに、このバナナ旨いな」
おじさんがニヤリと笑って握手を求めてきた。
「僕はアロハ。この子がAIのオプオプ博士。そっちのエルフがフローだよ。おじさんも宝くじでこっちに来たんだよね?」
「ああ。黄色い本に吸い込まれたんだよ。ハム次郎も一緒にね。アロハ君もかい?ふたりで異世界を攻略するラノベはあったかな?」
「おじさんは皐月だ。みんなよろしく」
「ご挨拶は一旦置いておけ。とりあえず、ハムスターにデバフかけねーと」
「フローさん支援魔法も使えるんですか?」
「いや、出来ね。だから糞AI、お前が構築しろ」
どうやらオプオプ博士が設計して、フローが発動させるみたい。さっきの応用だって。
さっきの魔法といい、AIはプロンプト次第って散々言われているけど、こんな使い方もあるのか。
オプオプ博士って凄いんだな…




