魔王候補
「ね、フロー。僕が前賞でこの異世界に転移したじゃない?もう一人来るんだよね?」
「そうだな。後賞の奴も来るはずだぞ」
街の外れにあるセンターで亀を換金。そのお金でお昼ごはんを食べる事にした。
おんぼろのレストランみたいだけど、ごはんは抜群に美味しい。
店長さんはフローの顔馴染みみたいで、楽しそうにジョッキを交わしている。
でも、この魚はブラックバスそっくりだし、海老はアメリカザリガニだよね?ミドリガメも。この世界だと外来種だよね?ハクビシンなんかもいるのかな?
「一等の人は来ないの?」
「一等は別の異世界に行くんじゃね?あたしは担当じゃねーから、よくわからん」
「ま、一等は『オレつえ~』『ザまあ』『ハーレム』『スローライフ』から選べるって聞いた事あっけど」
そうなんだ…違いはよくわからないけど、僕は異世界の事ろくに調べないで転移しちゃったもんな。
「オプオプ博士は知ってる?」
「そうですね。それらは異世界モノの王道です。俗に言うテンプレを定義した偉大な物語がベースになっています。他にも、クラス単位転移モノや、悪徳ナンチャラモノもあります」
「この世界はおそらくどれでもないようですね。ファンタジーベースには違い無いのですが、私のデータには無いので…」
「どの異世界もハーレムは大体デフォなんですけど、アロハさんの場合フローさんだから笑」
「うっさいね!糞AIが。後で教えてやっけど、ここはお前らの世界のデータからは隠匿されてんだよ。色々とあんだよ?察しろ」
「なんだと!お前らの事情なんて二の次なんだよ。こっちはドンパチやりたくてウズウズしてんだ」
「オプオプ博士落ち着いて」
なんだろ?オプオプ博士ちょっと怖いな。壊れちゃったかな?
「とりあえずご飯食べようよ」
「アロハさん。私も内部電源が残り8%です。省エネモードで機能が著しく低下しています」
そうか。空飛んでばかりで振動充電できてなかったんだ。それでオプオプ博士壊れ気味に見えたのか。
「ごめんね」
あわててスマホを振り回した。スマホの再起動は意外と手間だから、これからは気をつけないと。
「ところで、フロー。里山にちょっとヤバそうな外来種が転移して来たらしい。見た奴が何人もいる」
店長さんは情報屋も兼ねているらしい。
「人を襲う事はないらしいんだが、やたらデカイって話だ。魔王化する可能性もあるから、ちょっと見て来たほうが良いんじゃないか?」
「めんどくせーな。ギルドの連中に任せたほうがいいんじゃねーの?」
「けど、ゲート由来だとしたら厄介か…」
「アロハ、糞AI。お望み通り、ちょっくらドンパチしに行くか?」
「行く!後賞の人が来るまで退屈だし、レベルアップもできるよね?」
よし、初の本格バトルかな?やっぱり最初はゴブリンだよね?バナナ買って行かないと!




