15.猿夢Ⅲ
(やっぱり、今日も来たか……)
ゆたかが目を開けると、またしてもあの電車の中だった。
(恐らく昨日の続きだろう…なら次は!)
『次はすりおろし〜次はすりおろし〜くたばるお客様はご準備くださ〜いキキキッ』
猿たちが人の丈程もあるおろし金を持って乗客に近付く。
「なっ!?あのクソ猿…ッ!」
『まもなく、すりおろし〜すりおろし〜キキッ』
アナウンスと共におろし金が乗客に近付いていく
『くたばれこの下等種族キキキキキッ』
「え………?いや、いや…いやあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ッヒューヒュー」
「ッ!!!」
女性の乗客が困惑したまま、ゴリゴリと上半身がおろされる。
「あの猿……!なんてむご…………いや、アイツといい勝負レベルだな………じゃなくて、何か何か出来ることは…」
そう呟きながら、ゆたかはダメ元で体が動くか試す。
すると、予想に反し立つことはできないが腕や足などを自由に動かすことができた。
「体は動く……!けど立てない…!何が出来る!?考えろ考えろ……!」
『次はくし刺し〜次はくし刺し〜くたばるお客様はご準備くださ〜いキキッ』
「ッ!!!」
猿たちが大小様々な大きさの金属串を大量に持って近付く。
ゆたかはそれを阻止しようと座席や背もたれを手で掴んで立ち上がろうとするが、腰が座席にピッタリ貼り付いて立ち上がることができない。
『まもなく、くし刺し〜くし刺し〜キキッ』
「クソッタレがッ!」
『くたばれ下等種族キキキッ』
「「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ……ぁ…………」」
血飛沫と共に乗客の体を突き抜けた串が辺りに散らばる。
そして、幸運なことにその内の一本がゆたかの近くまで転がる。
「これなら!」
ゆたかは足を伸ばして串を引き寄せ、手で拾う。
そして串の血を拭う。
『次は丸焼き〜次は丸焼き〜くたばるお客様はご準備くださ〜いキッキッキ』
『まもなく、みじん切り〜みじん切り〜キキッ』
『くたばれこの下等種族が!キキキッ』
「「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!!!!!!!!!」」
次々と乗客たちが無惨な方法で殺される。
ゆたかは串を隠し持ちじっとその時を待つ。
そして、あと数列でゆたかの順番という所まで来た時、ついに車掌がゆたかの目の前に移動する。
(今だ!!!)
串を刺そうとしたが、車掌に腕を掴んで止められ串を奪われる。
『お客様〜危険物の持ち込みはお止めください〜キキッ。気付いてないとでも思ったのかこの下等種族が!キーキッキッキッキ!』
「チッッッ!この猿野郎が……!」
その時、ゆたかの左隣に座っていた男性が言葉をこぼす。
「ゆたか………?」
「!!!れい兄さん!?」




