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【未完】空白の世界  作者: くおりあ
回収者
3/8

二話 閑話新題【黒鉄兄妹】その一

待たせすぎても嫌なので、書きかけをどうぞ

「かんわ!第一話にして閑話とは何事だ!」

 雑多な服やぬいぐるみが散乱する部屋で少女は虚空に向かって声を上げる、その声には誰も応える事もなく只々(ただただ)静寂を返すのみであった。


「雑多とは何だ!これでも整頓はしているのだぞ!」


「やめておけ(アホ)しつこいのは問題だぞ」


「…でも兄貴、納得いかないではないか」


 そんな会話をする男女、妹と呼ばれたのは黒鉄 舞(くろがね まい)、黒く艶のある短い髪と同じく黒い瞳に、フラットな体型をしている。見た目十代後半で快活と言えば聞こえは良いがアホの子である。纏っている学生服のせいでより幼く見えてしまい児童のような雰囲気を醸し出していた。


「いや!児童は制服きないぞ!」


 兄貴と呼ばれた男は黒鉄 京(くろがね けい)、金色の瞳に赤いバンダナ、黒い髪はバンダナで後ろに流れている。かなり大柄で筋肉質、舞と並べば親子のような身長差である。灰色の甚平を着て茶を啜る姿は兄貴というより大親分である。


「…さて、(アホ)は放って置くとしてどうしてこうなったのか考えていこうか」



 〇〇


 ある日(いつも)のことだ、俺の平穏な日常にドタドタとうるさい音を立ててヤツが来た。


 「…ッ兄貴!ふと思ったんだが兄貴はどうしてそんなに窮屈な格好をしているんだ?」


 バンッと勢いよく引き戸を柱に叩きつけて登場した(アホ)はいつものように愛らしい瞳でアホなことを聞いてくる。‘また始まった’というのが偽らざる素直な感想だった。


 …多分なにかに影響されてるのだろう。


 そう考えて、手元の『誰でも分かるはじめての将棋』の(ページ)を捲り、初期配置の5九にある玉を5一へと指す、これで勝ちらしい。手に乗った王を転がしながら応える。


 「…どう言う意味だ?」


 「服など邪魔なだけではないか」


 …アホだアホだとは思っていたが、まさかコイツは馬鹿なのだろうか。


 「服は必要だろう、だからお前も服を着てる」


 「何を見ているんだ!私は全裸だ」


 将棋を指していたので見てないがアホから痴女へジョブチェンジしたらしい、我が妹ながら突拍子もない生き物である。


 「なるほど…お前は羞恥心が無いから分からないだろうが、世の中の人間は常に恥を忍んで生きているんだ、そしてそれを包んで隠してくれるのが服というわけだ。分かったか?」


 我ながらナイスな返しだと惚れ惚れして勝ち戦になった盤上の蹂躙を開始する、王を失った敵など相手ではない。勝手に動く(・・・・・)盤面を眺めることにする。


 「つまり、世の連中は恥ずべきモノを隠す為に服を着ているということか?」


 「…そういうことになるな」


 そして(アホ)は暫く考えると、再びアホな事を言い出した。


 「私はこの間、学校でトイレに間に合わずに女子トイレの前に水溜りを作ったのだが」


 「その歳で漏らしたのか…」


 そう聞くとうちのアホは胸を張って「そうだ」という、俺は半ば呆れながら自分の駒だけになった盤面から痴女(いもうと)に視線を移し話の続きを待つことにした。


 「その時の恥は服では隠せなかった、むしろ服から漏れだして恥が水溜りを作ったぞ」


 我が愚妹は聞いてるだけで俺が恥ずかしくなるような事を言い出した、にもかかわらず恥とまで言って尚、恥ずかしがる素振りをしないのは如何なものだろう。


 「つまり話が元に戻ったという訳か」


 「そうだな!もう一度聞いてやろう。なぜ窮屈な格好をしているんだ?」


 まるで鬼の首を取ったかのように嬉々として上から目線で問い直す(アホ)はウザいくらいのドヤ顔で決めポーズをしているが、全裸なので全く格好がつかない。


 「…服を来ていれば多少格好がつくのにな」


 と小さく呟いた、我が愚妹はそれを聞いてハッとしたように言った。


 「なるほど!服を着れば格好がつくのだな!だからあれほど窮屈な物を好き好んで身に付けるのか!」


 愚妹は一人で答えを見つけ、一人で納得していた。挙句の果てに、「じゃあ!する事があるので失礼する!いってくるぞ兄貴!」と言って開けっ放しの引き戸を閉めずにドタドタと走って何処かへ消えていった。


「(する事があるなら先にしてから来いよ)」、と今度は聞こえない様に心の中で呟いた。何はともあれ嵐は去ったのだった――



 ――そう思ったのも束の間、三十分ほど経つと今度は血相を変えて妹が帰ってくる。何かを言おうとしているのか口はパクパクと動いてはいるが一向に声は聞こえない、落ち着けと諭してから事情を聞く。


「外が原っぱになっているんだ!」


何を言うかと思えばまた何かに影響されたようだ、そもそも此処は廃マンションの三階で辺りはゴーストタウンだ。


…なんでそんなところに住んでいるのかとか聞かれそうで嫌だが


「とりあえずきてくれ!」


そういう妹に手を引かれ玄関の扉を開く、広がる景色は三階の廊下――



――ではなく悠然とした自然、イネ科に見える植物に点々と木が生える広大な自然が現れた。


「サバンナじゃねぇか…」


背中からエアコンの人工的な冷気、前からはカラッとした空気が、恐らく乾季なのだろう。

この話の続きは随時出します、読者様を待たせるのは嫌なのですがどのキャラを出そうか迷うのです。


こんな優柔不断な著者を許して下さい(´・ω・`)

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