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第二十一話:三匹の汚豚

今回は、ちょっと不快な汚物が含まれているかもしれないです。(;^ω^)

多分いないと思いますが、食事をしながら見る方はご注意ください。<(_ _)>

宋は、廃ビルの階段を駆け足で上がっていった。

 

 〈フフフ・・・。これで、このアメリカ王国、いや、小日本もお仕舞いネ。〉

 

 これから、自分たちが優遇される社会になることを想像してニヤついていると、ものすごいスピードで自分を追いかけてくる奴がいた。

 

 「い、岩原!?」

 

 「待てー!!」


 どうやら下の階層にいた男性たちは、岩原にものの見事に返り討ちにされたらしい。

 

 逃げ切れないと思った宋は、岩原に向かってレーザーガンを放った。

 

 「ウヲッ!!」

 

 岩原は、とっさのことでよけきれずに壁に激突してそのまま落下した。

 

 「ぐあっ!!いつつ・・・・。」


 岩原は、あまりの痛さに悶えつつも上を見るとさっきのレーザーガンの衝撃で、階段が耐え切れずに崩落していた。

 

 「あばよ!死神!」

 

 宋は捨て台詞を吐くと、あと数歩のところで崩落する階段をけってジャンプし、次の階に着地した。

 

 「なめるなぁー!」


 岩原も負けじと、大ジャンプをして上の階の床をつかんだ。力を振り絞って登ったが、すでに彼女の姿はなかった。


 同じ階の一室では、岩原から逃げ切った宋と椅子に縛られたままおびえる少女がいた。


 「こ、こんなことをしてなんになるのよ!」


 少女は、おびえながらもキッと宋をにらみつけ何とか逃げるスキをうかがっていた。


 だが、しょせん幼気いたいけな少女がにらんだところで可愛いとしか思えない。むしろ、逆に敵対している人のいたずら心をくすぐるだけだ。


 宋もまた例外ではない。


 ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべてバイブとカメラを取り出した。


 「な、何をするつもり!?」


 「日本人が宇宙少女を誘拐して汚したと知れば、日本政府の信用はガタ落ち。あなたの故郷トロワ星の軍隊も、その宗主国であるエゲロス星の軍隊も黙っちゃいないでしょうね。」


 「ならば、期待しないことね。あなたが日本人じゃないってことは私知っているんだから!それに、もしトロワ民族国軍が出たとしても私が説得するわ。」


 「そんな強気でいられるのも今のうちよ。これは、人型の女性であれば必ずある感じやすいところを集中的に刺激する装置なの・・・試してみる?」


 そういいながらバイブとカメラの電源を押した。


 「ひいっ!」


 トロワ族の娘は、そのバイブの形状に身震いした。


 その頃、娘をさらわれたトロワ民族国軍のナンバー2は、トロワ民族国民全員に装着が義務付けられている発信機を使って娘の居場所を特定していた。


 「ナンバー2殿!捜索隊準備が整いました!」


 ナンバー2が部下の方に振り返るや否やいら立ちを口にした・・・下についているアヒルなのか白鳥なのか訳のわからない生き物の口で。


 「遅い!遅すぎます!娘に万が一があったらどうしてくれるんですか!?」


 「も、申し訳ありません!」


 部下の格好もバレリーナを模したものだが、ナンバー2と違ってセーラー服にクラシック・チュチュといういでたちである。


 その部下は、慌てて首元に水平に右手をかざすトロワ式敬礼をすると持ち場へ走っていった。


 その時、女性の笑い声とどこかで聞きなれた女の子の悲鳴があちこちのスピーカーから聞こえてきた。


 「相変わらず滑稽な格好をするねーお前たち!」


 「誰だ!」


 すると、周りを囲むようにして設置してあった液晶画面すべてにアジア人女性と、涙を浮かべたトロワ民族が椅子に座っていた。


 「娘ぇ!」

 

 「お父様!」


 宋は、日本人に見えるようになるべく流ちょうな日本語で話し始めた。

 

 「ハハハハハ!私は、鈴木紅子というものだ!今からお前らの大事な娘を汚していく!悔しかったら、我々を煮るなり焼くなり好きにするがいい!」


 「お父様!騙されないでください!この人は、日本人なんかじゃありません!」


 ナンバー2の娘が、彼女の本名を言おうとしたところで画面が切り替わった。


 「これは、いったい。」


 そこに映っていたのは、日本語で『宇宙人出ていけ!』『クソ異星人どもをぶっ殺せ!』などの宇宙人に対する罵詈雑言が書かれたプラカードを掲げたアジア人が金門橋の前で座り込みをしている光景だ。


 「みての通りだ。日本人は、貴様ら宇宙人なんかこれっぽっちも歓迎しちゃいねーんだよ!」

 

 さらに追い打ちをかけるように、顔にあざができたナンバー2の娘が父親をしきりに小さな声で呼んでいた。声が小さすぎるためか、ところどころマイクが拾えていない声もあるようだった。


 部下たちが、日本人に対する憎悪を募らせている中で平常心を保っていたナンバー2も限界に達していた。


 「もう許さん!貴様ら日本人は宇宙のチリとなるがいい!!」


 そう言って通信は途絶えた。


 だが、宋はもちろん日本人ではないのでしてやったりな顔をした。


 「お父様、誤解ですのに・・・あなた音声調節機能を遠隔操作してわざと小さくしたわね!」


 「その通り。その青紫のペンキもなかなかいい味出していたわよ。」


 「・・・このまま、返してくれるわけじゃなさそうね。」


 「あら、察しがいいじゃない。そうよ、これからあなたには本当に汚されてもらいまーす。」


 宋が指を鳴らすと、どこからともなく五十代くらいの汚い浮浪者のおっさんたちがぞろぞろと三人ほど現れた。


 宋と三人の浮浪者のおっさんは中国語で会話し始めた。


 豚1「なあ、同志よ。本当にあの可愛い娘とヤレるんだよな?」


 ナンバー2の娘は、離れていてもわかる異臭に顔をしかめた。


 「ええ・・・しかもただでね。」


 豚1「よーし!お前ら!今日は思う存分ヤッてやろうぜ!!」


 豚2と3「うおーッ!!」


 雄たけびとともに、汗と病原菌でいっぱいの三体の肉ダルマが次々に押し寄せて一人は、娘っ子のあられもない姿をさらす係、もう一人は宋から借りたバイブのスイッチを入れて、もう一人はすでに服を脱いでパンツ一丁でスタンバっていた。


 豚1「早くやろうぜ。」


 豚2「たまらねえぜ。」


 豚3「やったぜ。」


 などと口々に気持ち悪いセリフを吐きながら、ナンバー2の娘に迫っていった。


 「いや・・・・誰か助けて・・・。」


 『ジョドオン!!』

 

 豚3「ブヒイッ!!」


 突然、青白い光の弾のようなものがドアを突き破り、浮浪者のおっさんにあたって爆発した。


 残った二人のおっさんが驚いて後ろを振り向くと、岩原がパワードスーツに装備されている小型の粒子砲を構えていた。

 

 「やっと見つけたぜ!宋美鈴!!」


 「ちいっ!」


 宋は、山西17式拳銃を取り出すと縛られて抵抗できない彼女に銃口を突き付けた。

 

 「動くな!こいつがどうなってもいいのか!?」


 だが、そこは死神の弾丸。一ミリでもずれたら、娘も巻き添えになりかねないギリギリのところに、照準を少しずつ合わせて粒子砲を放った。

 

 見事、岩原の粒子砲はトロワ族の娘の横を掠め飛び、宋の右腕を吹き飛ばした。


 「啊啊啊!!我没有手臂!我没有手臂!(アアアー!腕がない!腕がないーっ!)」


 あまりの痛さに、宋は血しぶきをまき散らしながら転げまわっていた。


 しかも、先程の攻撃で娘を縛っていた縄が切れて彼女は自由の身になれた。


 「あ、ありがとうございます。」


 娘は、嬉しそうに駆け寄ると顔を赤くしながら抱き着いてきた。


 岩原は、少し勢いによろけながらもしっかりと娘を抱き寄せた。


 もちろん、これを快く思わないものもいた。そう、浮浪者のおっさんたちだ。


 豚1「日本人め!いつもおいしいところだけ持っていきやがって!」


 豚2「やろうぶっ殺してやるーっ!」


 豚1は、先程の騒ぎで転がっていた山西17式を、豚2は、自分のカバンからサバイバルナイフを取り出すと岩原に向かって奇声を上げながら走ってきた。


 だが、足があまりにも遅いので拳銃を持っている方を注視しながらも、軽くいなして豚2に人間の約五十倍もの威力のある空手チョップをくらわした。


 「あべしんぞうっ!!」


 情けない声を出しながら、彼は脊髄をやられて絶命した。


 そして、そいつから拳銃を奪い取ると、慣れた手つきで再び突進してきた豚1の脳天を撃ちぬいた。


 「カシラニクっ!」


 彼もまた、奇妙な断末魔の悲鳴を挙げながら絶命した。


 「ウッグ・・・。」


 宋は、痛みに耐えながらも車から持ち込んだ鞄を窓ガラスのところまで持っていった。


 岩原が気づいたときには、すでに鞄を開いた後だった。


 「フフフ・・・残念だったな岩原君。もう終わりだよこの国も・・・そして、お前も。」


 岩原は、トロワ族の娘を自分の後ろに立たせて粒子砲を宋に定めた。


 「こいつは、察していると思うが爆弾のリモコンだ。このボタンを押せば金門橋はドーンだ!そして、日本の警察や政府は国民を助けられなかった無能の烙印を押され、日本人を憎んだ宇宙人からも攻められる。それで初めて、私達の無念も晴らせるって訳だ!ハハハハ!!」


 「なるほど・・・そのためにアメリカ最大のギャング集団の派閥争いを利用したのか・・・。ずいぶん回りくどいことをするもんだね。」


 「力がない私たちが、勝利をつかみ取るためならなんだってするさ・・・さあ!おしゃべりはここまでだ!娘と民間人、どちらから先に救うのかな~。」


 言葉に違和感を持った岩原がふと後ろを振り向くと、なんとそこには、先程の大柄の男性がトロワ族の娘を捕らえていた。


 「んーっ!んーっ!」


 気づかなかったのは、恐らく彼が気配を消す魔法を自分とトロワ族の娘にかけていたのだろう。


 「チクショー!!」


 岩原の叫び声と宋の笑い声が廃墟のビルにこだました。


次回は、いよいよ最終話です。トロワ族の娘、ゴリラ人間、そして金門橋の人質はどうなるのか?


お楽しみに!(*'ω'*)


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