↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神血のヴァルキュリヤ  作者: 和太鼓
17/20

十七話 夜道

「今日はなんだか静かね……」

「そうですね……」


もうすぐ都に入る、そんな時になっても『モノ』は現れなかった。


「いつもなら一匹か二匹は現れるのにね。まあ、こっちの方が楽だし良いけど」

「……」


嬉しそうな声を上げる流理とは対照的に、守世は明らかにテンションが低い。


「ちょっとちょっと、どうしたのよ? なんかテンション低いじゃない」


流理が心配げに声をかけたところで、思わず回線を開く。


(おい! 守世! そんなんじゃ怪しまれるぞ!」

(え、あっ! うん……)

(とりあえず何か言っておけ。それで気づいたことは後で二人で考えよう)

(わかりました)


無人運転車両の中で唇を噛む。

守世の任務が気になる、と上栄に伝えると貸し出してくれた車両は非常に隠密能力が高いものだった。

百メートル程の距離があれば流理にも捕捉されないほどだが、代わりにこちらからも流理を観察しにくい。

そのため、近くにいる守世の役目が高いのだが……。


「どうみても様子がおかしいよなぁ……」


いつもはタメ口でいいと言っても頑なに敬語を使う守世が、「うん」という生返事。

何かがあったのか、それとも実戦で力を試すことが出来ず落ち込んでいるのか。

どちらにせよ少し心配だ。


「あ、わかった。守世! あんた泰護の事気にしてるんでしょ」

「ひゃっ!?」


突然閃いたように大声をあげる流理。

守世はびっくりしたのか、変な声を出しながら固まっていた。


「昨日の告白されたって話でしょ? そりゃあ悩むよねぇ」

「ま、まぁ……」

「でもあんたもあんたよ! 女ならこういうことくらいピシッと決めなさい! 悩むのも分かるけどね」


先輩らしいことを言う流理。

粗野で乱暴な物言いだが、その言葉の端からは優しさが滲み出ている。


「っと、こんなこと言ってる間に都に着いちゃったわね」

「珍しく『モノ』に遭遇しませんでしたね」

「そーね! おかげで早く帰れる」


二人が規定の位置で供物を見送りすぐそばの建物に入っていったところで、僕は双眼鏡を下ろす。

流石に屋内に入られては車内からの観察はできない。


「いよぉおっし! 今日の任務終わり! か〜えろかえろっ!」


いつもに増してテンションの高い流理が、『迅雷』を触り始めたようだ。


「トラさんですか?」

「う、うるさいわね! ほっといてよ!」

「お熱いことで」

「うっさい!」


流理が少し膨れてそっぽを向いている間に、守世がこちらに回線を回してきた。


(私たちは転移装置で先に帰ります)

(じゃあ、僕らも帰るよ。気をつけて)

(はい。お気をつけて)


転移装置。

具体的なシステムは分からないが、とてつもないエネルギーを用いることで任意の場所に任意のものを表出するシステムらしい。

必要なエネルギーが莫大な事と歪めた時空間を通ることに耐えるだけの強靭な肉体が必要なため、一般社会には流通していない代物なのだとか。

神の加護を受ける彼女達が使える事を羨ましく思いながら車を進める。


「今は、八時か……」


この車を上栄のいる神社に返してから錦家に帰るまで三十分ほど。


「お好み焼き、早く食べたいな」


待たせてしまうことを申し訳なく思いながら車を進める。


「安全運転で、早く帰ろう」


すぐ先の事を考えているうちに僕を乗せた車は、守世のいる建物から150メートルを越えてさらに走り続ける。

ここまでくるともう通信はできない。

僕の想いは彼女に届かないし、彼女の想いも僕には届かない。

150メートルを越えると互いの力は干渉せず、神器での通信も届かないのだ。

互いの力が作用しないということは、当然守世の力が強化されることもない。


「まあ、僕が近くにいることでどれだけ守世が強くなれるのかは分からないけどなぁ」


今のままでも十分強いし、と一人ごちる。


「街灯がないと真っ暗だな……」


進む先は真っ暗な夜道が延々と続いている。

流石に一人でこの暗さは怖い。

暗闇の中を、僕は少しの不安を抱えながら静かに進んでいった。

短っ!


お読みいただきありがとうございます。

夜道はとっても怖い和太鼓です。

最近、機動戦士ガ○ダム・鉄○のオルファンズを見返しました。

ネタにされてるけど名作ですよね。

これから毎日更新できるようにします。

タカキも頑張ってるし、俺も頑張らないと!

本編が短かったので後書きが長くなりましたが、これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。