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ボビーの行方

7時過ぎにホテルのベッドで目を覚ますと

亮の右隣にマギーが寝ていた。

「ん?マギー!」

亮はなぜマギーが隣に寝ていたか記憶が無かった。

そして反対側には小妹が寝ていた。


「わあ、二人ともどうした?」

亮が叫ぶと

「うるさいなあ、寝たばかりじゃない」

小妹が毛布をかぶった。

「マギーいつこの部屋に?」

亮はベッドから降りてマギーに聞いた。


「3時に解散して私たち寝る部屋がなかったのよ」

「そうか・・・わかりました僕はみんなと

約束があるから食事に行きます」

「そうね、夜中に亮が何を

やっていたか誰も知らないわね」

マギーがクスッと笑った。


「はい、知られたら困ります。

僕はビジネスマンですから。

小妹寝ていていいよ」

亮が支度をして奈々子達が泊まっている

ハイアットホテルに向かおうとしていた。


「私も行くわ」

マギーが亮の後を付いてきた。

「もう少し休んでいて良いですよ。

マシュー達もいるし」

亮は自分に危険が無いと思って、

マギーを休ませてあげたかった。


そこにチャイムが鳴りマシューがドアの前に立っていた。

「おはようございます。亮さん・・・」

マシューの話し方が前日に比べて妙に丁寧だった。

「おはようございます。マシュー、イーサン」


亮が挨拶でマシューと目を合わせると

マシューは一瞬目を伏せ

それに気づいた亮はマシューに聞いた。

「マシューどうしました?」

「いいや」

マシューは恥ずかしそうにそれを否定した。


「おはようございます。マギー」

イーサンがマギーに恥ずかしそうに挨拶をした。

「おはようございます。イーサン」

昨日と違って何かオドオドしている

マシューとイーサンが運転する車に

乗り込むとすぐに亮がマギーに聞いた。


「マギー、メキシコの女性たちはどうなりました?」

「DEAが彼女たちの身の安全を

保障して聴取する事になったわ」

「なるほど、ゴメスの悪行を立件する訳ですね」

「ええ、不法な聴取が無いように蓮華と

桃華が彼女たちの傍に付いている」


亮が考える事を予想したかのようにマギーは段取り良く

蓮華と桃華に指示をしていた。

「え、ええ」

亮がそれに驚いているとマギーが亮の脇腹を肘で突いた。

「そうだ亮、仕事が終わったら

私に話すことがあったわよね」


「ああ、そうだった」

亮が言い難そうにすると

「何よ、早く言って」

マギーと亮の会話が気になったらしくマシューは横目で

後ろを見て、運転していたイーサンは

ミラーで亮とマギーの顔を見ていた。


「実はマギー。僕の妹になりませんか?」

亮は日本語で言った。

「妹!」

亮の突然の言葉にマギーは驚きを隠せなかった。

「はい、團家の養女に。團・マーガレット

として日本人として一緒に生活をしてほしい

残念ながら両親の遺産相続の方は出来ないけど」


マギーは暗鬼を辞めるために

死亡扱いにされ身分を明かすものが

何も無くなり

亮はその為にマギーに戸籍を作る事を考えた。

「ううん、遺産相続なんていらないわ、

亮と家族になれるなんてうれしい」

「じゃあ、良いんですね」


「はい、よろしくお願いします。お兄さん」

マギーが頭を下げると二人の声を聞いていた

マシューとイーサンがニコニコと笑った。

「イーサンよかったな」

マギーに恋をしているイーサンは

マギーに正式に交際を申し込める

思ったマシューはイーサンに小声で話した。


「うん」

イーサンは顔をほころばせ運転をしていた。

「イーサン、ボビーとブラウンの行方は分かりましたか?」

亮は嬉しそうに笑っているイーサンに話しかけた。

「あ、はい。ボビーが盗んだヘリコプターは

ニューヨークから南に200キロ離れた

ニュージャージー州のアトランティックシティで

見つかりました」


「では、そこから船に乗ったんでしょうね」

「はい、おそらく」

イーサンはボビーとブラウンがどこへ

逃げて何をしようとしているか

想像もつかなかった。


「彼らを加護している黒幕が居るはずです」

「はい、CIAも動き出しました」

マシューが後ろを向いて亮に敬語で答えた。

「CIAですかさすがアメリカ合衆国ですね。

映画みたいだ」


亮はCIAと聞いて映画の世界を思い浮かべていた。

「何を言っているんです。

もう映画の世界に入っていますよ。

 五十人の謎の男たちを連れて悪名高い

マフィアの家に乗り込むなんて

あなたはヒーローだ。CIAも敵わない」


マシューの熱のこもった答えは亮と会って

から数日しかたっていない自分が

亮の虜になっている事の表れだった。

「ありがとう、マシュー」

亮は静かに答えた。


「おはようございます」

亮はホテルに着くとラウンジにいた

倉沢親子と上原に挨拶をした。

「おはよう、團君やっと起きたか」

「はい?」

倉沢栄三郎が微笑むと亮は意味が解らず聞き返した。


「昨日、一緒に飲もうと思って電話をしていたんだ」

「ああそうですか。ちょっと疲れていて、すみません」

倉沢栄三郎と上原に深々と頭を下げて謝った。


「うん、そんな事だろうと思っていたよ。

実はハーバード大学の祐希君たち

 に技術公開を説得されているんだよ。

世界の人々の役に立てと」


「倉沢さんは僕の差し金じゃないかと

疑っているんじゃないですか?」

「まあ、そこまでは言っていないが・・・」

「はい、僕の差し金です」

亮はニヤッと笑った。


「あはは・・・君は中々の策略家だ」

栄三郎は大声で笑った。

「世界一優秀な大学の学生を信じて

彼らにやらせてみませんか。

 倉沢さんに決して不利益にならないはずです」

「うん、君が彼らを指導してくれるなら協力する」

亮の願いに倉沢は納得して協力を約束し握手をした。


「亮君、早速仕事の話なんだが。

ここフェニックスに連絡事務所と

アパートを借りなければならない」

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