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砂漠のバトル

「僕とジェニファーでサーチライトを全部破壊する。

その間に右端から2番目の車と車の間が2.5メートル

開いているそこを抜けて行け」

「了解」


そこに無線から声が聞こえた。

「1番準備完了」

「2番準備完了」

「3番準備完了」

「・・・10番準備完了」

「OK、サーチライトが消えると同時に攻撃開始」

亮が声を出した。


「ジェニファー、10秒でサーチライトを

破壊する。いいか?」

「もちろん良いわよ」

ジェニファーは亮と初めて銃の腕競べをするのが

うれしかった。


「小妹、運転できるか?」

「当たり前よ、ただ運転免許がないだけ」

「OK、じゃあ前の車が動き出したらついて行け」

「えっ、亮たちは?」

小妹は不安そうな顔をして亮の顔を見た。


「大丈夫だ、小妹。後は任せろ」

亮とジェニファーはゴメスの子分たちが

先頭の関龍が運転する車に近づこうとしていると

車から静かに降りた。


「行くぞ!ジェニファー」

亮とジェニファーはサーチライトを

狙ってライフルを撃ちだした。

亮とジェニファーが次々に9基の

サーチライトを破壊すると


「だめ、死角なっているから撃てない」

「3つ数えたら出来るだけ近い所に向かって撃て」

「うん」

「3.2.1」

二人が同時に撃つと最後の一基の

ライトが消えた。


「どうやったの?亮」

「うん、途中で弾丸同士をぶつけた」

「ぶつけた!秒速800mの弾丸を!」

「そんなところ」

ゴメスの子分たち驚いて周りを見渡し

弾丸が発射された方向を見た。


亮とジェニファーは左に回り2号線に止まっている

ゴメスの手下の車のライトを

狙って撃つと地面から黒いシートをかぶって

地面に伏せていた男が次々に立ち上がり

車から降りていた男達めがけて発砲を始めた。


関龍はそのタイミングで車をスタートさせ右

から2台目の車の間を通り抜けて行き

ゴメスの手下の車のライトは次々に

破壊され暗闇の中を暗鬼たちが

運転する車は国境に向かって走って行った。


しばらく暗闇の激しい打ち合いが続き、

辺りをペイン弾で撃たれ痛みで

転がっている男たちを亮が確認すると

「全員、攻撃終了。国境に向かって走れ!」


暗鬼の十人が2号線を越えて走り出すと

「亮」

ジェニファーは苦しそうな亮の足を掴んだ。

「ジェニファー、どうした?」

「足、撃たれたみたい」


ジェニファーのミニスカートの

太腿から大量の血が流れ出していた。

亮は布でジェニファーの太腿をきつく

縛って止血をすると

アドレナリン注射を打ちジェニファーに言った。


「ジェニファー悪かった。ミニスカートの

まま戦わせてしまった」

亮は自分たちが着ていた黒いボディスーツを

ジェニファーに着せていれば

怪我をさせずに済んでいたと後悔した。


「跳弾よ、あの岩の」

「そうみたいだ、傷口が大きい」

亮はジェニファーの失血の多さが気になった。

それは跳弾で弾丸がつぶれジェニファーの太腿に

当たり大腿骨の近くで止まっている

可能性が有ったからだった。


まだ2号線を越えていない亮はジェニファーを背負うとした。

「待って亮、私を置いて行って」

「ジェニファーダメだよ。君を置いていけない」

女一人残したらジェニファーは嬲り者になる事が

分かっており、亮は首を横に振って

ジェニファーを抱き上げた。


「待ってそれなら私と向かい合ってだっこして」

「えっ?駅弁スタイル?」

亮は自分で言って赤面した。

「何?駅弁スタイルって・・・やだ

何を考えているの、こんな時に。

 あなたの後ろから来る敵を撃つためよ」

亮はロープを2本にしてジェニファーの

ヒップと背中にかけて自分の腰に縛った。


「これで良いかな?」

「OK、亮」

ジェニファー両手に銃を持つと

亮の首に手を回しキスをした。

「行くぞ!」

亮は2号線に飛び出すとそれを横切ろうとした

「いたぞ!」

メキシコ語が聞こえると銃声が聞こえ

「バシッ、バシッ」

と銃弾が地面に当たる音が聞こえた。


「まだ、いたか」

「ええ、ペイン弾はボディアーマーを着て

完全武装されると効果が無いからね」

「それはわかっています」

亮は人を殺さないという信念が仲間に

迷惑をかけている事を重々承知していた。


ゴメスの手下は懐中電灯の明かりで亮を狙い打ちし

亮はサボテンの生えた傍の岩の陰に隠れ

身動きが取れなかった。

「万事休すか・・・」

亮は大きくため息をついた。

「亮、もう降参?」


「いや、原点から始める」

亮はジェニファーを自分に括り付けていたロープを外し

ジェニファーを車のタイヤに寄りかからせた。

「ジェニファー、こっちへ敵が来たら撃っていい」

亮はジェニファーに本物のピストルコルトガバメントを渡した。


「良いの?撃ち殺しても」

「ええ、ジェニファーの命が大切ですから」

亮は特殊警棒を伸ばし2本持って立ち上がった。

「それで敵と戦えるの?」


「暗闇が僕の味方です」

亮は先ほどの敵の発砲で暗闇では

相打ちを避けるためにむやみに発砲できない事を

知っている連中だと分かっていた。


亮は暗視目薬を目に点すと強く目を

つぶって目を開いた。

「よっし!」

亮は暗闇で見えるようになった目で

声の聞こえる方に向かって

気配を消して歩き2号線の車列の真ん中で

集まっている男たちを見つけた。


「五人か・・・」

亮は独り言を言うと車の間をすり抜け

流れるように音を立てず男たちの

首筋に特殊警棒を当てて行くと

五人の男たちは一瞬で倒れて行った。

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