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待ち伏せ

車の後ろに弾が当たる音が運転席の亮の耳に聞こえた。

「小妹、あと何キロだ?」

「後1000メートル」

小妹が言うとジェニファーは後ろから来る

車のラジエターを狙って撃つとまた

車が砂漠の中に突っ込んで行った。


「やった!」

小妹は拍手をしてモニターを見て言った。

「亮、あと100m」

「了解、通過したらスイッチを入れろ」

「ほい!」

亮の車がモニターのラインを越えると

小妹がスイッチを入れた。


すると地面に置いてあった黒い箱が

「ゴツン」と音を立てて自分たちの

車に張り付き

追跡している合計3台の車に張り付いた。


「装着したよ、亮!」

「小妹、Cオープン」

「Cオープン了解」

小妹がボタンを押すと箱が開き

マキビシがガラガラと道路に落ち

後ろから来た車にマキビシが突き刺

さってタイヤをパンクさせた。


「小妹、AB合体」

小妹がスイッチを入れるとすぐ後ろと

その後ろに付いていた車が

強力な磁力で横に並んでくっついて離れなくなり

コントロールを失った。


「亮、成功!」

小妹が車の中で飛び上がった。

「小妹、後ろから何台来る」

「ここから見えるのは後2台だよ。

でも警戒して近づいて来ないよ」

小妹が運転している亮の耳元に嬉しそうに

言うと亮が首を傾げた。


「変だなあ、あれだけの組織のボスが連れ

去られたのに追手が少なすぎる」

「ええ、私の掴んだFBIの情報だと

子分は二百人以上はいるはずよ」

ジェニファーが言うと亮はあと

百人近いゴメスの子分が

何処かに隠れているような気がした。


「じゃあ、国境の手前のソノイタで

待ち伏せをしているのかもしれない。

小妹パラシュートで先乗りした

隊員は今何処にいる?」

「道路沿いの安全を確保しながら

ソノイタに移動中よ」

「了解」


亮はロビンに連絡をした。

「ロビン、ゴメスの拠点は他にどこにある」

「ソノイタから西に200キロ離れた

サン・ルイス・リオ・コロラド

 にもゴメスの大きな事務所がある」


それを聞いていたジェニファーは、

FBIの仲間ジョセフは

サン・ルイス・リオ・コロラドで

殺された事を思い出した。


「200キロから子分たちが到着する頃には

我々は国境を出ているから大丈夫ですよ」

ロビンが言うと亮はそれを否定した。

「ううん、国境の町セロ・プリエト、アクア・ドゥルセ、

ロス・ビドリオスにも子分がいるわ」

「そこからなら、もう到着しているはずだよ」

小妹が地図を見て言うと亮は先頭を

走っている関龍に無線で言った。


「関龍、ソノイタは危険だ!ゴメスの子分が

待ち伏せをしている可能性がある」

「私もそう思いました。追ってくる敵が少なすぎる。

 別ルートを通った方が良いのでは」

関龍は前もって隊員を配置していたにも関わらず

あまりにもあっけないので不思議に思っていた。


「ええ、しかもこの麻薬を積んで堂々と

検問所を通れませんからね、

 ちょっと待ってください」

「了解」

亮たちの車の隊列はスピードを少し落としながら走っていた。

「ロビン、調べて欲しい事がある?」

亮はまたロビンに電話をかけて頼んだ。


「今度は何だ?」

ロビンの声は今度は何かとワクワクしていた。

「今メキシコの8号線をソノイタ手前20キロの

所をに向かって走っているんだが

 ここから一番国境までの車が走る事の出来る

砂漠の最短距離を出してくれ」

「ああ、わかった。砂漠の道なんてちょっと

外れたら砂に埋まって走れなくなるぞ」


ロビンが難しそうな声で返事をすると

「ロビン、砂漠の中に獣道があるはずだ、

それにこの車はラウンドクルーザーだ」

「獣道か・・・わかった。」

ロビンは地質調査衛星から通常のカメラ、

赤外線カメラ、地質分析を方法を変えながら

モニターを見ていると何本かの道が現れた。


「亮見つかったぞ!石油探掘カメラで砂の中に

ゴムやオイルが混じった

 道が砂漠の中にあった。データをGPSに送る」

「ありがとうロビン」

「いや、本当に麻薬道があったんだな、驚いたよ」


ダウンロードが終わったGPSに地図が出た。

「セロ・プリエトとアクア・ドゥルセの

間を抜けて川を渡るのね」

後ろからGPSを覗いていた小妹が言った。


「関龍、行くぞ!」

「了解」

亮のかけ声で車列は関龍を先頭に右にハンドルを切り

砂漠の中に入って行き

後ろから来た追手の2台の車も慌てて

砂漠の中に入って行った。


「全員暗視メガネ着装、ライトを消せ!」

亮の命令通り運転手全員がライトを消して

暗闇の中を走り出した。

「わはは、道路がはっきり見える」

長年密輸に使われ固められてきた道路は

真っ白に浮き上がりライトを付けている時より

運転しやすく車列はスピードを上げる事が出来た。


追手の敵の車2台は突然視界から消えた車列を追って

走り出すと砂の中にタイヤを落とし空回りさせていた。

「やったー、2台とも砂の中に埋れている」

小妹は手を挙げた。


一行は川を越えると国境まで2kmの位置まで来た

「関龍、2号線を越えたら150メートルで国境だ」

「了解」


そしてしばらくすると目の前が車の屋根の上に取り付けた

サーチライトで明るくなり

亮の前の車が次々に止まった。

その先には10台以上の車が横を向きそこから

機関銃が銃身を向けていた。

「ボスを返してもらおう」

拡声器から声が聞こえた。


「関龍、やつらはいきなり発砲をしてゴメスを

死なせる訳にはいかないからすぐに攻撃をしてこない。

ゴメスの乗っている車を探しに来るはずだ」

「そうですね」


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