スチュアート生還
「デビッド来ましたよ」
亮が指差すとスチュワートがヘリコプターから降りてきて
真っ先に亮の所へ来てハグした。
「亮、また君に助けられたな」
「無事で何よりです」
「エグゼクティブでデザートと言うのは民間機で
砂漠へ来いと言う意味だったな」
「はい、でも空軍の飛行機が落ちてしまって犠牲者が・・・」
「ああ、あれは偽のニュースだ、
彼女たちが捕まえたボビーの話で
燃料を調べたら液体爆弾が仕掛けてあったよ」
スチュアートはマギーとジェニファーを指差した。
ホテルの会議室に
スチュアートと集まった人間がそれぞれ
自己紹介をして挨拶を終えると
スチュアートはにこやかに亮に聞いた。
「さて、ここでの計画を聞かせて貰おう」
「はい」
それぞれの者が場所と設計を確認し
ホテルハイアットの会議室に移動しようとすると
「亮!亮!」
祐希が亮の腕を掴んだ。
「ねえ、凄い人ばかりじゃない」
「ええ、ちゃんとしたビジネスですから」
「そうよね、うんうん」
祐希が自分で納得した。
「ザックとケンが感動しているよ」
「それは良いですね、感動は大切です」
亮は学生時代色々な人と会って自分を変えて
行った経験から
祐希が興奮しているのがうれしかった。
「亮、私たち本気でやるからね」
祐希はザックとケンの二人の肩を叩いて言った。
「飲み水は人間が生きていくための根本なんです
本当にみんなが飲みたい飲み物を作って欲しい」
亮は自分がサフラン入りのイエローライスボールを
開発した事を懐かしく思っていた。
(エピソード0参照)
「はい」
「アフリカの子供たちは泥水を飲んで生きている為に
病気が絶えないんだ。だから君たちが作ったドリンクの
売り上げの一部でアフリカに井戸を掘って
透明な水を供給しよう」
「そんな事を考えているんですか?」
ザックが驚いて亮に聞いた。
「もちろん、あそこにいる倉沢栄三郎さんは
水に関しては世界的な権威なんです、
彼から学んでください」
亮は海外に技術提供を嫌がっている栄三郎に三人を使って
協力を得て欲しかった。
「亮、私の車で行こう」
ラルフ・スチュアートは亮の肩を叩いた。
「はい」
二人が後部座席に乗るとさっそく
亮がラルフに聞いた。
「どうしてラルフと我々は命を狙われたんですか?」
「うん、私が命の狙われたのはここでの
プロジェクトを妨害するためだろう、
おそらく産油国かメジャー6社にかかわる企業
それともロシアの企業かもしれないな。
そしてもう一つ麻薬取締局DEAの話だが、
この土地が麻薬の取引に使われていたらしい」
「なるほど、でもメジャーが警告もせず
いきなり殺人を依頼するでしょうか?
このままではずっと妨害を受けますね」
亮は事あるごとにこの地で妨害を受けていたら
せっかくビジネスが失敗すると思った。
「ああ、確かにそうなんだが・・・
万が一メジャーの圧力だったら
デビッドと話をしてメジャーに
D&Rに資本参加させるか、
何らか和解の話をしなくてはならない」
「ええ、ラルフやデビッドには
死んでもらっては困ります」
亮がラルフとデビッドを気遣って言うと
「何を言っているんだ。命を狙われているのは
君もじゃないか。捕まったハリーとボビーは
黙秘を続けているがかなり君を恨んでいたようだ。
何かあったのか?」
「ええ実は、僕が彼らの日本での
テロの妨害をしたんです」
「ほほう、なかなかやるな亮」
ラルフは増々亮の事が好きになった。
「ありがとうございます」
「亮、君は一体何者なんだ?」
ラルフは改めて普通の日本人のはずの亮が
何者が解らなくなっていた。
「僕は普通の人間ですけど・・・」
「普通のなあ・・・」
ラルフは映画に出てくる科学者と言う
博士が何でも作ってしまう嘘みたいな
話がまさに亮のような気がしていた。
「亮、今度君とゆっくり話したしたいものだ」
「はい、ところで、さっきミサイルが
発射されたようですが」
「うん、一台外れて逃げた車に
ミサイルを発射したようだ」
「外れた車?・・・・」
亮は自分を追っていた車の一台を思い浮かべていた。
ハイアットホテルに着いた亮の所に
マシューが駆け寄った。
「亮、エリックはどうやら死んだようだ」
「やはりあの爆発ですね」
亮の予想は当たっていた。
「ああ、今死体を回収中だそうだ」
マシューに話を聞いた亮はエリックへの依頼者を
知る事が出来ずショックだった。
「依頼者が聞き出せなくて残念です」
「しょうがない、でもハリーはDHSが
ボビーはFBIが身柄を確保をしているから
二人から聞き出そう」
「そうですね」
亮はそう言いながら仲間のメキシコ支部のジョセフを
殺されたジェニファーの無念さを思った。
~~~~~
ハリーはニューヨークセントラル病院で
2時間の手術が終わり
5階の特別室に運ばれて寝ていた。
「手術は無事終わりバイタルは安定しています。
あと5時間で目が覚めます」
医師はドアの外にいるDHSの男に伝えた。
「わかりました」
DHSの男はうなずいてドアの脇にある椅子に座った。
そして間もなく病室が爆発音がしドアから白い煙が噴き出し
焦げるにおいがした。
~~~~~
亮は上原が持ってきた設計図に基づき
バイオ燃料の工場とボトリング工場を中心に
リゾートを作る事を提案した。
「リゾートを作る?」
亮の突然の提案にみんなが驚いていた。
「はい、バイオ燃料の原料の緑藻のカスを
砂漠の砂に混ぜて栄養分を増やして植物を
植え緑化していきます、もちろんそこに
バイオ燃料の原料のハゼの木やパームヤシを
植えて行きます」




