亮の思惑
コリーンがステーキを焼き終えてテーブルに
持ってくると
「ねえ、兄さん。千沙子さんにアルバイト料の
前借頼んでみる。
だから悪い事を考えないで」
「ここのアルバイト料いくらだ?」
「100ドルだけど」
「ふっ、じゃあ100回分だ」
エドは鼻で笑った。
「そんな・・・無理よ」
コリーンが悲しそうな顔をすると
ステーキを食べ終わったエドは立ち上り
元尚子の部屋に向かった。
「兄さん止めて人の家よ」
「うるさい」
エドはコリーンの声を無視して寝室に入ろうとして
コリーンを投げ飛ばした。
「兄さん・・・」
コリーンは兄の行動を恥じ倒れながら涙を流した。
部屋を開けて最初にエドの目に入ったのは
壁の絵画だった
「普通この裏に金庫が有るんだ」
エドは絵画をずらすとそこに金庫が見えた。
「これどうやって開けるんだ?」
エド金庫を触っているとエドのスマフォが鳴り
尚子の部屋を出てリビングに行った。
「おいこの野郎、いつまで待たせるんだ!」
男からの電話で怒鳴り声が聞こえると
「すみません」
エドは恐怖で声が震えた。
「家捜し(やさがし)なら俺たちも手伝うぞ!」
「そう言うんじゃなくて」
エドは返事に困って言い訳をした。
「実は金庫を見つけたんですけど、鍵を開けられなくて」
「じゃあ、鍵師を連れていまからそっちへ行くぞ!」
男達はすぐにでも部屋に入り込むつもりだった。
「ま、待ってください。このマンションはガードが厳しくて
あんた達のような人相の悪い人間は入れません」
エドは男たちの競る気持ちを抑えた。
「ふざけるな!こんなマンション簡単に入れる。
着いたらドアを開けるんだ。さもないと、
お前とお前の妹も殺す!」
「わ、わかりました」
エドが電話を切ると大声を出した。
「コリーン、部屋を出るんだ」
「どうしたの?兄さん」
「奴らが来る」
「お兄さん奴らを中に入れるの?」
コリーンは自分の兄が悪い奴らの仲間になったかと
驚きそして悲しんだ。
「違う、最初はここの金を盗もうと思ったが
お前の涙を見て自分が恥ずかしくなった」
そう言ってエドはポケットからナイフを取り出した。
「お兄さん、警察に連絡をしようよ」
「それより早くこの部屋から出ろ。
それから警察と家主に連絡をするんだ。早く!」
エドは必死になってコリーンを部屋から押し出し
「ここは俺が護るからな、コリーン」
~~~~~
マンションの地下駐車場に入る
黒いキャディラックの前に黒人の男が
突然飛び出し車にぶつかった。
「大丈夫ですか?」
運転していた男が車から降りるとその背中に
ピストルを突き付けられた。
「我々を車に乗せてもらおうか」
「は、はい」
運転していた男は両手を挙げた。
このマンションは駐車場で住人のチェックを
するためにフロントを通らずに
地下駐車場から部屋へ行く
エレベーターに乗る事ができた。
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慌ててマンションの外に飛び出したコリーンは
突然後ろから肩を抑えられ
「キャー」
悲鳴を上げた。
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「今日はお酒を飲んでいるので、
明日エンジェルさんの治療をしましょうか」
「ありがとうございます」
エンジェルはすっかり亮を信頼していた。
「キャシー」
亮はキャシーの脇に座って、耳元でささやいた。
「なあに?」
「アラスカの土地はどうなっていますか?」
「言われた通り確保してあるわ」
「どれくらい?」
「100haだけど・・・」
「ディズニーリゾートと同じくらいか・・・了解です」
「それでこの土地どうするの?」
「売るんです」
亮があっさりと言うと
「誰に?」
「アメリカ合衆国です」
亮がキャシーの耳元でささやいた。
「えっ、嘘!」
キャシーが驚きながら声を上げると
亮は小声でドライアイス
プロジェクトの話をした。
亮はなぜ二酸化炭素取引プロジェクトを進めるかと言うと
日本が京都議定書に基づき1兆円を馬鹿正直払っていた
事を憂い、二酸化炭素大量排出国のロシアと中国と共に
そのプロジェクト推進して地球の温暖化を止めて欲しかった。
「キャシー、これでランド不動産の株価が上がりますね」
「うれしい、またビルが買えるわ」
「今度はぜひ日本にビルを買ってください」
「もちろんそのつもり、そうすれば
日本で亮に会えるもの。うふふ」
キャシーがブロンドのショートカットの
髪をなびかせると
「さてこの話、どのタイミングで話をしようかな」
大統領がブロジェクトを発表すれば
関連企業の株価も上がるので
仲間はそれに投資して大儲けできるが
それまで秘密保持できるか不安だった。
「亮がみんなに黙って金を
出せって言えばいいじゃない」
キャシーが亮の耳元でささやいた。
「そんな事できませんよ」
亮が言うとそこにローガンから
電話がかかってきて席を外した。
「ミスター・ダン書類の方は順調で月曜日に
議会には提出するか大統領令(Executive order)
を発令するか検討しています」
「ご報告ありがとうございます」
「それでお忙しいと思いますが、
わからない所が数か所ありますので
明朝9時、私とエマが参りますので
ミーティングの時間をいただけますか?」
「わかりました」
「それと先日話をしていた土地の用意は?」
「はい、100ha確保しました」




