表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/138

射撃

「何だって、フロントガラスが割れているのか!」

スミスは驚きの声を上げた。


「ええ、残念ながら」

亮の額から血が滴り落ち目のコックピット内に入ってくる

風がその赤い物を後ろに飛ばしていた。


「わかった、何とかしよう、ただ液体窒素を吹き付けても

 温度が上がったら爆発は抑えられないぞ」

「分かっています。以前爆弾処理の

研修を受けた事がありますから」

亮にとっては着陸の時のショックでの爆発を抑えて

コックピットの計器が壊れないようにしたかっただけだった。


~~~~~

「亮、オートパイロットのチェックが終わった」

ロビンが亮に無線で話しかけてきた。

「どうでしたか?」

「一応大丈夫だ。オートパイロットで着陸できる」

「了解、ありがとうロビン」


「いや、後はジェニファーの腕次第だ」

「ええ、ジェニファーが太ももの怪我の

痛みで集中力があるか心配です」  

「彼女もプロだ。信じてやってくれ」

ロビンはまるでジェニファーの上司のような言い方をしたが

それはフレイザーがロビンに言った事の受け売りだった。


「そうですね」

亮はジェニファーが痛みのある状態なら

アドレナリンの分泌が多くて

集中力が増す可能性がある信じたかった。


まもなく亮の目の前にアメリカ軍輸送機が現れ、

その後部からバケツ大の物が

ロープに繋がれ近寄ってきて割れたフロントガラスを

抜けてコックピットに入って来た。


「これで準備OKだ。ジェニファー頼むぞ」

亮はジェニファーを思い浮かべ呟いた。

~~~~~

ジェニファーがヒッカムアメリカ軍に着陸すると

AH-IWスーパーコブラがローターを回して待機していた。

「大丈夫ですか?」

空軍隊員がF/A-18Fを降りるジェニファーに声を掛けた。

「ええ、それでライフルは?」


「はい、言われた通りレミントン

M40A5にM118弾を用意しました」

隊員は足を引きずっているジェニファーに肩を貸した・

「ありがとう」

「しかし、ゴム弾でなくて良いんですか?もし失敗したら・・・」


隊員はたとえ優秀と言われている

ジェニファーでも弾が外れて爆弾に当ったら

7007便は一瞬で墜落しまう事を危惧した。


「大丈夫よ。私はどんな事が有っても亮を救うわ」

ジェニファーの目は近寄りがたい程、真剣な目をしていた。


~~~~~

「亮、状況はどう?」

美咲が心配になって連絡をしてきた。

「ホノルル空港へあと30分で到着します。

ただ左側車輪の上に 爆弾は取り付けられているのが

発見されたので今から爆弾を取る作業をします」


「どうやってするの?」

「平行して飛んでいるヘリコプターから

爆弾をライフルで狙って落とします」

「えっ?そんな事出来るの?」

美咲はとんでもない事に声を上げた。


「ええ、それしか方法がありません」

亮の返事に美咲は自分が何の手伝いも

できないもどかしさに弱弱しい声で答えた。

「分かりました、成功を祈ります」

「ありがとう、美咲さん。また後ほど」

亮の元気な声に美咲はホッとした。


~~~~~

「亮、今ヘリで飛び立ったわ」

ジェニファーの力強い声が聞こえた。

「了解です。足の具合はどうですか?」

「大丈夫よ。それより飛行機の下は気流が

乱れるからゴム弾は使えないので

 M118弾を使うわ」


「そう言うと思っていました。競技用弾ですね」

亮はジェニファーの事を信じきっていた。

「ただ、ストラット(脚柱)に爆弾が

テープで取り付けられているので

 その上の電池ボックスを壊すか

繋いであるコードを切るしかないわ」


「それじゃあ、コードを切るしかないですね。

電池ボックスは当たった瞬間

 に電流が流れる可能性があります」

「そうね、それが良いわね」

ジェニファーはたった0.7mmのコードを

500m先から5秒足らずに

撃つ難しさにため息をついた。


「ジェニファー、コードを切るほうが簡単です」

「えっ?」

簡単に答える亮にジェニファーは首をかしげた。

「コードに弾丸を当てる必要がないからです」

「どういう意味?」

「爆弾のコードに当てずにコードの

横を通過させれば良いんです。

 そうすればライフルの弾丸が作る

真空状態がコードをぶっちぎる」


「そうかそれなら後方から狙えるからもう少し

時間の余裕が出来るわけね」

「はい、その通りです。しかもAH-1W

コブラの最高速度は時速281kmですが。

 高度から落下すれば時速300kmを超えるはずです」

「さすが亮ね」


亮とジェニファーの会話を聞いていたコブラのパイロットは

後部座席のジェニファーに見えるように親指を立てた。


JOL7007便は着陸のために徐々に高度を落とし始め

高度3200フィート(約1000メートル)を飛んでいた。

「ロビン、微妙なコントロールがいるのでオートパイロットを切ります」

亮は無線でロビンに話した。

「おい、大丈夫か?」

「はい。どうにか」


亮はオートパイロットを切りフラップ

(主翼の後翼にある小翼)出し

車輪を下げた。


「亮、7007便をレーダーで確認したわ」

ジェニファーから無線が入った。

「了解」

ジェニファーが乗っているヘリコプターAH-1W

コブラは高度を上げ

落下速度を上げる準備を始めた。


「JOL7007便目視!行くわよ。亮!」

ジェニファーは後部座席のフードを開け

ライフル銃を出した。


ライフル銃をヘリコプターのエッジに固定する

パイロットが声を掛けた。

「行くぞ!ジェニファー」


コブラは降下を始めスピードは時速300kmを超えた。

「ジェニファー気流が乱れれるので7007便の

後方に付けられるのは

せいぜい10秒だ」

「了解、10秒有るだけでありがたいわ」

パイロットにジェニファーは答えた。


時速300kmの風圧はジェニファーの

顔は吹き飛ばされそうに

強く息を吸うことすら難しかった。


「亮、ヒットポイントまで後5秒」

「了解、大丈夫か?ジェニファー」

「大丈夫よ。3」

コブラは7007便の左サイド300mを

通過し下にもぐりこんだ。

「2」

「1」

コブラは車輪の後ろ300mに着けた。


「パーン」

ジェニファーは1発目を撃った。

「修正、後1m」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ