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マギーの存在

マシューは亮に尊敬の念を抱いて褒めると

亮は突然関係のない話をした。

「マシュー去年の8月22日に誰と会って

何を食べたか覚えていますか?」

「いや」

マシューが首を横に振ると

寂しそうに亮は言った。


「僕は覚えています、今朝も言ったように

僕は異常に記憶能力が良いのです。

 だからもし自分の身内が死んだら

永遠に悲しみ続けなくてはならない」

「その記憶は消せないんですか?」


「消えません。だからこの世から悲しい

出来事が無くなって欲しいんです」

亮の応えに周りがしんみりとした。 

「もし、亮の子供がそれを受け継いだら?」


マシューが聴くと

「受け継がないでほしい、天才と持て

囃せられるかも知れないけど

人生楽しい事ばかりじゃないから

平凡な人生を歩んで欲しい」

それが自分の子供に対する本音だった。


「いいなあ、私も亮の子供産みたい」

玲奈がボソッと言うとマギーが

身体を乗り出した。

マシューとイーサンが驚いて玲奈の顔を見た。

「産んじゃえば、亮のあれは元気だから

すぐに妊娠できるわよ」


そう言った千沙子の顔をマシューとイーサンが

もっと目を丸くして見た。

「うふふ、お二人とも驚いているわね」

呆気に取られているマシューとイーサンを見て

千沙子と玲奈とマギーが笑っていた。


「私、まだなんですけど・・・」

マギーが小さな声で言うと玲奈が

驚いた顔をした。

「えっ、亮は巨乳が好きだったわよね」

亮が頭を下げるとマシューとイーサンが

キョロキョロと女性たちを

見渡していた。


「私たち亮のハーレムの女なのよ。うふふ」

「はあ・・・」

千沙子の話にマシューとイーサンがため息をついた。

食事を終えてみんながコーヒーを飲み終えると

「さてシンディたちと打ち合わせの時間よ、

亮シャワーを浴びて着替えて」

千沙子は壁の時計を見て亮に言った。


「了解」

亮が聞くと千沙子はクローゼットに

入って亮のスーツを出すと

「マギーはどこかで洋服を買ってくれる?

さすがにその巨乳が収まる服は

尚子さん持っていなかったみたい」


千沙子が言うとマシューとイーサンが

マギーの胸をジッと見てうなずいた。


亮がシャワーを浴びている間イーサンが玲奈に聞いた。

「下衆な質問ですが亮のハーレムって何人いるんですか?」

「私の知っている限りで十人以上いるはずよ」

「十人以上も!」

イーサン驚きの声を上げ亮をうらやましく思った。


「どうしてそんなにモテるんでしょうか?」

イーサンはボディガードの仕事を忘れ玲奈に聞いた。

「良い男だから」


シャワーを浴び終えた亮はスーツに着替えると

正に洗練されたビジネスマンに見えた。

「ん?マギーも一緒に入っていたのか・・・」

マシューはバスルームから出てきた

亮とマギーを見てつぶやいた。


「さて行きましょうか、姉さん、玲奈さん、マギー」

「はい」


「亮、これからどこへ行くんですか?」

マシューが立ち上がって聞いた。

「タイムズスクエアでニューブランド

スタジオD/NYの打ち合わせです」

「任を解かれた我々には関係がありませんが

会う相手は?」


マシューが警護の事を考えて亮に聞いた。

「ランド不動産社長シンディと

スタジオD/NYの社長です」

「わかりました、我々はあなたをそこでまで

送って行ってワシントンに帰ります」

「ありがとうございました。マシュー、イーサン」

亮は温かい手で二人と握手をした。


亮たちがタイムズスクエアで降りると

マシューとイーサンが車から降りてきた。

「マシュー、イーサン短い間だったけどありがとう」

「こちらこそ、半日で四人も逮捕してしまった。

前代未聞の話だよ」


亮はマシューと握手をしようとすると

マシューとイーサンはいきなり

ハグして亮の背中をトントンと叩いた。

「じゃあ、また」


「亮、何かあったらそのペンを2回ノックしてくれよ、

飛んでくるからな」

イーサンは亮に対してすでに敬語ではなかった。

「そうだ、ジョンと言う男知りませんか?

ジョン・ロックストーン、元ボストン警察の

 S・W・A・Tの隊長です」


「そのジョンなら我々の上司だ、知っているのか?」

亮の質問にマシューが答えた。

「ええ、亮がよろしくと伝えてください」

「了解」

「じゃあ、また」

二人の乗る車が見えなくなるまで亮は観ていた。


「相変わらず涙もろいのね、亮涙が潤んでいるわよ」

玲奈が亮をからかった。

「亮、私のスーツを買いに行きましょう」

マギーがうれしそうに亮と腕を組んだ。


「そういえばマギーは今まで

どうしていたんですか?」

「ああ、亮知っているくせに」

マギーは亮の脇腹を肘で突いた。


~~~~~

10日前。香港の病室では横腹を

撃たれたマギーが寝ていた。

そこに小妹が入ってきて心配そうな

顔でマギーに話しかけた。


「マギー大丈夫?」

「うん、弾がかすっただけよ。ほら」

マギーが横腹に貼ってあるテープを見せた

「マギー、おじいちゃんがこのまま死ねって」


「えっ?」

マギーが趙剛の言った意味が解らず

このままここで殺されるかと身を震わせた。

「マギーがずっと亮を護って

日本にいるなら一度ここで死んで

暗鬼の過去消し去るべきだって」


「そう、どうすれば良いの?」

「サンフランシスコ警察を退職後。ロサンジェルスで

スポーツクラブのインストラクター

その後日本の神戸に来て英語の先生と

言う経歴を作ってくれるそうよ」                                                                           「本当!」

「ええ、暗鬼のマギーは今日で終わりよ」

「でも亮は今から現金の輸送があるんでしょう、

それを手伝いたい」

「そうね、マギーの狙撃手の腕が必要ね。

じゃあ、覆面をして話をしなければいい

じゃない」


「そうね、マイケルなんてどう?」

「うん、いい。その後現金を運ぶ

輸送船に乗って日本に向かって」

「了解」


~~~~~~

グレーのパンツスーツに着替えたマギーと

亮と玲奈と千沙子はキャシー達と待ち合わせの

場所キャシーの会社の会議室へ行った。

全員が揃う前に亮とマギーが話をした。


「そうなると、マギーが船を離れた数時間の

間に現金が無くなった訳か・・・」

「えっ、あのお金が消えたの!」

小妹から話を聞いていなかったマギーに

とってそれは信じられない出来事だった。


「うん、ひょっとしたらコンテナから

お金が入った段ボールを密かに盗み出す

事にあの事件を利用したのかもしれない」

亮が言うとマギーが不安になって言った。


「と言う事は、一文字とジャック・

モーガンが繋かっていると言う事?」

「はい、その可能性は高いです。もし僕が

美喜さんたちを助けなかったら、

 EMP爆弾の爆発を阻止できなかったら・・・」


横須賀周辺の電気は止まり車も動かず

米軍基地の機能は止まり敵対する

国の戦闘機と艦船が日本に迫って来る

映像がまるで映画のように

頭に浮かんでいた。


「私は小妹から連絡を受けて船からヘリで

ピックアップされて亮が乗っていた

 ボートに向かった間に運び出されたわけね」

マギーはその時の様子を亮と玲奈に語った。


「すると、マギーが監視をしていた事、

そのマギーがいなくなった事が敵に

 筒抜けだった訳か・・・」


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