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CEOマリア

亮が呟くと玲奈はあの時自分たちは

必死にマーメードⅢを追い

一文字の事など全く気にしていなかった

事に気づかされていた。


「海上保安庁や航空監視が一点に集中させられた隙に」

「ええ、おそらく一文字のお金だけではなく他の事も

 していたかもしれません」


亮は大きな組織が動いていたなら、

麻薬やその他の密輸品が大量に

日本に運び込まれる可能性が

有ったのかもしれない事に

気づいた。


「やはり一文字は大きな組織と繋がっていたのね」

マギーは自分たちが密かにアメリカ連れて来られた事が

アメリカはいかにテロ組織の恐怖に怯えているか分かった。

「小妹は文明がすでに場所を把握しているそうだ」


「一文字はお金の入っている段ボール箱

なんだから絶対自分の監視できる安全な場所に

置いてあるはず」

亮の言葉にマギーは簡単に答えた。


~~~~~~

そこへキャシーとシンディと

三人が颯爽と入ってきた。

「あっ、来た」

亮が最初に注目したのはシンディより

背の高い黒人の女性だった。


「亮、久しぶり!」

シンディが亮にハグをするとキャシーが

亮を思い切り抱き締めた。

「紹介するわ亮、スタジオD/NYの

社長のマリア・ディノンです」

シンディがマリアを紹介すると


「シンディには申し訳ないけど、まだ

社長になるとは決めていないわ」

マリアは亮と目を離さずに

握手をせずに答えた。

マリアはみんなに座るように促し

自分もゆっくりと椅子に座り長い足を出した。


「亮、マリアはファッション誌

ヴォーグルの副編集長で

 次期編集長と言われているのよ」

「なるほど、道理で怖そうな顔をしていると思った」

シンディの紹介に亮は呟いた。


「團さん、資料は読ませていただきました。

日本スタジオDの名称使用

、資本提携、事業計画書を

読ませていただきました」


「ありがとうございます、それで問題は?」

マリアのキツイ言い方に亮は

オドオドしてマリアに聞いた。


「はい、たっぷりあります」

マリアはバッグから書類を取り出しそれを広げた。

「どうしたのマリア、

ずいぶん乗り気だったじゃない」

シンディは慌てて聞き直した。


マリアは笑顔でシンディの顔を

見て亮の方に顔を向けると

「團さん、私にいくらギャランティを

いただけますか?」

「はい?」

亮は驚いて声を上げた。


「私はシンディに声を掛けられて

日本のブランドを

適当にやればいいと思っていたんですけど

気が変わりました」


「どういう風に?」

マリアの急変にシンディは

どうしていいかわからなかった。

「私は長い間ファッション界で生きてきました、

世界中の一流ブランドの経営者やデザイナーに

友達がたくさんいます。


もしスタジオD/NYを一流にしてしまったら

 友情が壊れるわ」

シンディとキャシーと玲奈とマギー

気難しいマリアに亮がどう対処するのか

気になっていた。


「マリアさん、あなたが社長をして

スタジオD/NYを一流ブランドにして

友情が壊れるなんて、そんなの友情じゃない。

雑誌社の副編集長だから彼らは

あなたを利用していただけに

過ぎないんじゃないですか」

マリアは亮を睨み付けた。


「ギャランティの件ですが、僕があなたの

ように業界に人脈を持って一流ブランドにする

自信があったら年間100万

ドルプラスインセンティブを請求します。

 ただ、社長のあなたは自分で自分を

評価して決めるべきでしょう」


「失礼」

マリアは亮の言葉に憤慨したのか突然

立ち上がり喫茶室の外に出て行った。

「亮、怒らせちゃったわ。どうするの?

彼女のような才能がある女性めったにいないわよ」

シンディが困ったような顔をした。


「そうですか。年間100万ドルいい

ギャランティだと思いますけど・・・」

亮が返すとシンディは

「ギャランティの話じゃなくて、その前の話よ」

「そうですか、諦めますか」

亮は怒った女性をなだめて

話を元に戻す事は嫌だった。


「そう言えばマリアって背が高くて

美人だけど元はモデル?」

玲奈がシンディに聞いた。

「ええ、マリアは元スーパーモデルで明るく

躍動的なウォーキングをするのが評判で

世界中の春夏のコレクションで

引っ張りだこだったらしいわ。引退後は

ヴォーグルの現場で0からスタートして

今の地位まで登りつめたの」


シンディはマリアのキャリアをかっていて

優秀な経営者になると確信していた。

「離婚したあと仕事と子育てで大変

だったでしょうね、マリアさん」

亮がボソッと言うとみんなが亮の顔を見つめた。


「亮知っていたの?マリアの事」

「はい、1966年2月20日イリノイ州シカゴ生まれ、

ノースウエスタン大学経営学科卒、

身長はシンディより5cm高い183cmです」


「えっ?亮はマリアのファンだったの?」

シンディは10数年前に引退した

マリアの事を知っている亮に

驚いていた。


「いいえ、マリアが活躍していた頃はまだ中学生でした。

以前何かで読んだものを覚えていただけです」

そこへマリアがカツカツと足音を立てて戻ってきた。

そして、シンディ、キャシー、千沙子、玲奈、

マギーの方を見て会釈した


「お待たせしました。今ヴォーグル社を辞めてきました

交渉に入りましょう」

マリアはそう言って亮の前に座った。


「機嫌を損ねてしまったかと思いました」

亮はすまなそうな顔をするとマリアは

すっきりした顔で返事をした。

「いいえ、あなたと会っていい

加減な事が出来ないと思って

退路を断ってきました」


「と言う事は僕もリスクを負わなくては

いけないと言う事ですね」

覚悟を決めたマリアに対して亮も

真剣に取り組む事を決意した。


「もちろんです。まず、衣服、革製品、

香水、宝石の4部門を作り

早急にパリ、ミラノ、ロンドン、

ニューヨークコレクションに

出品しましょう。そして有名人、

テレビ、映画とのタイアップで

スタジオD/NYの名前を世界中に知らしめます。

もちろんヴォーグルには

特集を組んでくれるように編集長に頼みました」


「さすがマリアね、人脈を最大に生かすつもりね」

シンディがやる気を出したマリアを頼もしく思った。

「了解です、僕は新しい香水の製作と宝石の

鑑定をやらせていただきます」

「お願いします」

マリアが亮に微笑むと玲奈が

期待感を持って聞いた。


「マリアさん、私の父の会社で縫製した

商品はいかがですか?」

「ああ、玲奈さんあなたのお父様の

会社の商品なのね。素晴らしいわ

 細かでしっかりした縫製だわ」


「ありがとうございます。うちの会社が團と

開発したファッションデザイン3Dソフト、

立体編み機、立体裁断機、

立体縫製機でぜひ商品を作ってください、

 商品サンプルがもうじき出来上がります」


玲奈は父親と亮が心血を注いて作ったシステムで

最高の商品を世界に売りたかった。

「まあ、素敵ぜひ使わせていただきます」

マリアは玲奈に返事をしながら亮の顔を見て

亮には人を引き付ける何か持っている事

に気づいていた。


「では事務所は私の提供する43番地の

ビルで良いわね、内装はこうするわ」

キャシーは設計図を広げて説明をした。

「ずいぶん広いCEO(経営最高責任者)、

COO(業務執行役員)の部屋なんですね」

亮は日本の上場企業の経営者の

部屋を思い浮かべた。

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