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銀行強盗

マギーがバッグのジッパーを開けると

「中に防弾ベスト、サバイバルナイフ、

ファブリックナショナル社製のサブマシンガン

P90/USGとハンドガンが入っている、

それを亮の護衛に使ってくれ」

マシューはまるで亮の兄貴のような口調で言った。

「わかりました」


亮はスマフォを取り出し千沙子に電話を掛けた。

「姉さん、連絡が遅くなってすみません。

今マンションに向かっています」

「亮、やっと連絡が有ったわね」

「すみません。ところで僕の服ありますか?」


「もちろん用意してあるわ」

「マギーとごつい男を二人連れて行きます」

「男性、まあ。ウフフ」

千沙子が意味有り気な笑いをした。


亮たちが乗った車がタイムズスクエアを

通り過ぎた時事件が起こった。


「マギー、事件らしい」

「ええ」

亮の分析力が働きマギーはそれに敏感に反応し

バッグからサブマシンガンと

拳銃を取出して拳銃を亮に渡した。


「約250m先、マシューその交差点を右にまがって」

「ん」

マシューは交差点を右に曲がると亮が

「後130m、3秒」

そう言うと反対車線から猛スピードで

白い車が走ってきた。


「マギードアを開けて」

「はい」

後部席の左側に乗っている

マギーがスライドドアを開けると

亮は拳銃の安全装置を外し右側の

席からマギーの膝に体を乗せ

3回引き金を引いた。


3秒間で後部座席で起きた出来事を把握できなかった

マシューとイーサンは銃声で後ろを振り返ると

タイヤを撃ち抜かれた白い車が激しく

スピンして歩道に乗り上げた。


「マシュー、Uターンあの車に」

マシューは亮の指示で車をUターンさせると

白い車の10m手前に止めた。


「マシュー、イーサン行きましょう」

「何が有ったんだ?」

マシュー呟くと後方から

パトカーのサイレンが聞こえた。

「たぶん悪い事でしょう」


白い車から降りた三人は布袋と拳銃を持って

逃げ出すと亮はアルミのアタッシュケースを

ハンマー投げのように1回転して

放り投げた。

それは放物線をえがいて一番後ろを走っていた

痩せた黒人の足に当たって倒しその男に

イーサンは飛び掛かり腕をねじり上げた。


亮はその勢いで二人の黒人を追いかけると

二人は振り向きざまに亮を狙って

銃を撃つとそれを亮は避け

「なるほど、気温27度、湿度42%、

追い風1メートル、標的18m」


亮はそう言って拳銃を撃つと男たちのいる

先に止まっている日本車のミラーに当たった。

「へたくそ。4mも離れているぞ」

二人は立ち止まり亮に拳銃を向けた。

「修正25mm」


亮は両手に拳銃を持ち2発撃った。

その弾丸は二人の拳銃に当たり

それを弾き飛ばした。


「マギー今だ!」

マシューとマギーは走って行って

二人の男の頭に

銃を突き付けた。


「亮、危険な真似はしないでください」

後ろから来たイーサンが亮を叱った。

「わかりました。もうしません」

亮はイーサンに謝った。


そこに男たちを追っていたパトカーが到着し

犯人を警官に引き渡した。

「亮!」

後ろから男の声が聞こえた。


「あっ、パーカー警部補」

「奴らを捕まえたのはやっぱり君か

 何年ぶりだ?」

「はい、今昼食時間帯なので放って

おいたら被害者が出ると思ったので」


「ありがとう、こいつら50番街の

マンハッタン銀行から

 50万ドルを強盗しやがった」

「怪我人は?」

「二人のガードマンと行員が撃たれた」


「そうですか、気の毒に・・・」

「大丈夫、命には別状はないそうだ。それより亮

 なんでタキシードなんだ?」

パーカーはマシューとイーサンを見て

その関係の人と解り何も言わずに

亮の肩を叩いた。


「あっ、あの車のミラーを壊してしまいました」

亮が言うと

「ああ、日本車の部品は高いんだ、

今度はヒュンダイのミラーを狙ってくれ」


「了解です」

パーカーは一般人の亮が

拳銃を撃った事を咎めなかった。

「さて、行きましょう」

亮はさっぱりした様子でみんなに言った。


車に四人が乗り込むとマシューが

亮の顔を見て渋い顔をした。

「もうやりません。すみません」

亮が頭を下げるとイーサンが車を走り出した。


「亮、どうしてあの車が犯人の

車両と解ったんですか?」

マシューが冷静に聞いた。

「5台のパトカーのサイレンと銃声が

聞こえた時、あの白い車のエンジン

音も聞こえましたから」


「エンジン音でわかるんですか?」

マギーが亮に聞いた。

「ええ、あの車のエンジンのタベットが

シリンダーヘッドに当たっていた音と

 デフが唸っている音でわかりました」

三人には亮の言っている事がわかったが

どうやって聞き分けているか

理解できなかった。


「でも、あの距離で拳銃だけを

狙った訳ではないですよね?」

マシューが聞くと亮は

「ええ、銃身の先から1cmの所を狙いました」


「まさか・・・」

イーサンは亮の言った事が信じられなかった。

「うふふ」

マギーは亮が方向違いのミラーを

撃ったのは拳銃の癖を

見分ける行為だと知って笑った。


間もなく千沙子のいる元尚子が住んでいた

マンションに着くと

「マシュー、イーサンコーヒーでも如何ですか?」

亮は二人を誘った。


「いや、我々はここで」

マシューが断ると亮は強く返した。

「マシュー、部屋の間取りを

知るのも警護の仕事です」


「はい」

マシューとイーサンは亮と言う

時々訳わからない行動をとる

男に魅力を感じ素直に従った。


亮が尚子の部屋のチャイムを鳴らすと

ドアを開けたのは玲奈だった。

「亮、無事だったのね」

「あっ、玲奈さん」

亮は千沙子に電話をした時

何も言われなかったので驚いた。


「亮が何も持っていなかったので

とりあえずパスポートと着替えと

お金とパソコンを持ってきたわ」

「助かります、怜奈さん」


「遅かったわね亮、とりあえず着替えて」

千沙子は子供を叱るように亮に言うと

亮は舌を出して手を洗った。


「ご苦労様です。姉の千沙子です」

千沙子はマシューとイーサンに丁寧に挨拶をした。

「あのう、亮のお姉さんですか?」

イーサンは何故亮の姉がニューヨークに居たか

不思議だった。


「うふふ、仕事が有るので先にニューヨークに

来ました」

続いて玲奈を紹介した

みんなでテーブルを囲んで食事を始めると

「亮、あなたの頭脳と身体能力は実に素晴らしい」


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