○第三話 「恩師からの依頼」
投稿って、どのくらいの頻度がちょうどいいんでしょうか?
第三話
「恩師からの依頼」
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僅か3ヶ月でと言われる千騎達<太陽の民>であるが、ラグナに辿り着いたの自体は半年前のことであり、2ヶ月は偶然知り合った魔法使いに魔法を教わっていたし、さらにその知り合いの戦士に剣の使い方を軽く教わっていた。
つまり何が言いたいかと言えば…その2人に対して<太陽の民>は頭が上がらないは言い過ぎにしても、ある程度のお願いは断れなかった。
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●第二世界●
●ラグナ●
●とあるカフェ●
「は?魔物暴走、ですか?」
千騎は目の前に座る魔女の服装の老婆…いや、<太陽の民>の魔法の師匠である老婆に確認を行う。
「そうそう。もう少しで起こしそうな迷宮が近くにあってね。小さな迷宮だから潰しちまってもかまわないよ」
老婆がニコニコしたまま答える。
「しかし、魔物暴走は我々だけでは難しいのでは?確か魔物暴走は迷宮の中のモンスターが溢れ出す現象でしたよね?」
「そうさ。だけど肝心の迷宮が3階層のみだし、場所も管理するには辺鄙なところでね。さっさと潰してほしいのさ」
「なぜ我々に?」
目の前の老婆は超有力冒険者として名をはせていた。依頼をすれば応える冒険者は多い。
「この街の冒険者達は迷宮をつぶすのに拒否感が強くてね。あんたらはそういうのは無いだろ?」
「まあ、そうですね…成程」
千騎は納得の表情を浮かべる。
「とはいえ、報酬はしっかり払うよ」
老婆が宝石のハマったバックを机の上に置く。
「あんたらが欲しがってた【マジックバック】さね。3個あるよ」
「これがあの⁉︎」
千騎がおもちゃを与えられた子供のように、バックを確認する。
「見た目以上の収納能力と、バックの中の時間経過の停止。まさに我々に必要な逸品です」
「収納量に関してはタンス2.3個分しかないやつだけどね。そのくらいならわりかし簡単に手が入るのさ」
「成程」
千騎が納得して頷く。
「ここまでの品を用意してもらって断るわけにはいきませんね。ご依頼を承ります。ところで迷宮の素材はこちらが貰っても?」
「好きにしな」
千騎がにっこりと微笑む。
「かしこまりました。それでは略式ではありますが契約書を取り交わさせていただきます」
「相変わらずだね。まあ任せるよ」
千騎がバックからペンと紙を取り出し、サラサラと記入を行う。その様子を見ながら老婆は千騎達のことを考える。
「(まったくもって妙な連中だよ。そのくせ魔法の適性だけ高い。中位魔法使い…いや、準上位魔法使いくらいの戦闘能力はある)」
魔法とは本人の才能が如実に現れる分野である。才能があればあるだけ、戦闘系の魔法使いとしての実力は高くなる。多少創意工夫で上下するにしても、それは戦闘面ではなく技術者としてである。戦闘系の魔法使いは適正で全てが決まると言われている。
「(しかも3人が3人共に同じ程度の魔法使い。全くもって末恐ろしい)」
異民族でなければ確実に宮廷魔法使いにスカウトされるレベルの逸材であった。
「お待たせしました。こちらにサインをお願いします」
「…ほら、これでいいだろう?」
「確かに」
簡素な取引契約書をバックに収納した千騎は、果汁ジュースを一気に飲み干すと席を立つ。
「ところで、いつ頃始める気だい?」
「ーーー明日の夜には終わらせますよ」
千騎が好戦的な笑みを浮かべる。
「相変わらず血の気が多いねぇ。もう少し取り繕ったらどうだい?」
「残念ながらこれが我々ですので」
千騎はその場を立ち去った。
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●第二世界●
●名もなき迷宮●
千騎達ははっきり言って日本でうまく立ち回れていない人間である。孤立や裏切り、そもそも性格と合わない立場など…ストレスを抱える事が多い。
日本において、そのストレスは抱えるしかないものであった。他人にぶつけることなどできないし、何かに没頭するほどの趣味もない。溜まり続けているそれは解消できない以上、それはストレスではなく悩みとなる。
そんなストレスの吐口こそ、異世界…迷宮という名の戦場であった。
「ーーーヒィイいいハァアアア‼︎」
ドゴォオオンという爆発音と共にモンスター達が炎に包まれてゆく。
「おいおいおい‼︎こんなもんか⁉︎こんなもんなのかァアアア⁉︎もっともっと抵抗しろモンスター共ぉお‼︎」
義景が炎を纏う剣を振う。炎が次々とモンスター達を焼き尽くしてゆく。それはまるで燃えやすいものに炎が燃え広がるようにして、モンスター達を絡め取り燃やし尽くす。
「あぁ、やはり力だ。武力だ。暴力だ。圧倒的な破壊こそが満たしてくれる」
そこには一般的高校生の姿はなく。圧倒的破壊に酔いしれる凶戦士がいた。
「あ、相変わらずだね」
「ああ、荒々しいな」
炎の虐殺模様を観戦しながら千騎と真一が呟く。
「しかし、これが魔物暴走直前の迷宮か。確かに数は多いが低レベルの迷宮だけあって個々の力は弱い」
「あ、明日の夜には終わりそうだね」
しばらくするとモンスター達の襲撃が終わり、周囲が静かになる。
「チッ、もうちっと楽しめるかと思ったが」
「暴れすぎだ。ちと手加減しろ」
「今日もイライラしてたからいいだろ?このくらいなら」
「ドロップした素材まで燃えてるじゃねぇか」
床に転がる素材は真っ黒になった燃え滓が多かった。
「で、でも低レベルの素材だから…」
「10階層と比べもんにならないくらいに低レベル素材ではあるな」
「燃やしてたからしっかり見てなかったわ」
「ぇえ…」「おいおい」
「一先ず先に行こうぜ」
3人が迷宮の奥へと進む。
「あとは迷宮の核を破壊すればいいんだったか?」
「ん?ああ、丸い玉らしいが…」
「あ、あれじゃない?」
しばらく進むと現れたのは占いなどに使いそうな、水晶玉のような透明な玉であった。
「さて、これを壊すか…」
「剣だと刃こぼれしそうだな。ハンマー持って来ればよかった」
「お、大楯の硬い部分、た、叩きつけたら?」
「そうすっか」
義景が思いっきり盾を叩きつけると、迷宮核が容易く破壊される。
「これで1週間後には迷宮は消えるはずだ」
「ちと物足りなかったな。飯でも食って帰るか?」
「そ、その前に素材回収だよ」
「燃え滓だしいいだろ?」
「そうだな。今日は帰ろう」
3人はスタスタと迷宮を脱出し、街へと向かう。
「そういえば、こんだけぶっ殺したんだからレベル上がってんじゃねぇか?」
「ん?そうだな」
義景の確認の問いかけに、千騎は首元のドックタグを取り出す。そこには文字が刻まれていた。
「あー、微妙だな」
「俺はチョイットだな。やっぱ雑魚迷宮じゃあこんなもんか」
「ぼ、僕も少し…」
ドックタグの名前は【冒険者証】。己のステータスを反映させる、ファンタジー小説でよくある設定のやつである。
ついでに千騎を例に挙げると…。
[名前:センワ センキ]
[種族レベル:ヒューマンLv12]
[適正属性:…]
と3つの項目のみが出てくるといったものである。なお、プライバシーやその他諸々により魔法適正の公開は今後のお楽しみである。
「対価がマジックバックじゃなきゃ、赤字同然の依頼だったぜ。このあとはどうするよ?」
「そろそろ次に行こう。能力上げもそれなりに済ませたし、ここを拠点にするには文化レベルが低すぎる。せめて、昭和くらいの文化レベルは欲しい」
「う、うん。わ、悪い世界じゃないけど、げ、現代人には少し厳しい世界だよ、ね」
「次の世界も面白い世界だといいんだけどな」
ーーー<太陽の民>は世界を巡る。己に相応しい世界を探すために。
ーーー彼らの旅はまだ終わることはないのだ。
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エンド
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