夜の校舎で
第二章の最終話です。
一章以来のキャラクターが登場予定。
ーー2日後、高校
輝たちは、高校で普通に過ごしながら部隊からの連絡を待っていた。
今は5時間目終わりの休み時間だった。
「はぁ……(汗)(あと1週間でテストか、その前に魔界に行けると思ったんだけど。)」
ため息をつく竜崎。
どうやら、授業中寝てしまっているのが原因でテストはほぼ諦めているようだ。
「なんだよ竜崎、ため息つくとよくないぜ?」
前の席に座っている輝が心配して言う。
「いや、だってテスト前だぜ?それぐらい許してくれよ……。」
「テスト……前だから??」
「ビクウッ!(しまった、輝に勉強の話題はタブーだった)」
「お前……受験の時、俺に約束したよな!?高校入ったら俺とクラス1位狙うって。」
「そ、それはっ(泣)」
「……競争相手がいなきゃつまんねーんだ。今日から放課後勉強するぞ!」
どうやらこの2人は、この高校でトップクラスの学力の持ち主らしい。
※竜崎は、トップクラスにされた感があるがまあよしとしよう。
勿論同じクラスに他のライバルは居るが、竜崎は輝の中で別格なようで……。
「最初のテストだから、頑張ろうぜ!」
「お、おう。」
そして6時間目、テスト前なので授業は自習になった。
さっき話した事もあって、集中しようとする2人だったがいっこうに集中できていなかった。
自習が始まって10分程経った頃から、輝と竜崎には先生やクラスメートのものとは違う声が聞こえていたのだ。
「“コンヤハチジニ、オンガクシツニキテクレ!”」
窓の外から聞こえる声。気になった輝は窓の外を見てみた。
すると、近くにある細めの木に小さな鳥がとまっているのに気づいた。
「(まさかあの鳥が……それにこの声は、隊長!?)」
きっと何か訳があるんだ。今まで直接連絡をしてこなかった部隊が、今回に限って連絡をしてきてる。
この時、竜崎も聞こえてくる声を注意深く聞いていた。
そして、2人が伝言を受け取ったのを理解したのか?野鳥はやがて去っていった。
自習が終わったら、竜崎と相談しよう。
それで一旦話を割り切ろうとするものの、少し時間がかかる輝だった。
2人は、なんとか残り30分程の自習に集中していき6時間目を終えた。
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。
「きりーつ、礼!」
「ありがとうございました。」「ありがとうございました。」
「(終わったーっ!さてと竜崎と相談だ。)」
後ろに椅子の向きを変えかけた輝、しかし……。
「This is what I want……(自習が終わる事こそ俺が望んでいたものだぜ……)」
「(なんか呟いてる!?後にするか……。)」
難しい英語を勉強した為、簡単な方の英語が出てきた竜崎。軽くショートしているので、少し休ませた方が良さそうだ。
輝が荷物の整理をして帰り支度を済ませる中、SHが始まった。
「今日の掃除は三班だ。輝、お前の班だからな?頼んだぞ。」
「はい。(まじかよついてね〜(汗))」
顔は笑っていても、内心笑っていない輝だった。
帰りの挨拶を終えると、輝は掃除を始めた。こんな時は早く終わらせるに限る。
輝の班には竜崎も入っているのだが、友達には「具合が悪いらしい」と言って掃除は休ませた。
※竜崎はダウンして机に伏せているので、そう見えなくはなかった。
そして掃除が終わると、ゴミ捨て係のじゃん拳になった。
「アキラ……悪いが今回は勝たせてもらうぜ!」
「今回は負けたくねえんだ!」
今週まだゴミ捨てに行ってないのは、輝とマサ(一章参照)だった。
「じゃん拳!」「じゃん拳っ。」
しばらくあいこが続いたが、なんとか輝は勝利した。
「しゃあっ!じゃ、頼んだぜ〜」
「ぐっ。」
輝が機嫌良さげに去って行くと、負けたマサにノブ(一章参照)が近づいてきた。
「あーあ、負けたか(笑)無理だよあいつは。だって勝つって言った時は絶対勝つもんな。」
「いや、そんな筈は……じゃん拳なんて確率じゃないか。」
「ははは……今まであいつに勝ったことあるのは大西ぐらいだもんな、諦めなって。」
実はマサとノブの話は、教室で友達と勉強をしていた大西(一章参照)にも聞こえていた。
「(まったく、人の噂ばっかり。)
ちょっとの間、大西の動きが止まったので友達が心配した。
「美香どうしたの?なんか顔怖いよ!?」
「あ、いや……なんでもない(汗)」
「ほんと?」
以外にも地獄耳の大西だった。
その時、自席にいる輝と竜崎は……。
「今日の放課後は勉強だって言ったけど……。」
「あっちを優先するか(笑)」
「だよな(笑)」
竜崎がこういう時分かってくれて助かる、輝はそう思ったのだった。
それに、親友だからこそ秘密の共有も悪くない。
「さーて、帰りますか!」
「賛成〜っ!」
こうして2人は、帰り道に向かうのだった。
ーー高校からの帰り道
「うーん……夜に俺達2人で学校入ったら、近所にバレるかな!?」
「確かに、通行人がいる時点で危うい。以外に街も明るいしな……。」
2人は、近所の人に気づかれず学校に入る方法を考えていた。
「そうだ、黒っぽい服を着て!」
「俺らは泥棒か!」
「うう……じゃあ普通の服装しつつ、隙をみて侵入?」
「侵入言うなよ(汗)けどいいかも。……多分、先生達は部隊がなんとかしてくれる筈だ。
あと、個人で学校に入った方がいいかもな。」
「……俺の案採用?」
学校へは隙をみて個人で入る。※つまり、待ち合わせはせず学校で合流する。
「これでいける感じか?」
「って、まだ決める事はあるんだぜ!?」
「あ、そうか(汗)入った後な。」
輝は、夜の校舎で使う筈の懐中電灯が気になっていた。
光が反射しているのを近所の人が見たら、それこそ不審に思われて通報されかねない。
「そうだな、懐中電灯はうちにキャンプ用のがあるからそれを使おう。ミニサイズだから、それなら反射も大丈夫……なはず。」
「おっけー、後はしゃがんで行けば大丈夫だな?」
「最悪、匍匐前進だな(汗)」
他にも問題はありそうだが、そこは部隊を信じよう。
あとは自分達の行動が問題だ。
そして、2人はいつもどうり電車に乗り別れていった。
「それじゃ、また後でな!」
「また8時に!」
ーー夜の校舎で
高校の前の通りを、リュックを揺らして走る人物がいた。
「(やばい、遅れるっ!)」
その人物は他でもなく竜崎だった。今の時刻は7時58分。
高校までは、まだ少しかかる。
必死に走る竜崎だったが、信号待ちもあり学校に着いたのは8時04分だった。
※結局遅れた
そして焦りながらも周りを確認する竜崎。確認が終わると、高校の門の脇の小さな扉を開け昇降口に向かった。
その途中で一旦止まると……。
「遅いぞ、竜崎!」
「!?」
昇降口で待っていた輝が、声をかける。
「あっ、居た!待たせてごめんな、行こうぜ!」
どうやら部隊が輝達をサポートしてくれているので、なんとか音楽室までたどり着けそうだ。
校舎内に入った後は自分達の上履きに履き替えて、輝が持参したライトを使い二階の音楽室に向かった。
「なあ、しゃがめば大丈夫か?」
「ああ。けど、一面ガラス張りの所は避けるぞ。」
こうして、二階の廊下をぐるりと回るようなルートを通り2人は音楽室に辿り着いた。
そして、ノックしてから音楽室の扉を開けると……。
ガチャン。
「お、来てくれた!」
「やっと夢以外で会えたー!」
輝と竜崎が中に入ると、まずリフとエレナがハイテンションで迎えてくれた。
「夜なのにごめんなさい(汗)」
アイラが、夜なのにハイテンションなエレナとリフを落ち着かせる為に言う。
「ほんとに皆いる!」
「驚いたか?まあ無理もないか。」
「なんかすげえ!」
ハクタクは相変わらず冷静で、2人にも落ち着いた様子で接した。
「あれ、隊長はどこに?」
「ヒュウガは今、手が離せなくてな。少し待ってやってくれ。」
竜崎がそう言うと、ハクタクが答えてくれた。
そして部隊からこの部屋(音楽室)は元々の防音壁を魔法で強化してるので、普通に話して大丈夫だと教えて貰った。
まだ魔界をよく知らない輝と竜崎は、隊長を待つ間「夢の中で受けれなかった魔界の説明」をアイラにしてもらうことになった。
「いい?魔界の生活は自分の身は自分で守り、自分の力量にあった仕事を受けて暮らすのが基本よ。」
魔界のポイント
①魔界には国王が存在するが、その権力が及ばない地域またはモンスターが存在する。
なので国を頼り過ぎず、いざという時は自分の身は自分で守ろう!
②適所適材。自分の能力と力量に有った仕事を!※人間界と変わらず。
③旅人として必要な知恵を身につけておこう。
「こんな所かな……後は、実際に経験するのが一番ね。」
「アイラさんありがとう!」
「魔界行ったら頑張ります(汗)」
竜崎はいまいち自信なさげだが、理解はしたらしい。
ちょうど魔界の説明が終わった頃、第2音楽室へと繋がる扉が開き隊長が現れた。
「輝、竜崎、待たせたな。荷物持ってちょっとこっちに来てくれ。」
「?」
2人は隊長について行き第2音楽室へ着いた。
するとそこには、ブラックホールのような黒い渦があった。
大きさは人が飛び込める程だろうか。
「このゲートは魔界へ通じている。……準備が出来てるとは思わないが、急を要する。行くなら今しかないんだ。」
「!」
「何かが干渉して、お前達が魔界へ行くのを妨害しているんだ。今は修復したから安定したが、正直どうなるか……。妨害されるのは、昼から夕方が多い。ゲートが安定している今がチャンスなんだ!」
隊長から事情を聞かされた輝と竜崎。
「(それで隊長は俺たちを……。)わかりました、俺魔界に行きます!」
「お、俺も行かせてください!」
「そうか。……お前らなら、きっと大丈夫だ。じゃ、行ってこい!」
「“はい!”」
輝と竜崎が隊長に敬礼する。
そして輝がゲートの前に立った。
「それじゃあ、魔界で!」
輝は覚悟だけ決めると、ゲートにDIVEした。
わああーーっ!……後からはかすかに悲鳴が聞こえた。
そして竜崎も輝を追う。
「あ、待て!……それじゃ隊長、俺行ってきます!」
うーわーーっ!……。
「気をつけてなーっ!俺たちも後から行く!」
こうして、2人の旅が始まったのだった。
次話から魔界編です。
頑張って書こうと思います。




