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未来世紀から異世界へ! ~とあるJ隊員の活動記録~  作者: としょいいん


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15/18

第15話 お巡りさん、あのヒトです!

 アリエル殿下たちと別れてから、オレは偵察オートのサイドカー席にフィーメさんを乗せて走りながら、それと同時に偵察ドローンを飛ばしてプロアシア帝国の部隊を探していたが、これがなかなか見つからない。


《システムより報告。1時の方向、約30キロ先の地点に6台の貨物馬車と189名の兵士を確認しました》


(よく見つけてくれたな! さすがはオレのAIだ!!)


 オレがエルフの捕虜を連れた兵士の一団を見つけたとフィーメさんに伝えると、彼女は直ぐにその事をアリエル殿下へ風精霊の聲で伝えてくれた。


 いつものように光学迷彩(ミラージュ)フィールドを展開させて一方的に暗殺しまくるとしても敵兵一人に対して3.17秒しか掛けられないから、途中で異変に気づかれたり何か予想外のアクシデントでもあれば、時間切れで姿を見られてしまう。


 あとフィーメさんは風精霊の聲を遠方まで届けられるほどの素養を持っているので、得意な風系なら上級魔法を連発出来るほどの実力者だと聞いたが、弓ならともかく剣とか槍などを使用する白兵戦は余り得意ではないらしい。


「近衛隊のみんなが強すぎると思うんです!」


 だから私は弱くないとでも言いたのかどうかは知らないが、態々自分の方から近接戦闘は苦手だと教えてくれた相手を、プロアシア帝国兵と直接剣を交えるような真似はさせないから安心してくれ。


 偵察オートの走行音は決して大きくはないが、それでもロードノイズとか風斬り音はそれなりに聞こえるはずなので、オレは敵部隊から大きく迂回して奴らの前方へと回り込む進路を取る。


「なにか秘策でもあるんですか?」


「フィーメさんには話しておいた方がいいな──」


 秘策の言うほどのモノではないが、トーテムポ……じゃなくてモバイル・スーツの荷電粒子砲が予想以上に強力だったので、アレが上手く使えたら敵兵の1万や2万くらいはオレ一人だけでどうにかなる。


 問題は全方向(オールレンジ)攻撃用の腕が簡単に外れてしまうので、どこかに固定しておかないと明後日の方向を蒸発させてしまうのが玉に瑕で、間違って救いに来た捕虜に直撃したら大変な事になる。


 オレはこの非常に使いにくいモバイル・スーツを何とかして戦力化しなければと考え、異次元格納庫(ハンガー)内に格納されてる『ジパング』の改修プランをAIに指示しておいた。


 あと火薬を使った武器の威力が減退する現象については、もう既に890式(ハチキューシキ)アサルトライフルとSFP999(スリーナイン)小銃には弾薬の火薬増量の対策済みで、今回の救出作戦での使用が初戦闘となる。


「本当に私がそれをするだけで、仲間を助けられるんですか?」


「大丈夫だ、問題ない。このオレを信じてくれ!」


 なかなか決心が付かないフィーメさんだったが、オレの真摯な説得によって彼女の理解と了解を頂く事ができたので、敵部隊が到着するまでの僅かな時間に準備を始める事にした。




 今回の一見するとインポッシブルなミッションでも、189人の敵兵を殲滅するだけであれば地面に置いたモバイル・スーツの両腕を固定したまま、ある程度集まった所に荷電粒子砲を打ち込んでやれば、ほんの一撃で消滅させるのは簡単な話だ。


 なので問題は、捕虜を乗せた馬車が6台もあって、そのどれかに乗せられているはずのエルフの捕虜たちを巻き込まないよう気をつけながら攻撃を行う必要があるという事だな。


 ある意味こちらの条件の方が、ただ単に敵兵を蹂躙するより遥かに難しい。


 オレの攻撃で早々に戦闘を諦めて逃げ去ってくれれば良いのだが、こちらが捕虜の救出に来た事を悟られて、逃げ出す前にエルフたちを人質にされたり、最悪殺されたりしたら殿下たちに顔向け出来ないからな。


 なので最初からモバイル・スーツによる荷電粒子砲で薙ぎ払うのだが、その際に敵兵を貫通してその後にある馬車にも少しだけ掠らせて小さな被害を与えておく。


 そうしておけばモバイル・スーツを見た事が無いプロアシア帝国の兵士どもには、正体不明の邪心像が普通に襲ってきたようにしか見えず、馬車に居るエルフたちをどうこうするより先に、自分たちの身の安全を最優先に考えて行動するはずだ。頼むからそうしてくれ。


 なのでオレがAIに提出したモバイル・スーツの改修案では、宇宙戦用のジパングを大気圏内用装備に換装する事を柱に、二足歩行用の足ユニットも取り付けてパーフェクト・ジパングの完成を望んでいたのだが、何故か両足の追加が却下されたのは納得がいかない。


 それでも役に立たないロケットエンジンの代わりに熱核ジェットが搭載されて不要となった酸化剤用プロペラント・タンクをオフミットし、その背中部分にマルチ兵装用バックパックを取り付けておいた。


 但し、新しい熱核ジェットエンジンの出力調整がまだ済んでおらず、出力だけはバカ高いのだが、制御が不安定なので、まともな空中戦は出来そうにない段階だ。


 なので空中での姿勢制御を行う専用の演算モジュールを搭載したかったのだが、ジパングの規格が特殊で従来の制御システムをそのまま転用出来なかったので、それなら魔法で何とかすればいいんじゃね? と考えた訳だ。


 なので今、フィーメさんはジパングのバックパックの中に居たりする。


《マスター、確保した()()()()()に姿勢制御及び出力調整の実行権限を付与を行い、システムとのシンクロを開始します》


「あぁっ! 頭の中に何かが入って来る! それと身体中から魔力がどんどん抜き取られてます……カイセさん、これ本当に信じて良いんですよね?」


 まさかここでAIがやってる事なので詳しくは知らん! とは言えないから、オレは「大丈夫だ、問題ない」とだけ返しておいた。

 だからシステムAIよ、せめて生きてる彼女の姿をもう一度オレに見せてくれ。頼むから……。


 ちなみにフィーメさんには「オレの魔道具を風の魔法で支援して欲しい」とだけ伝えておいたのだが、勿論彼女は快く承諾してくれた。

 まさかヘンな液体が充満された、あの狭いバックパックの中に放り込まれるなんて予想もしていなかったみたいだけどな。


 あとシステムAIから着衣のままだとシンクロ率が下がると言われたから、下着以外はちゃんとひん剥いてからドボンしておいたけど、これはアリエル殿下たちにはナイショにしておかないとな……フィーメさん、貴女の尊い犠牲は忘れないよ。


 こうして出撃準備が整ったジパングの中からノコノコやって来たプロアシア兵どもを眺めていると、自分たちの進路上に鎮座してるジパングの姿を発見し、やれ「邪神像だ!」だとか「来る時は無かったはずだ」とか騒いでいるが、それはオレたちには関係の無い事だ。


 わざわざ敵部隊が来るまで待っていたのは、最初の一撃でより多くのダメージを与えてやろうと計画していた他に、燃費が非常に悪い核熱ジェットエンジンの燃料消費を少しでも抑える為に向こうから近づいて来て貰う為だ。


 あと攻撃する時に腕が勝手に発射されないよう攻撃シークエンスを変更しておいたし、念のため両腕の肘間接部分はクラフトテープでグルグル巻きにしておいた。使用したテープには、ちゃんと『業務用』と書かれていたから強度は大丈夫なはずだ。たぶん。


 それでプロアシア帝国の部隊だが、こちらから1キロの地点で停止してジパングの偵察の為に2人の騎士が遣わされた。


 馬に騎乗してやって来た2人は、草原に鎮座する身長約6メートルものジパングを見上げてから、危険が無いと判断して近寄り、更にジパングの両手や背中に武器らしきモノが無い事を確認して、最後に腰のショートソードを抜いて恐々と腰が引けた姿勢でジパングの装甲をつついても何も起こらなかったので、部隊に向けて大きくハンドサインを送った。


 斥候からの安全確認を経て6台の馬車を囲んで20人の騎士と169人の兵士たちが進んで来る。




──キュイーーーン


 ジパングに内臓されたリアクターの始動音が静かに響く。


「こいつ、動くぞ?!」


 オレはジパングの両手を敵部隊の先頭を歩く騎士の身体を貫通して、1台目の馬車の屋根を掠めるように狙いを付けてトリガーを引いた。


──フォン!


 機体内部の粒子加速器で生成された荷電粒子がジパングの指先から射出されて、空気を引き裂く際に気体分子を加熱しプラズマを発生させるのだが、アニメで表現されてるような派手な演出では無く蛍光灯が点灯する時の響きに似てるかも知れない。


 射出された光線は輝度と温度こそ高いものの、耳を劈くような大きな音は立てずに一瞬で消える。もし砲撃による被害の様子を目にする事が無ければ、今ここで何が起こったのか理解できないだろう。


 だが発射された荷電粒子は間違いなく敵部隊の先頭で騎乗していた騎兵の右肩から先を瞬時に蒸発させて、その後方を進んでいた馬車の屋根を燃やす。そして、それを見た2人の斥候が馬を放り出したまま慌てて逃げ帰って行くのが見えた。


 当然だが敵部隊がパニック状態となる中、指揮官が大声を上げて歩兵が背負っていた盾を構えて二列横隊を組むような動きを始めると、騎兵がその後ろへと移動して行く。


「見せてやろう。J隊のモバイル・スーツの性能とやらを!」


 まだ文明がそれほど発達していない保護惑星上でのビーム兵器使用は、オーパーツ的な制限があって上から使用許可が下りないと思っていたのだが、友邦の滅亡が危ぶまれる現在の状況では許可するしか選択肢が無かったというのがシステムAIの見立てである。


 実は攻撃している相手も恐らく友邦である普人族の部隊なのだが、アグレッサーに協力する人間たちには後ほど外患誘致罪が適用される見通しなので、テロリストの命など気に掛ける必要は無いという事らしい。


 それなら何も気にせずガンガン行かせて貰おう。普段から専守防衛がどうとか言われ続けてストレスが溜まっているので、それらを一気に晴らす丁度良い機会だと考えよう。


 次の標的に選んだのは敵部隊を指揮する司令官らしき人物で、そいつの右腕を狙撃した瞬間「ジュッ!」と何かが蒸発する音を立てて二の腕から先が消え去るが、傷跡が焼き切られているせいで出血量は余り多くはなく、あの状況でも周囲に居る部下たちに抱えられているのを見ると、それなりに優秀な人物なのかも知れないな。


 ここで漸く狙撃した敵司令官から部隊全員に向けて後退命令が出したようで、エルフたちの捕虜を乗せた馬車についても強引に回頭させようと頑張っているが、車体が横を向いた瞬間を狙って、その手前に居る敵兵の身体のどこかを貫通させながら車輪や車軸など走行に必要な部材を破壊し、この攻撃がたまたま馬車に命中したように装っておく。


 すると奴らの次の行動は、馬車内に居る捕虜を引っ張り出して首に縄でも付けて引っ張って行く事だろうが、そうは問屋が下ろさない。


「これより掃討戦へと移行する。熱核ジェット噴射、ホバー移動開始、空中での細かな制御はシステムAIとフィーメさんに任せる!」


《生体ユニットとのシンクロ率200パーセントを超えて上昇中、いつでも行けます》


『うぅ……身体中から魔力が……抜けて……逝っちゃうよー!』


 生体ユニットであるフィーメさんの実戦投入がまだ早すぎたのか、彼女の魔力と精神が余り長くは持ちそうにないので、ここは短期決戦で行くしかない。


 両足が無いジパングの腰から下にはメイン・バーニアと方向転換用の小型スラスターが取り付けられており、機体各所にある姿勢制御用スラスターと合わせて戦闘時の攻撃や回避に最適な機動を行うようになっている。


 生体ユニットとしてバックパック内に居るフィーメさんには、彼女が得意な風属性の精霊魔法によって機体を浮かすための風力補助と推力増進の他に、各種スラスターの出力制御なんかにも力を貸して貰っているので、スロットルを開けたり閉じたりする度に「あひぃ!」とか「うふぅ!」とヘンな声が聞こえて来るのは、まだ魔力の出力調整に不慣れな事が原因だと思われる。


 このフィーメさんの頑張りによって、我がジパングが敵部隊へ接近する時にスピードが出過ぎて馬車に激突したり、出力不足で墜落したりする事なくスムーズに操縦する事が出来ているから、そこは素直に感謝だな。


 現場では動けなくなった馬車の中から、エルフの捕虜たちを引っ張り出し徒歩で連れて行こうとする連中目掛けて荷電粒子の洗礼を浴びせながら、ジパングの斜線に馬車がモロ被りしない位置へと地面の上を滑るように高速飛行しながら更にビームを連射して行く。


 一つ、二つ、三つと、次々に身体の何処かが蒸発するのを見せられた周りの敵兵どもが、接近と離脱を繰り返すジパングから先を争うようにして逃げ出し始める。もうこの時点で部隊をまとめて陣形を整えるのは絶望的な状況だと理解した隊長たちも、我先に走り出した部下たちを追いかけるようにして戦場から逃げ去って行く。


 三々五々に逃げ散った敵兵どもが、祖国まで帰り着く事が出来ずに盗賊化する恐れもあるが、今はエルフの捕虜たちを救出するのが最優先目標だと考え、馬車と捕虜に危害を加えようとしている敵兵が一人も居なく成るまでジパングのビーム攻撃を継続する。


 中には磁力で分子結合を強化している超電磁装甲を持つジパングを相手に、弓矢と攻撃魔法で迎撃を試みる勇者も居たが、そいつらは危険分子として両腕とも蒸発させてやったので、これでもう今後はエルフたちに危害を加える事は出来無いだろう。


 重傷だが仲間に肩を貸して貰いながら辛うじて歩ける程度の負傷に留めておくのは非常に難しかったが、ジパングの機動力が十全に発揮されて常にこちらが意図する位置に狙いを定める事が出来たので、何とか一人の死者を出す事無くミッションをコンプリートする事が出来た。


 J隊は闇雲に相手の命を奪う、何処かのキチガイ揃いのAチームとは違うのだよ。


 馬車の中に捕らわれているエルフの捕虜たちには、バックパックの中に居るフィーメさんから「絶対に馬車の外へ出てはダメ!」と風精霊の聲を通じて伝えて貰っていたので、味方であるエルフたちへの誤射は無かったと思う。


 辺り一帯から敵兵の姿が一人も見えなくなってから、オレは馬車の直ぐ側へジパングをVTOL着陸させてモバイル・スーツの装着を解除すると……。




 バシャッ──と液体が落ちて地面に叩きつけられるような音と共に、それまでモバイル・スーツのバックパック内に格納していた生体ユニットである、エルフのフィーメさんがキャスト・オフされたのだが、ここでちょっとした問題が発覚する。


 その問題とは下着姿でバックパック内へと放り込んでいたはずだったのに、今の彼女はそれらを全部脱いでしまっており、つまり『マッパ』なのだ。


 しかも彼女の全身には白濁色をした半ゲル状のアレみたいな液体がこびり付いていて、知らない人が見たら完全に通報される状況だと言える。


 もしここで言い訳を説明させて貰えるのなら、あの液体は酸素と窒素を主成分とした精神感応薬の一種で、白い色がついてるのは引火防止用の不活性剤や酸化防止剤などを始めとした添加物によるものだ。


 またフィーネさんの身体がほんのりと桜色っぽく色づいてしまっているのは、シンクロ率上昇の為に配合された向精神薬の成分を皮膚から吸収したからで、普段よりちょっぴりハイになる副作用によるものだが後遺症の心配は無いと聞いてるから安心して欲しい。


 ただここで問題なのは、妙齢の美女がマッパで白濁色の液体塗れで倒れており、上気して胸が細かく呼吸を繰り返す女性の近くに立っているオレは、どう見ても性犯者にしか見えない事だろう。


 そんな被害女性としか思えない姿をしたフィーメさんが、普人族の軍隊に奴隷として捕まり希望を失いつつあった人々の前に突然現れたらどうなるだろうか? 数少ない男性のエルフらが集団の前に進み出て、オレの視線から後ろに居る女性たちを庇うのは当然の行動だと言える。


 そもそもだが、フィーメさんがマッパになってるのが悪い。せめて下着でも身に着けてくれていれば、あの捕虜だったエルフたちの視線は、もう少し柔らかいものになったのではないかと思う。


「おい、頼むから起きてくれ!」


 オレは異次元格納庫(ハンガー)から機体の養生などに使用する白いシーツを取り出し、それでフィーネさんの身体を優しく包み込んでエルフの男たちの目から彼女の肢体を隠す。


「んん~~~」


 フィーメさんの身体を何度か揺らしながら声を掛け続けて彼女の名を呼ぶ。早く起こさないと折角開放したエルフたちが何処かへ逃げ出してしまいそうな雰囲気だったし、間違ってお巡りさんを呼ばれたら大変な事になりそうだったからオレも必死だった。


「あ、カイセさん、おはようございます?」


「フィーメさん、とりあえず服を着て、あそこに居るエルフたちに説明をお願いします!」


 オレはバックパックへ放り込む前に脱がせておいた彼女の衣服を手渡し、白いシーツから頭だけ出した状態で着替えをさせたのだが、お気に入りの下着が無くなったとブツブツ言うからJ隊から支給される男女兼用のパンツとシャツを譲ってやった。もちろん新品だ。


 男女のどちらが履いても身体のラインにピッタリとフィットするから、機能的に問題は無いはずだ。あとブラも欲しいと言われたが、フィーネさんの胸には必要ないからと親身にアドバイスをしてあげたら、何故か急に怒り出してしまった。本当に女性の扱いは難しい。


 その後に何とかフィーネさんの機嫌を取りながら、オレたちがエルフの捕虜を助けに来た者だと説明して貰うまで、ずーっと性犯罪者を見るような目を向けられ続けていたのは正直キツかった……。




 こうしてプロアシア帝国に捕まったエルフの捕虜たちを開放してから、異次元格納庫(ハンガー)からエアー式テントを設置しエルフの皆さんにはそこで休んで貰うように伝えて貰うと、中には若干数だが体調不良を訴えてる人が居たので、メディカルボックスの中から頭痛薬や整腸薬などの錠剤とミネラルウォーターも渡しておいた。


 それと下着を失くしてずっと不機嫌だったフィーメさんには、システムAIが予備のJ隊制服を加工してスポーツブラとショーツのセットを作成してくれたので、それを渡しておいたのだが、ちなみに森の中での着用を想定して、陸上J隊が着用するグリーンベースの迷彩柄の生地で作ったのがフィーメさん的には大好評だった。


 捕虜となっていたエルフたちは後方支援部隊の兵士たちなので、アリエル殿下の身辺警護をする近衛騎士隊ほどの個人戦闘能力は期待できない為、彼らを連れたまま戦闘区域へ戻る訳には行かない。


 なのでオレがジパングで破壊した6台の馬車から、まだ壊れていない車輪や車軸などの部品を集めて2台の馬車を復元し、逃げてしまった馬をドローンで探して、そのうちの4頭を確保する事ができた。


 食料と水に関しては、プロアシア兵たちの物資が馬車の荷台に残されていたので、救出したエルフたちが当面活動するには十分な量があるのを確認できた。


 これでようやく一連の救出作戦にも区切りがついたと判断したので、捕虜だったエルフたちの事はフィーメさんに任せて、オレはアリエル殿下と近衛騎士小隊が向かったシナジア方面へと偵察オートを走らせた。

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