第35話:殿、海水浴で観光立国します
スポーツと海水浴で健康を取り戻した布武宿。
だが布武丸はふと思った。
「……これ、たのしい!みんな、やりたい!」
そう、遊びこそ資源。
村の海を 観光資源 にすれば――経済がさらに回る!
―――
早速、海辺に宿を建て直した。
忍軍が砂浜を整え、陶工が焼いた瓦で屋根を葺き、木工職人がベンチを並べる。
看板にはこう書かれていた。
『布武海水浴場』
村人「殿……“かいすいよくじょう”とは……?」
俺「およぐ!あそぶ!やせる!てんかふぶ!」
―――
噂を聞きつけた隣領の人々が訪れた。
「なんだここは……海で泳げるのか?」
「砂浜で遊ぶだけでこんなに楽しいとは!」
「味噌汁の後に海に入ると、格別だ!」
気がつけば海岸は人でいっぱい。
子供は砂山を作り、大人は寝転んで日光浴。
商人は屋台を出し、団子やカステラを売って大儲け。
―――
だが、布武丸の真の狙いは――
「……りぞーと!がいこう!」
そう、観光で領主や貴族を呼び込むことだ。
実際、やってきた隣領の領主も大満足。
「戦ではなく、こういう遊びで領民を豊かにするのも悪くないな」
「布武丸殿、我が領からも客を送らせていただこう!」
―――
そして夏の終わり。
海岸には旗が立てられ、太鼓の音とともに祭りが開かれた。
子供たちの水泳競争、忍軍の飛び込み演舞、陶工による砂像コンテスト。
国王までもやってきて、砂浜でカステラを食べながら呟いた。
「布武丸……そなたの国は学びも菓子も……そして遊びまで……
もはや戦国を超えて、楽園ではないか……!」
―――
布武丸は波打ち際で両手を広げ、叫んだ。
「うみ!かいすいよく!かんこう!てんかふぶ!」
村人&観光客「「「おおおおぉぉぉ!!!」」」
布武丸、10歳。
海水浴を観光資源とし、布武宿を“リゾート国家”へと押し上げた夏の出来事である。




