第34話:殿、ケーキ太りでスポーツ始めます
牧畜外交で乳製品を確保した布武宿。
以来、ホールケーキは祭りや茶会だけでなく――
「殿!今日もケーキを!」
「仕事の合間にケーキ!」
「朝ご飯もケーキ!」
……完全に主食化していた。
―――
数か月後。
村人「殿……ズボンが入らなくなりました……」
忍軍「忍び走りができません……太ももが重く……」
陶工「窯の中に入れなくなった……」
……全員まんまるになってる!?
父上も腹をさすりながら呻いた。
「布武丸……これは国家的危機だ……」
―――
俺は黒板に大きく書いた。
『うんどう!すぽーつ!』
村人「すぽーつ……?」
―――
まずは広場で玉投げ。
忍軍が「味噌玉」を投げ合う遊びから始まり――
「おお、汗をかくぞ!」
「体が軽くなった気がする!」
次に相撲。
大人も子供もまわし代わりに布を巻き、土俵で取っ組み合い。
「どすこーい!」
「ぐえっ!」
最後に海へ。
「……すいえい!かいすいよく!」
布武丸の号令で、みんな一斉に海へダイブ。
波打ち際で相撲したり、砂浜で走ったり。
まるで村全体がスポーツ大会だ。
―――
数週間後。
村人「殿!お腹がへこんできました!」
忍軍「再び屋根を走れるように!」
父上「……久しぶりに鎧が着られる!」
見違えるように体が軽くなり、村全体が健康になった。
―――
そして布武丸は叫んだ。
「けーき!すぽーつ!けんこう!てんかふぶ!」
村人「「「おおおおぉぉぉ!!!」」」
―――
布武丸、10歳。
ケーキ太りをスポーツと海水浴で克服し、健康国家を築いた秋の出来事である。




