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異世界大名・天下布武丸の平定  作者: 風


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30/41

第30話:殿、宮廷デビューでカステラとクッキーを!

国王視察から数か月。

とうとう正式に布武丸に召しがかかった。


「国王陛下よりお達し! 布武丸殿を宮廷に招かれたいとのこと!」


父上は仰天。

「布武丸……いよいよお前が……」

重臣は青ざめた。

「まだ九歳にして……宮廷デビューとは……」


俺は胸を張った。

「……おみやげ!かすてら!くっきー!」


―――


布武宿の村人総出で準備が始まった。


カステラは卵と砂糖をたっぷり使い、黄金色に焼き上げる。

クッキーは小麦と砂糖をこね、香ばしく焼いて甘い香りを漂わせる。


村人「殿!これは甘すぎるのでは……?」

俺「いい!これ、こくさいこうしょう!」


忍軍は護衛に付き、陶工は特製の菓子皿を作った。

もはや“お菓子外交軍団”である。


―――


そして宮廷。


大理石の広間、天井には金箔の装飾。

絹と宝石をまとった貴族たちが並ぶ中――

布武丸登場。


「なんだあの小僧は?」

「ただの子供ではないか」

「いや……あれが“味噌汁の御子息”……」


ざわつく貴族たち。


―――


俺は堂々と手土産を差し出した。


「これ!かすてら!これ!くっきー!」


国王は怪訝な顔をしつつも、ひと口。


「……ッ!? ふわふわ……甘い……!そして、この丸い菓子……サクサクと香ばしい!」


ざわつく貴族たちも我先にと手を伸ばし――


「なにこれ!うまい!」

「茶に合うではないか!」

「いや酒にも合うぞ!」


たちまち場はカステラとクッキーの宴会場と化した。


―――


国王は高らかに笑った。


「布武丸! そなたは不思議な子供よ。戦ではなく、菓子で民も領主も従わせる……その才、我が宮廷に必要だ!」


父上「は、ははぁ……!」

重臣「殿!これで我が家は安泰ですぞ!」


俺は胸を張り、黄金色のカステラを掲げた。


「かすてら!くっきー!てんかふぶ!」


宮廷の面々「「「おおおおぉぉぉ!!!」」」


布武丸、9歳。

宮廷デビューを果たし、カステラとクッキーで貴族たちを従えた秋の出来事である。

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