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「もうっ」と、彼女は少し怒ったように俺の手を引く。すっかり冷たくなった彼女の手を握り返す。
明るく心優しい "教皇" ユフィ・ソフレシア。いつも彼女が俺を見つけてくれる。
ユフィに連れられ、たき火に戻る。
「何だ、まだここにいたのか。君だけ特攻してもらってたら、我らは観光でもしながら鼻歌交じりに凱旋できたものを」
杖を抱え、たき火にあたっているのは、"魔術師" ブスコ=パン。口は悪いが観察眼に優れ、その魔法で何度も仲間たちを死線から救ってきた。
舌に刻まれた魔術式が、話すたびに明滅する。
ブスコ=パンの話す言語は独特で、魔術式を介して共通言語に翻訳しているらしいと、ユフィが話していたことを思い出す。
「魔王の領域だというのに剛毅な奴じゃわい」
ガハハッと笑いながら、オズガルドはたき火に戻った俺の頭をなでる。
"正義" オズガルド。誰よりも年老いていて、誰よりも力強い。見上げると慈しむような笑顔が見える。
彼は携帯用の煮炊き道具で料理をしているが、鍋からは骨がはみ出し、大小さまざまな具材がこれでもかと一緒くたに煮込まれている。
おそらく、これが最後の食事になるだろう。
「とはいえ、明日は決戦となる。あまりユフィを心配させるでないぞ」




