表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女に愛された侯爵令嬢は愛を貫く決意をする  作者: 樋口 涼
解かれた封印

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/67

5

「オールには言ったの?」

「…わしとお前の関係か?」

「ええ」


(関係!?)


「で、どうする気?」

「どうもこうも…せん」

「オールはいつ王太子になるの?」

「…お披露目会の後だ…」

「そう…金の目を持つのは私なのに?」


全ての歴代王が、金貨色を受け継いできた。

金貨色の目は王族の印とも言えるからこそ、王と聖女が親子だと言われている。


「平等だなんだと言いながら、結局は『息子』ね」

「そういう事ではない」

「そうでしょう?正当な本当の王の娘である私は成れないもの」


(正当な本当の王?)


まるで他に王が居た様な聖女の言い方に、疑問をセピアは持つ。


「自分でも分かっているでしょう?私の父…貴方の兄が自死して貴方が継ぐとなってから金貨色に変わった事」


(父!?変わる?)


思わぬ話題に、セピアは目が丸くなる。


「貴方もそもそも金貨色に近かったからバレていないけれど…今回は私が居るのよ」

「お前は…聖女だ」

「えぇ。聖女ね。お母様の血が銀の髪をくれたわ」

「それ以上に何を望む」

「セピアよ」


(私!?)


「セピア嬢は…オールの婚約者だ」

「婚約破棄されるかもと不安にさせておいてその言い草?」

「オールは婚約破棄などしない。させはしない」

「あら?どうして?」

「わしを継ぐ者の横に、セピア嬢は必要だ」

「優秀で優しく…強い。ものね…」

「それだけではない」

「他に何かあるの?」


二人の会話に、セピアはドキドキと胸が高鳴るのが分かる。

自分に封印されていた力以外にも、何かあるのかと。

知らない自分を、他者が知って居る居心地の悪さは有るが、相手は自分よりも何十年も生きている立派な大人の上、王だ。


「セピア様」

「はい!!」


二人の会話に集中して、メイドが声をかけている事に気が付かなかったセピアは、思わず声を張り上げた。


「?…お風呂の準備が出来ました」

「あ。はい」


二人の会話の続きを聞きたい気持ちが在ったが、メイドにそんな事は言えず、セピアはお風呂へ足を向けた。


(…王様と聖女様…叔父と姪だったのね…)


メイドに頭を洗われながら、聞いた話を反芻する。

長子継承のプリシカ国で、王に兄が居た事等一度も聞いた事が無かった。


(自死って言っていたから…)


隠されたのだろうなと、思い至る。


(それにしても…気配で話の内容まで聞こえちゃうなんて)


封印が解かれ、まだ制御しきれない所為で立ち聞きの様な事をした事を、セピアは恥じた。


「気を付けよう…」

「どうかされました?」

「ううん。大丈夫」


(あれ?それにしては勇さんの方、何も聞こえなかったなぁ)


最近は泣き声も無く、落ち着いて来た様子の勇だから、不思議ではないとセピアは考えた。


(まぁ…二人の会話に集中してしまったし…)


身体を洗われ、温もりに身が蕩けそうになりながら上がる頃には、人形の様にされるがままのセピアで、ベッドに転がされていた。


「オイルマッサージね」

「はい」

「貸して。私がやるわ」


夢心地のセピアの体に、人肌の暖かさになったオイルが垂らされる。

眠い瞳でドアの方を見ると、メイドの後ろ姿が見えた。


(あれ?…)


「セピア…」


耳元で聖女の声が聞こえた。


「マッサージしてあげるわね」


オイルを持ち、垂らしているのは聖女だった。

一瞬身構えたが、身体を調べてくれた時に何もされず無事だった事と、さっきの盗み聞きの負い目があって、セピアは拒否できない。


「あら。大人しいわね」


そう言ってパンツだけ、着けたセピアの背中をマッサージする。


「背中。綺麗よ」


もう封印も何もない。


「ありがとうございました」


セピアはお礼を言ってなかったなと、薄目の中、聖女に礼を言う。


「ふふふ。良いのよ…」


「貴女は元気でいてくれたら…それで良い」と言うと聖女はセピアをベッドの上で転がした。

仰向けになったセピアの、一糸纏わぬ上半身が聖女の目の前に現れた。


「あぁ…貴女は本当に綺麗」


そう言うと、聖女はセピアの臍の上、紅い痣に口付けをした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ