第8話
期末テストが始まる
今回のテストの問題は授業でも言っていたようにほとんどが文法で解けるようになっている
ただ、純粋文法問題では知っていれば確実に解けるが知らない人は間違えてしまう引っかけ問題を出した
案の定点数は分かれたが赤点を与える点数の人は一人も居なかった
愛莉も日向も真面目な生徒には見えないが高得点をしっかり叩き出していた
一方の智彼は、もちろん悪い点数ではないが多くの文法を利用しても解ききれない読解問題を落としてしまっていた
どうやら、日本語訳はできているのに内容が大きくぶれてしまっていたようで、結果的に平均点を大きく下回ってしまっていた
「解説をしますが、読解問題に見せかけた文法問題は皆さんよく解けていました、一方で文法知識を使ってもわからない読解問題の正答率は中々に低迷していました」
智彼だけに言うのはフェアではないため、自分の担任をしている五組全体に言う
「そのときは、文法型読解問題で理解できた内容を手がかりにして、他の読解問題も解けば大方の意味から外れることはないでしょう」
「せ…先生…」
智彼が手を上げる
未だ自分への恐怖ははっきり抜けてはいないが、真面目であるため必要なときはちゃんと質問をしてくれる
「文章の内容がどうしてそうつながってるのかわからなくって…なんとなくはわかってるつもりだった場所も間違えちゃってて…言葉にできなくてごめんなさい!」
「大丈夫ですよ、よくあることですから…そういったときは文章の言葉の裏にある知識…いわゆる古文常識をつけた後にたくさんの文章を何度も読んで読み方を掴んでおく必要がありますね」
「…」
「問題を解くときには何度も読んですりあわせるといいですが、古文常識を超えた裏の…想像力みたいなものは実際の文章に触れてみないとわからないものです」
「あ…ありがとうございます…」
「まだ、古文には慣れないと思いますが頑張ってください」
和樹は解説を終わりにする
授業終わりに屋上行くと愛莉がいた
今は佑一の歴史の授業のはずだ
「どうしたの?」
「うるさい!おもちゃの先生には関係ないことでしょ!?」
また愛莉は走って逃げていく
愛莉はすべての男は自分の思うがままになる道具だと母親に教えられてきた
だから今まで会ってきた男の人は使い潰して、その後破滅させてきた
しかし、和樹は何をやってもあまり気にしない
本当だったら激昂するはずだが、何もせず、むしろ受け入れようとすることに愛莉の中で違和感を感じてしまっている
今は佑一にその標的を定めようとしているが、やはり和樹を見ると自分の思い通りにならないのを見て腹が立つ




