第7話
ゴールデンウィークが終わり、中間テストが近くなってくる
「助動詞の活用を丸暗記してはいけません、まさかじゃないけど形容動詞の活用もそのままで覚えてないよね?」
和樹は生徒に問いかけるが皆首をかしげる
「それだと覚えるのにも時間がかかるし、もし一つでもうろ覚えになった瞬間にパニックになっちゃうでしょ?」
どうやら覚えがある生徒もいるようで気まずそうな表情をする
「形容動詞の“なり”はだいたい“な+ラ変”と覚える、過去の助動詞“けり”も“け+ラ変”と他の古文知識とまとめられるでしょ?」
和樹は具体例を使う
「活用型さえ覚えれば古文の問題には元となる助動詞のある活用形が書かれているから導き出すことができる、“ラ変”ということがわかっていれば終止形接続助動詞の時も母音を“う”にするために連体形にするってわかるでしょ?」
後はそのほか知識があるかどうかと言わんばかりに話を終わりにする
また和樹はプリントを配布して授業を終える
七組から出ると、佑一がその場にいる
「大丈夫か?」
一年の先生ではあるが、社会の先生が少ないため、三年生の分も担当してもらっている
「大丈夫でしたよ、それより六組の授業はどうでした?ゴールデンウィークの様子から心配になった愛莉について間接的聞く」
「なんかやけに突っかかってきた生徒がいてね、あの~君の同好会の」
「やっぱり…」
案の定もっと荒れてしまっていたようだ
「申し訳ない…うちの人間が…」
「まだいいよ…多少授業が遅れても終わるように授業は調整している」
「助かるよ」
突然和樹が崩れる
「お前もお前でだめだったな」
自分が倒れてしまうことが予期できていたらしい
「そんなに顔色悪かった?」
「ずっと足が痛そうだったからね」
そう言って佑一はズボンを捲る
「こりゃひでぇ…」
「あんまり見ないでくれ…」
比較的新しい痣ができてしまっている
「これもあの子に?」
「そうだけど、これについては僕の発言が迂闊すぎただけだ、気にしないでくれ」
和樹は立ち上がろうとするが、足の痛みから体を支えられない
「いいよ、俺が運んでやるから」
佑一に片腕をかかれられて運ばれる
職員室の扉を開けられて座らされる
「先生…大丈夫ですか?」
由衣奈先生が話しかけてくる
「大丈夫じゃねぇよ…」
自分が言おうとしたことを先に遮られてしまう
「そういえば、一宮さんと月野さんは大丈夫ですか?」
由衣奈に聞く
「お前、話を…」
「二人ともいい子ですよ?それがどうしたんですか?」
佑一が遮る前に話す
先生には自分の担当ではない一組から四組の国語を担当してもらっている
「ならよかったです…」
和樹は安心したようでその場で眠ってしまう
今日はこれ以上予定がないため大丈夫だろう
それを見て佑一も職員室から出て行く




