第4話
「今日は桂さんが欠席ですか…」
「愛莉ちゃん、前の授業までは居たんですけどね~」
日向が明るい顔で刺してくる
純粋が故にどうしたら傷つくのかがわかっていない
思い悩んでいてもともかくなので授業を始める
「未然形はまだ確定していないことが最大の特徴です、順接仮定条件の「ば」もまだ起こっていないもしもの話だから未然形、推量も確定していないし、意志もまだやっていないからやろうと思っているんです」
愛莉がいなくてもこの教室は多少騒がしい
「一方、已然形はすでに起こったことを表す活用形です、逆説確定条件、順接確定条件すでに起こったことの因果を表し、 「こそ」も逆説を導くので已然形の係結びをします」
「せんせ~い!でも未然形接続の尊敬の助動詞ってまだ確定して居ないこととは言えなくないですか?」
日向の質問が来る
「どんなものにも例外はありますよ、已然形も基本は「え」母音で終わりますが「ましか」は例外になっています」
「わかりました~!」
日向も純粋ではあるが馬鹿ではない
それに愛莉よりも素直なため授業はやりやすい
同好会の時間になると愛莉は部屋に戻っていた
「愛莉ちゃんどこに行ってたの?」
「ん?屋上で遊んでたんだよ?」
教員しかいけないはずの屋上になぜか悪びれもなく行けているようだ
その返答には日向も驚く
和樹はそれに気づかないふりをして、旅行の場所決めの話をする
「では今回は栃木の鬼怒川温泉ということで」
珠兎が持ってきた案が採用された
ここなら大して遠くないため日帰りで行くことができるだろう
「では、今度のゴールデンウィークまでに荷物の準備をしていてくださいね」
和樹は一人家に帰る道である人に電話をする
「どうしたんだい?和樹くん」
「雪子先生」
自分にとっての大先生に連絡をする
「桂さんに屋上の鍵を渡したのはあなたですか?」
自分の前任者…去年自分のクラスである五組の担任をしており、去年定年退職した先生に問い詰める
「…そうだよ、私が愛莉に渡した」
「なぜですか?」
実際だったら鍵の紛失と生徒の管理不足で問題になってしまう
「君にそっくりだったからさ、君もちゃんと向き合わなければ取り合ってくれなかっただろう?」
「…」
「君はまだきっとあの子と向き合えてないはずだ、私はその場所を作っているだけなんだよ?」
「…わかりました」
和樹は電話を切る




